第15話 サーベルウルフ
私は城門を出て森に向った。
薬草は近場なところだと他の冒険者に採取され見当たらない。
奥に行くしかないのか。
そんなことを思いながら東の森に進んで行く。
木々が茂っているところがあり一歩踏み入れた時だ。
遠めに見ると魔物3匹に取り囲まれ、誰かが1人で戦っているようだ。
弓を携え細めの剣を構えている。
早く助けないと。
でも私には…。
このままでは危ないわ。
仕方がない。
【鑑定】サーベルウルフ
攻撃力が高く連続攻撃が得意で痛恨の一撃を放ってくる。
動きが早く仲間を呼ぶ習性がある。
サーベルウルフか、ダイアウルフといいよほど狼に縁があるのね。
私はストレージの中で石の槍を何本も創り出す。
そして魔物に近付いて行き大声で叫んだ。
「そこのあなた!!そのまま動かないでね!!」
すると戦っていた戦士は驚いたようにこちらを振り向いた。
〈〈〈〈〈 ストーンランス!! 〉〉〉〉〉
私は思い付いた適当な名前を叫ぶ。
すると魔物三匹の上空の空間が開き石の槍が降り注ぐ!!
「「ドッ!!「「ドッ!!「「ドッ!!「「ドッ!!「「ドッ!!
「「ドッ!!「「ドッ!!「「ドッ!!「「ドッ!!「「ドッ!!
「「ドッ!!「「ドッ!!「「ドッ!!「「ドッ!!「「ドッ!!
物凄い音がして魔物や地面に刺さって行く。
「ガウォ~~ン!!」
「ガウ~!!」
「ク~ン!!」
魔物達は最後の叫びを上げ息絶えた。
「大丈夫ですか?」
私はそう言いながら近づいて行く。
「あぁ、おかげで助かったよ。礼を言う」
戦士だと思っていた人は女性で、私より身長が高く長い髪を後ろで束ねていた。
そして褐色の肌と長い耳が左右に…。
こ、これはエルフか??
キタ~!!ようこそ異世界へ!!
私は嬉しさのあまりニヤニヤしている。
「おい。お前大丈夫か?」
「あっ、ごめんなさい。つい」
「私の名はジゼル。見ての通りダークエルフだ」
いいえ、わかりません。
「私はレナです」
「弓矢も無くなり接近戦になり困っていたところだ」
「丁度、間に合いましたね」
「しかし凄い地属性魔法だな。こんな使い方は初めて見たよ」
それはそうだ。
敵の上空数十メートルから槍や武器を落とされれば気づきようがない。
岩でも落とせば重さで加速がつく。
それだけで十分な攻撃になる。
「えへへ、私は剣技はできないので遠くからの攻撃ならと思って」
「ほう、それは凄い能力だ」
「それでジゼルさんは…「しっ!静かに!!」
そう言うとジゼルさんは目をつぶり耳に手を添える。
「逃げろ、ここは危険だ」
ジゼルさんが突然叫ぶ。
すると森の奥からたくさんのサーベルウルフが姿を現した。
レナは忘れていた。
サーベルウルフは仲間を呼ぶ習性があるということを…。
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