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第3話


 気を取り直してまずは生活基盤の確保だ!


 必要なものは衣・食・住の三要素。まずはそれをどうするかを考えないと。住に関してはこの洞窟の中にいれば雨風はしのげるよね。外の荒れ地と風の乾き具合からして雨は降らなそうだけど、土煙を帯びた風は防げるだろう。堅いけど、最悪地面に寝ればいいから住に関しては優先度を下げていいだろう。続いて衣なのだけれど、まぁ今現在着てる服でしばらくはなんとかしよう。下着は……ちょっと優先度高めにしとこ。


 で、問題は食だ。こればかりは毎日仕入れないと飢え死にしてしまう。大将は作品設定次第ではダンジョンマスターは飢えて死ぬことはない場合があるって言ってたけど、楽観視するのはよくない。

私は左手に持つダンジョンブック(仮)に【ページを開いて】と念ずる。





保有リソース・・・0.1P


料理生成

・食パン(一枚)・・・2P

・食パン(一斤)・・・20P

・総菜パン(焼きそば)・・・15P

・総菜パン(コロッケ)・・・15P

・アンパン・・・15P

・ジャムパン・・・15P

・クリームパン・・・15P

・ナポリタン・・・30P

・ミートソース・・・30P

・カルボナーラ・・・30P

・サバ味噌パスタ・・・60P

・おにぎり(塩)・・・10P

・おにぎり(具入り)・・・15P

・牛丼・・・50P

・豚丼・・・50P


~~~



 こんな感じで料理が数ページにわたり書かれているわけだが、おわかりいただけただろうか……。私の保有リソースでは何一つ手に入らないのである!


 一番安い食パン一枚ですら私の保有リソースだと20日はかかってしまうというコスパの悪さ。しかも一斤が20Pってことは10枚カットの内の1枚っぽいし。いったいどうしろと?

 ただ、この必要リソースのコスト設定……なんかコンビニ価格の10分の1くらいって思っておけばいいだろうか? その割にはサバ味噌パスタが割高だけど。まだ聞いただけで食べたことがないせい?


 どうしたものかと悩みながらページをめくっていると、ついに料理生成のページが終わり食材生成という項目に変わる。そんなに変りなくない?どっちにしろ食べ物なんじゃ……おや?



【食材生成】

コムギ(1kg)・・・10P

コメ(1kg)・・・10P

トウモロコシ(1kg)・・・15P

ニンジン(一本)・・・2P

キャベツ(一玉)・・・3P

ジャガイモ(1kg)・・・30P

ラディッシュ・・・2P

トマト・・・2P

ブドウ・・・4P

リンゴ・・・4P


