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うさぎ

作者: 雫

私たちはね

ながい列を成して

お月さまのところへ行くの

みんな我先にとやってたりして

どんどん早く行くんだ


満月の夜、

私たちうさぎの中から

1匹だけ…輝いている者が

あのお月さまの前で

好きなことをやっていいの

その日の夜のあいだじゅうずっと


私も途中までは行ったんだけど…

疲れてペタンと座っちゃった

朝からずっとずっと歩いてるもんね…

後ろからきた子たちがね

ものすごく私を睨んで通り過ぎていくの

そりゃあそうだよね

みんなお月さまから世界を見たくて必死だもの

道を邪魔しないでっていう

そんな声が聞こえてくるようよ


でも私は本当はね…

お月さまの中で友達のうさぎが

気持ちよさそうに駆け回っているのを見るのが好きなの

私はあそこで駆け回るよりも

そっちが好き


もうみんな行っちゃって

座ったままいると

近くに食べられる葉っぱ見つけて

むしゃむしゃ食べた


そうしたら

いつの間にか夜になってた

ふと空を見上げたの…いや、月を見たの


あ!今日はみみ子ちゃんが居る!

私の大好きな友達なの

すっごく楽しそうだなぁ


いつもおとなしく

後ろでちょこんと座って

友達うさぎのお話を聞いてる

静かな子なの


今夜は違う


とっても生き生きと走ってる

お月さまはみみ子ちゃんのライトになって

そっと見てくれてる

いつもの満月のときより

お月さまも嬉しそうな気がするの


とぼとぼと

出られなかったうさぎの子たちが帰ってくる

ぎらぎらした目をして。


あんなにきれいなお月さまとみみ子ちゃんを見ずに…


一夜限りって知っているのに

みみ子ちゃんあんなに走ってる


私は今夜は一晩中、ここで見ているね


帰ってきたら一番に

『可愛かったよ』

って言ってあげるんだもん!


2008年9月に作り上げた作品。

高校の文化祭のときに発表した作品です。

どこかに保存しておきたくて今回記載。

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― 新着の感想 ―
[良い点] とても可愛らしい詩ですね。 大好きです。
2020/10/23 23:19 退会済み
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