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東方竜人郷  作者: 寝起きのねこ
緋色の幻想
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剣と魔術

赤い米弾をユイは走って避けていた。

宙へ飛び上がり文字を銀製のナイフに変えて投げつける。

それを防ぐのは紅魔館のメイド長だ。

後ろに殺気を感じたユイは素早く地面から上昇し2人の上を取る。

しかし、それも止まった時の前では無力。

いつの間にか更に上を取っていたレミリアが弾幕の槍を降らせに来る始末だ。

ユイは地上に軟着陸すると走って槍の雨を躱す。

陰と陽を取り出して上昇するも目の前に現れたレミリアがユイの胸倉めがけて鋭い爪の生えた手を振るう。

上体を無理矢理傾けたユイは戻り際に2振りを振るう。

しかしそれよりも速くレミリアは上昇し、ナイフと弾幕の雨が降り注ぐ。

「チッ!」

ユイは舌打ちをすると弾幕を切り裂きながら上昇する。

「《天罰「スターオブダビデ」》」

「《メイド秘技「殺人ドール」》」

2人はスペカを唱えた。

渦巻くナイフと赤いレーザーがユイを襲う。

「舐めんなよ! 《修羅「緋色の色眼」》」

ユイの目が緋色に輝き蝶弾、大玉、クナイ弾が展開される。

弾幕同士がぶつかり合い音を立てて割れる。

その合間を潜り抜け、ユイはレミリアと同じ目線に対峙した。

「…やっとだ。やっとこさお前さんと目を合わせることが出来たな。少しばかり苦労したぜ。」

「へぇ、それもいつまで続くのかしら。」

そういうとレミリアは紅く光る槍を手にユイに接近する。

「はぁ!」

気合の声と共に鋭い攻撃が飛ぶ。

ユイはそれを陰で受け止めると4振りある剣の鞘から躊躇いなく一振りの剣を引き抜いた。

「おらぁ!」

「ッ!?お嬢様!」

咲夜は2人の間に割って入りナイフでユイの剣の軌道をずらす。

六太刀(ろくのたち) 白銀』

「銀製の…剣!」

「大正解だ。こいつは元々2振りの双剣。純金と純銀の剣だ。さて、これが何を意味するのか分かるか?」

そういうとユイは白銀を取り落とした。

落下する剣から1人の少女が姿を現す。

白いパーカーに黒のジーンズを着た少女は剣を手に勢いよく上へと昇りあがった。

「はぁぁぁぁぁ!!」

気合の声と共にレミリアを目掛けて下から斬り上げる。

「こ…こんなことがッ!?」

「おっと、よそ見はしてくれるな。」

そういうとユイは再び腰の鞘から剣を引き抜くとレミリアに向かって突きを放った。

刀身は黄金色に輝き太陽の光を彷彿とさせる。

「黄金、そいつを逃がすんじゃないぞ。」

「分かってますユイ様。」

「グッ! 《神槍…」

「終わりだぁぁぁ!」

レミリアがスペルを唱えるのと白銀がレミリアの腕を斬り落とすのはほとんど同時だった。

力の発散どころを失った槍はユイの頬をかすめて紅魔館へと突貫していく。

その一瞬後、紅魔館の壁は爆音と共に砕け散った。

目の光を失ったレミリアはゆっくりと落下していく。

地面に追突した吸血姫だが、体を焼かれてもピクリとも動かない。

「お嬢様!」

咲夜がレミリアの下へ駆け寄る。

「咲…夜…」

か細い声で夜の王女は鳴く。

咲夜は落ちていた慌てて日傘を拾うとレミリアに被せた。

「そいつはまだ殺しちゃいないぜ。少し話してもらいたいことがあるからな。」

ユイはレミリアの傍まで歩み寄ると片膝をついて敵を見下ろした。

「どうして社会主義を広めようと?」

「あの子の…為。あの子の…自由の…自由を…」

爆音。

そして紅の霧。

「見つけた。」

パチュリー・ノーレッジが魔導書を手にユイを睨みつけていた。

「パ…チェ…?」

「レミィ、黙ってて。あなたの夢をここで途切れさせたりなんかしないわ。」

パチュリーは上空に巨大な魔法陣を展開させた。

「これは…」

あまりの規模にユイも言葉を失う。

「私が秘密裏に研究した魔術の最強の結界。《符の零「ブックスラージェストマジックワールド」》」

魔法陣がさらに展開し紅魔館の敷地全体を覆いつくす。

「魔理沙をこれで捕まえてもいいのだけれどあなたには容赦しないわ。これであなたを永遠の狭間に閉じ込めてあげる。」

本が鳥の様に辺りを飛び回り突風を引き起こす。

文字があたりに錯乱し、結界を書き換え続ける。

「まったく、こんなスピードでころころと変わっていたら解除のしようがないな。」

ユイは解除を諦めるとゆっくりと立ち上がりパチュリーに向き直った。

「さて、始めましょうか。魔術の戦いを。」

動かない大図書館は淡々とした表情で宣戦布告した。

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