動骸異変のはじまり
動骸。
説明する必要もないよね。
文字通り動く骸です。
ちなみに「動骸」って文字「道外」に変換できるんですよね。
この「道外」の文字をひっくり返すと「外道」になるんですよね。
後で気付いたことだけど。
作者は鬼人 正邪にでも取り憑かれているのでしょうか…
ひっくり返して置き換えて、さすが正邪、やることがエグい(言いたかっただけ)。
「よし、始めるか。」
そう言うとユイは家の前に置いた巨大な蛇の骨格に呪文をかけ始める。
しばらくすると、骨格の周りに魔法陣が出現し妖しげに光り輝く。
さらに魔法陣の周りにそれを補助する「文字」が現れ光をより一層輝かせる。
最後にユイが手に持った凝った装飾の首の骨をゆっくりと骨格に取り付ける。
それを取り付けた後もユイは呪文を唱えていたがしばらくするとそれも止んだ。
「どうだ?」
周りを沈黙が包む。
その時、カラリと何かの音がした。
命を終えたはずの蛇の骨格が動いているのだ。
蛇はゆっくりと首をもたげると、とぐろを巻いた。
「やった!成功だ!これで結界の警備がより効率的になるぞ!」
興奮気味にそう言うとユイは文字を空中に書き蛇の骨格に触れる。
骨格は嬉しそうに体を震わせると、青い半透明の姿を見せた。
これはユイが「力」、俗に「霊力」を注ぐ事で蛇の生前の姿を再現しているのだ。
「これからは俺たちで頑張ろうな。」
そう言ってユイは優しげに蛇の首筋を叩いた。
これが後に「動骸異変」と呼ばれる異変の始まりだった。
———————————————
ここは白玉楼。
その縁側に腰掛けているのはそこの主人、「西行寺 幽々子」。
傍にある団子をつまみ口に運ぶ姿はどことなく妖しげだ。
その時、何に気付いたのか石庭をじっと見つめる。
「そう、幻想卿で遂に禁忌の魔術が使われるようになってしまったのね。」
そう呟く様はどことなく悲しげだがどこか表面上でだけの様にも見えた。
「どうかなされましたか、幽々子様?」
その時、白玉楼の庭師である「魂魄 妖夢」が声をかけた。
「あなたはこの庭の様子を見て何か思うことはないかしら?」
「思うこと、ですか?」
妖夢は幽々子の手の先に広がっている庭をジッと注意深く見つめる。
「どこかおかしい所がありましたか?」
分からなかったのか、妖夢は首を力なく降りながら主に聞いた。
「そうねぇ、完璧すぎる、とでも言っておきましょうか。何もかもが。」
そう言われて妖夢は誇らしげだ。
「そうなるよう管理するのが庭師の務めですから。」
「そうだったわね。でも、完璧すぎる。このままではありとあらゆるものがこの白玉楼に来なくなってしまう。」
「完璧過ぎるのがいけない、ということですか?」
幽々子はその問いには答えず、静かに縁側から立ち上がった。
「魂魄妖夢、あなたに新しく命じます。この異変を解決しなさい。」
「え?」
突然の命令に妖夢は困惑する。
しかも、異変と言われたのだ。
誰でもほいほいと解決できるものではない。
「ちょっとしたお使いみたいなものよ。」
「申し訳ありません。何を解決すれば良いのかよく分からないのですが。」
「そうねぇ、人里へ行ってごらんなさい。何かあるかもしれないわよ。」
そういうと幽々子は扇子を開いて顔の前にかざした。
妖夢にはその奥の表情を読み取ることはできなかった。
—————————————
ここは神霊廟。
ここにも異変を感じ取ることったものがいた。
「ん?見ない霊だな?何者だ?その割には霊体の中に骨が埋まっているように見えるのだが。」
に蘇我 屠自古はユイの生み出した青い半透明の体を持った蛇の霊体に問いかける。
「ちょいと失礼するぞ。」
そう言うと屠自古は蛇の霊体の中に手を突っ込み骨を取り出そうとした。
その瞬間、今まで友好的だった蛇の態度が一変した。
サッと後退し、威嚇の声を上げる。
「ダメだったか。しょうがない、雷矢『ガゴウジサイクロン』!」
そう叫んで、スペルを発動する。
すると弾幕が現れ、蛇に向かって攻撃していく。
蛇はしばらく抵抗していたがやがて青い体を消し、骨になった状態で屠自古に襲いかかる。
「しぶとい奴め!」
そう言うと屠自古は新しくスペルを発動させた。
「怨霊『入鹿の雷』!」
いくつもの雷に撃たれて蛇はようやく倒れた。
「やっぱり、この骨に何か秘密がありそうだな。」
そう言うと屠自古は装飾された首の骨を持って神霊廟に引き返して行った。
————————————
結界の端を青い体をした半透明の狼が走って行く。
そこに巨大な7色のレーザーが狼を追いかける。
やがてレーザーは狼を飲み込み消えた。
後に残るのは狼の骨格だけだ。
「やりぃ!しっかし、本当に何だろうな。首の骨に術式らしきものはあるが、魔術の他にも色々入っているみたいだな。帰って調べてみよっと!」
そう言うとレーザーを撃った主、「霧雨 魔理沙」は狼の骨格を丸ごと箒にうまく括り付け、家の方に向かって飛んで行った。
——————————————
「おかしい、何匹か帰って来ないな。調整のために何匹か作ったは良いが、最初の蛇をはじめ帰って来ない奴が流石に多過ぎる。何か悪いことが起きなければ良いが。」
そう呟くとユイはブツブツと喋り続けながら家の方角に足を向けた。
3人の異変を察知した者達がいるとはつゆ知らずに。
短めでごめんなさい!
異変に関しては一応「こうしよう」とは思っていたんですが、ユイ君の特徴があまり出ない異変になってしまいました。
幽々子さんのルビが何回やってもおかしなことになっていたので断念しました。
西行寺 幽々子。
頑張ってもこれが精一杯です。
勘弁してください。
いやだって、文字ですしおすし。
異変内では登場しませんが新しいキャラを考えています。
この後に小さな異変をその方に起こしていただこうと思います。
「動骸異変」も小さい規模とか頼むから言わないでくれ(T ^ T)。
余談ですが最近この「なろう」内にある東方の二次創作を読んではまってしまいまして。
それに毒されたせいでなんともキャラクターがぶれぶれになっちゃいました。
本当にすいません。
ただ5年以上もう投稿されてないんですよね。
復活してくれないかなぁ。
豊郷耳 神子さんみたいに。