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■■■-■■■-■■の日記2

5月6日


最悪。最悪、最悪、最悪。




5月7日


□□□-□□□-□□-02:やぁ、お嬢さん。前回の再生はうまくいったらしいな。今日はどの部位を置いてきた? どれ……右の耳介か


私:触らないで!


□□□-□□□-□□-02:おや、今日のおチビさんはご機嫌斜めだ。おねむなのかな? よろしい、寝かしつけてあげようね。永遠に……と言いたいところだが、さて、今回はどうなることか


私:さっさと食べなさいよ!  あんたにはそれしかないんだから!  この化け物!


□□□-□□□-□□-02:なるほど。私達は気が合うし、 相性が抜群に良いようだ。怪物を喰い殺す怪物と、不死の怪物。これぞまさに、割れ鍋に綴じ蓋だ。最高の相棒になれるぞ


私:わたしは、あんたとは違う。わたしには、わたしを、必要としてくれるみんながいる。生きるのは、痛くて、苦しくて、怖くて……辛いことばっかりだけど、でも、頑張れる。あんた、誰かに必要とされたことはある? あんたのこと、フレディが教えてくれた。あんたは傲慢で残酷な怪物だって。あんたのせいで、大勢の職員が死んじゃったって。わたしがおかしくなっちゃったのも、ママが死んじゃったのも、博士がわたしを嫌うのも、全部、あんたのせいだって!


あんたは、みんなを怖がらせて、傷つける為に生きているんだ。死んじゃえば良いのに。【魔物】なんかみんな、死んじゃえば良いのに!


□□□-□□□-□□-02:そうだ。全くもって、その通り。それでも……生きる意味が無くても、私には生きる意思がある。残念ながら




□□□-□□□-□□-02は私を食べました。この時も□□□-□□□-□□-02は一瞬で終わらせました。博士、会いに来てくれませんか? 博士は私のこと、嫌いですか? 私は博士が大好きです。博士に会いたいです。






5月10日


あれからずっと、□□□-□□□-□□-02のことを考えています。私が□□□-□□□-□□-02を罵っても、□□□-□□□-□□-02は怒りませんでした。フレディは、□□□-□□□-□□-02には感じる心がないから、何を言っても無駄だって言います。無駄だから、もう話しかけるべきじゃないって、何度も何度も、そう繰り返して。私が何を言っても、何も感じない? そんなこと、ないと思います。今まで色々な【魔物】と「意思疎通を試みる実験」をしてきたけど、□□□-□□□-□□-02は特別だと思うんです。□□□-□□□-□□-02は時々、人間みたいになります。博士はどう思いますか? 博士とお話ししたいです。




5月13日


最近、フレディはちょっぴり、怒りっぽくなりました。私のこと、心配してくれるのは、嬉しいけど。フレディは私を□□□-□□□-□□-02のところにやりたくなくて、むきになっているみたいです。さっき、フレディが博士の胸倉を掴んだって、ナターシャが怒っていました。本当ですか? 信じられません。もしもそれが本当でも、博士、お願いです。どうか、フレディを嫌いにならないで。フレディは博士が大好きです。博士に嫌われたら、きっと、生きてゆけません。




5月20日


やっぱり【魔物】は怖いです。【魔物】は人間を甚振って、滅茶苦茶にして、食べてしまいます。【魔物】と意思疎通を図るなんて、ばかげています。もういや。怖いのも痛いのも苦しいのもいや。




5月22日


弱音を吐いて、ごめんなさい。私は大丈夫です。頑張れます。まだまだ頑張れます。




5月23日


明日、久しぶりに□□□-□□□-□□-02に会う。博士、ありがとうございます。








5月24日


□□□-□□□-□□-02:やぁ、また来てくれたのか。この前が最後だと思ったんだが。まぁ良い。私のキャンディちゃん。今日もバリバリ噛み砕いて喰ってやる。さぁ、こっちへおいで。さっさと済ませよう。


私:あっ、待って、まだ食べないで!