~~~


 なんだか軒並み安くない? 勿論キロ単位の穀類は他よりも割高だけど、それでも料理生成の項目のコストよりは安くなっている。調理の過程を省いているせいだろうか。

 まさかと思い更にページをめくっていく。食材の方が種類が多いのか結構捲ったけど、見つけた。


【種生成】


一袋一律1P


コムギ

コメ

トウモロコシ

ニンジン

キャベツ

ジャガイモ ※3P

ラディッシュ

トマト

ブドウ

リンゴ


~~~


って、ジャガイモだけ3Pなんかーい! そういえば食材生成でもジャガイモだけが高く設定されてたよね。香辛料なら兎も角、別にお米や小麦よりも貴重という訳でもないジャガイモが一番高いのはなぜだろう……ま、それはおいおい考えるとして。

 一律1P! 料理の十分の一以下で買える! いや、勿論栽培期間は食べることが出来ないのは分かってる。だけど、それでもこの安さは破格じゃないだろうか。料理一食で20Pなら三食で60、1週間で420P、1か月で1280Pになる。種から育てて自分で調理すればもっと安上がりに仕上げられるんじゃなかろうか。


「もっとも、全部捕らぬ狸の皮算用なんだけどねぇ~。ヤバい。泣けてきた……トホホ」




ヒラリ



 ん? 今何かが落ちたような……。落ちた物を拾ってみると、それは丁寧に封がされた封筒だった。さっき本をぺら読みしたときにはなかったと思うけど、気が動転していて気が付かなかったのだろうか。

 とりあえず、封を切って中を見てみる事にする。書き主が相当几帳面な人なのか手紙も物凄く丁寧な字でこう書かれていた。




『拝啓 早乙女陽菜様


 この手紙を読んでいるという事は気が落ち着かれたのでしょう。まず、私は転生担当の天使を担当している者です。具体的に言うと、ルーレットの隣にいたバニーガール姿が私です。


 突然こんなことになり混乱していることだと思います。本来なら状況説明をしなければならないところですが、まずは謝罪をしなければなりません。


 申し訳ありません。早乙女様はこちらの不手際によって今回の転生者に選ばれてしまいました。本来は、異世界転生において「異世界転生・転移に対し免疫ができている」かつ「テンプレート知識を豊富に有している」かつ「異世界にいく事を望んでいる」が満たされている人物が選定されます。今回の場合、早乙女様のご友人の山本様が転生者として選ばれ、文化革命の起爆剤となっていただく筈でした。


 しかし、転生の儀の際、何故か山本様の今世への未練が増加と付近にいた早乙女様の異世界への願望が重なり不具合を起こしてしまいました。


 重ね重ね申し訳ありませんが既にに転生処理を行ってしまったため、元の世界に戻すことも不可能となります。本当に申し訳ありません。


更に早乙女様のルーレットはこちらからの加護を一切受けない状態となりました。あれは元々、いちいち転生者の要望を聞くことに飽きた糞爺ども__ここだけ斜線が引かれている__天界を収める神々が遊び交じりに考えた方法です。本来の要望を丁寧に聞く手順であればあの時点で手違いが発覚し送り返すこともできたのですが。

かくいう私がバニーガールだったのもその場のテンションで由緒ある羽衣をバニー変えてしまったせいです。ハイテンションであったり転生者の話を聞かないのも強要されておりました。ホント死ねばいいのに。※ここはむしろ強調されてる。


少々脱線してしまいましたが、今回はこちらの不手際となりますので補填として2か月分の食費としてのリソース、及びダンジョンレイアウトの為のリソースとして5000P添付させていただきます。また、出来る限りダンジョンが破壊されない為の措置として、最も人口が少ない国家の最も人が寄り付かない地域へ転生先を変更いたしました。

 

 早乙女様のこの先が健やかなものになる事を天使一同願っております。



追伸

 差し出がましいようですが、ダンジョンを飛び出し町や都市へ出るというのは出来る限りお控えください。無礼を承知で言わせていただくとダンジョンマスターは水槽の中の魚のようなもの。ダンジョンと言う水槽から出てしまえば、徐々に衰弱していきます。都市での生活も同じことです。

 また、都市に家を買い、その家をダンジョン化させるという事も控える事をお勧めします。その世界における高位の冒険者は、ダンジョンと言う異常に対し直感的に理解を示します。』


 

 ……なんと。私は大将と間違えられたらしい。そりゃ、大将ならいっぱいうんちく知ってたし、異世界とか行きたがりそうだ。でも私が異世界に行きたがった事なんて……あったわ。そういえばあの時テストが嫌で別の所に行きたいだなんて考えたっけ。それが原因かー……しゃーない。補填でリソースをこんなにもらえたんだから良しとしよう。

 

 5000Pもあればしばらくの間は食つなぐことが出来る。ケチって総菜パンだけにリソースを割けば一年近くはリソースが持つ計算だ。もっとも、実際はそんな無謀な真似はしないけれど。


 なにせ自然回復で得られるリソースが雀の涙なのだ。なんらかの手段を取らなければすぐに干上がってしまう。だからこそ、日々の食事も料理を買って済ますことも躊躇わざるを得ない。

 ならここを出て行くか? それもまた論外だ。


 何せダンジョンの外は地平線の先まで荒野の続く大自然。ダンジョンマスターとかいう種族だとは言えただの女子大生の身体能力しかない以上、歩いて旅に出るのは論外だ。手紙を読む限りダンジョンマスターが外を出歩くこと自体が自殺行為っぽいし。


 ならば私のやるべきことはこれだ! 


 ダンジョンブック(仮)を使って私はとある袋を取り出した。ズシリと1キロはありそうな重さが袋から伝わってくる。中を開くと、おいしそうな……訂正。中を開くと、袋の中には麦の種もみがぎっしりと入っている。

 私の考えている事は、自分の食べる食料を自分で育てつつ、ひたすらに自己保身を続けることだ! 


 例えダンジョンマスターが命を狙われる立場だとしても、戦わずに全力で命乞いをして生き残ってやる!





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