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【60】二回目のアレ


 今回の襲撃で判明した「サハギンの巣がもう一つあるかもしれない」という問題。


 それはアトランティスがまだまだサハギンの襲撃を受け続けるかもしれない、という可能性を示唆している。


 それゆえにネイアやレウスたちの顔は深刻そうに沈んでいた。


 これまでだって彼らは多大な犠牲を払って、サハギンどもからアトランティスを護ってきたのだ。すでに兵たちの消耗と疲労は限界に達しつつある。


 これ以上戦えるのか、あるいは国を護りきることができるのか、不安なのだろう。


 だがしかし、この問題に対処することは容易ではなくとも、対処するべき方法は明解だ。


『まずはサハギンどもの新しい巣を見つけないといけないよな』


『はい、そうですね』


 とにかくまずは、サハギンどもの巣を見つけないことには始まらない。いくらここでサハギンを倒したところで、時間をかけて個体数を増やされては意味がないからだ。根本的な原因を取り除く必要がある。


 とはいえ、海は広い。いやもう本当に広い。広すぎる。


 サハギンが海で生きられる以上、奴らの巣は陸地と違ってどこにでもある可能性がある。それでいて、海の中を捜索するのは、陸の上で何かを探すよりも遥かに困難だ。単純に捜索範囲の問題で。


 ゆえに、見つかるかどうかも分からない捜索の人手に、国防を担っているアトランティスの兵たちを割くのは悪手だ。だから――、


『サハギンの巣については、俺が空間魔法で探してみるよ』


 俺はそう提案した。


『私たちとしては助かりますが……よろしいのですか? 使徒様の負担が大きすぎる気がいたしますが』


 レウスがこちらを案じるように確認してくる。


『まあ、大丈夫だろ。それに、海は広いといってもアトランティスを襲いに来てるくらいだし、そう離れたところにはいないはずだ』


 サハギンどもが執拗にアトランティスを襲撃している以上、その巣はアトランティスから比較的近い場所にあるとは想像できる。


 もしもめちゃくちゃ遠い場所に巣があったりしたら、わざわざアトランティスへ来るのは不自然すぎるからな。


『んで、サハギンの巣が見つかった後の話なんだが……ネイア』


『はい』


『確かネイアは、女神様と話せるスキルを持ってるんだよな?』


『はい。『交信』のスキルを持っていますわ』


 俺の『神託』とは違い、スキル所持者の方からも神へ直接言葉を届けることができるスキル――『交信』だ。


『もしも巣に邪神の眷属がいたら、残念ながら俺じゃあ倒せない。だからその場合、女神様にそのことを伝えて専務を派遣してもらってくれ』


『はい。分かりまし…………あの、専務、様、ですか? ポセイドン様の眷属のどなたかでしょうか?』


 ネイアが不思議そうに首を傾げた。


 そういや、専務なんて呼んでも分かるわけないか。


『ごめんごめん。専務ってのは、リヴァイアサンのことね。分かる? リヴァイアサン?』


『はい、ポセイドン様の眷属の一柱である、リヴァイアサン様ですね。『神罰兵器』の異名と共に有名ですので、もちろん存じておりますわ』


 え? 何、『神罰兵器』って?


 専務ってば、そんな物騒すぎる二つ名があんの?


 元より逆らう気など欠片ほどもなかったが、改めて専務には逆らわないようにしようと思いました(小並感)。


『その異名の由来は後で聞くことにして……ともかく、万が一邪神の眷属がいた場合には、女神様たちに解決してもらうことにしよう』


 要するに、今まで通りの防衛に捜索を加えて、邪神の眷属がいたら専務に丸投げ、ということだ。


 そもそも俺の仕事は「アトランティスを襲うサハギンの駆逐」なのだから、やるべきことは何も変わっちゃいない。


 そういうわけで、やるべきことを互いに確認した俺たちは、連絡は密に取り合うことを約束して、その場は解散となった。


 俺は何度も感謝の言葉を告げる兵士たちとレウスを神殿の外まで見送って、


『ネイア』


 一緒に見送りに出ていたネイアに話しかけた。


『どうされました?』


『ちょっと俺、これから少し長く寝ることになるかもしれないから、心配しないでって言っとこうと思って。病気とかじゃないからさ』


『長く、ですか? ……その、具体的にはどれくらいお眠りになるのでしょうか?』


『それが俺にも分かんないんだよね。一週間とか一ヶ月とか、そんなに長くはならないはずだけど。たぶん、長くて3日くらい? もしかしたら普通に明日の朝には目覚めてるかもしれないし』


 ネイアは不思議そうにしつつも、分かりましたと頷いた。



 ●◯●



『さて……』


 神殿に間借りしている一室に戻ったところで、俺は呟く。


 サハギンどもの巣の捜索を開始する前に、やるべきことがある。


 何かと言えば、アレだ。二回目のアレである。


 まずは俺のステータスを見てくれ。



【名前】アクア

【種族】アクア・シームーン

【レベル】40(Max)

【HP】50/986

【MP】82/2032

【身体強度】41

【精神強度】1568

【スキル】『ポリプ化』『触手術Lv.Max』『鞭王術Lv.1』『刺胞撃Lv.Max』『毒撃Lv.5』『蛍光Lv.Max』『擬態Lv.5』『空間魔法Lv.5』『鑑定Lv.4』『魔力超感知Lv.5』『魔力精密操作Lv.7』『MP回復速度上昇Lv.Max』『自然魔力吸収Lv.6』『魔闘術Lv.Max』『生魔変換・生』『隠密Lv.5』『魔装術Lv.8』『水魔法Lv.Max』『氷雪魔法Lv.4』『念話』『神託』『限界突破』『神降ろし』

【称号】『世界を越えし者』『器に見合わぬ魂』『賢者』『天敵打倒』『サハギンスレイヤー』『一騎当千』

【加護】『海神の加護』



 うん、実はさっきの戦いの途中で、レベルが40に上がっていたんだよ。


 んで、どうやらアクア・シームーンという種族は、40レベルがカンストっぽい。それと前回に引き続き、レベルのところに進化可能との表記はなしだ。


 となれば、これはもう『ポリプ化』をするしかないだろう。


 新しいスキルを覚えているとか、レベルの上がったスキルの説明だとか、新たに称号を手に入れた事とか、そういうのも『ポリプ化』の後に回そう。


 MPも目覚めてから「空間識別」は1個しか展開していないのに、『限界突破』の副作用でほとんど回復していないし。


『ポリプ化』してしまえば、副作用はどうにかなると思うんだよね。


 ――というわけで。


『『ポリプ化』、発動ッ!!』


 俺はスキルを発動し、眠りに落ちるようにして意識を手放した。




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