□□□-□□□-□□-02:なぁ、お嬢さん。悪いようにはしないから、私の話を聞いてくれ。大丈夫、私の言う通りにすれば、全てうまくいく。いいかい、まずは、博士に


私:そうじゃなくて! わたしは平気。あんた、あっという間に噛み砕いて食べちゃうから、痛いのも苦しいのも、わかんないうちに死んじゃうの。生き返るのは、やっぱり、痛いし苦しいけど、それは、どうしようもないし、慣れっこだから、平気。今日ここに来るって、決めたのはわたし。この前のこと、謝りたくて。酷いこと言って、ごめんね


□□□-□□□-□□-02:まさか、忘れてしまったのか?  私は、君のママを狂わせた怪物だ。この怪物が、正しい行いに見返りを与えることを期待しているのなら、それは大きな間違いだ。お伽噺では、善意と善行は報われるだろうが、私達が生きるのはお伽話の世界じゃない。現実の世界なんだ。私は、肉を好む怪物に過ぎない。意思の疎通が可能だから、心を通わせることも可能だとは限らないよ


私:えっと……?


□□□-□□□-□□-02:つまり……こんなことで、私を懐柔……機嫌をとれると思ったら、大間違いだ、と……つまり、まぁ……そういうことだ。


私:ねぇ、あんた、どうして生きてるの?


□□□-□□□-□□-02:……なんだって?


私:あんた、この前『生きる意味はなくても生きる意思がある』って言った。生きる意思って、なに? 教えて


□□□-□□□-□□-02:そんなことを訊いて、どうする?


私:どうもしないよ。気になるから、訊いただけだもん


□□□-□□□-□□-02:生きていたいとは思わない。このままでは、死んでも死にきれないと、そう思う。それだけだよ


私:ふぅん。そうなんだ。私と反対だね。私、生きる意味はあっても、生きる意思はないんだと思う


□□□-□□□-□□-02:死にたいのか


私:死ねないよ。わたしはそういうものだから。それに、わたしが生きていれば、わたしを助けてくれた博士と皆の力になれるかもしれないし


私:あんたにとってわたしは、甘くて脆いキャンディーなんでしょ? バリバリ噛み砕いて、呑み込んだら、はい、おしまい。でも、その前にちょっとだけ、話をしてくれない?  あんたの話、もっと聞きたい




□□□-□□□-□□-02は自分が如何に恐ろしい怪物なのか、情緒豊かに話しました。




□□□-□□□-□□-02:とどのつまり、どいつもこいつも、この私にとっておきの惨劇を期待しているの


私:期待……期待かぁ。うん。わたしも、そう。みんなの期待に、応えたい。そういうの、違うけど、同じだね。


□□□-□□□-□□-02:君の、その依存体質は、何とかならないのか?


私:いぞんたいしつ?


□□□-□□□-□□-02:みんなの期待に応えたい。君はそればかりだ。


私:だって、わたし、みんなを愛してるんだもん。あんた、愛って知ってる?


□□□-□□□-□□-02:さぁ、どうだろう。歪んだ私の欲望を余すことなくぶつけられる獲物を仕留め、咀嚼、嚥下するときの満足感を、愛おしいと思うかもしれない


私:それは、愛じゃないと思う




□□□-□□□-□□-02:じゃあ、君が教えておくれよ。さぁ、愛の力とやらを私に見せてくれ。






□□□-□□□-□□-02は「今日のお喋りはここまで」と言って、あんぐりと口を開きました。私は□□□-□□□-□□-02の口の中へ飛び込みました。□□□-□□□-□□-02は私に怖い思いも、痛い思いも、苦しい思いもさせませんでした。




博士、お願いがあります。これからも、□□□-□□□-□□-02のところへ行かせてください。私、これからも□□□-□□□-□□-02と会って、色々な話をしたいんです。




5月26日


博士、私のお願いを叶えてくれて、ありがとうございます。もうひとつだけ、お願いしたいことがあります。わたしの認識フィルターを外してください。わがままはこれきりにします。



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