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東方竜人郷  作者: 寝起きのねこ
竜人達の因縁
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ミシャクジさま

ただ結界に突撃するだけのお話です。

洩矢 諏訪子は無縁塚に来ていた。

「あーうー。物理結界かー。」

諏訪子はめんどくさそうに呟く。

「そう、この結界はキトラだからこそできる芸当だ。その力は残念ながら神すらも凌駕するらしいぞ。」

諏訪子の隣に老人が現れる。

「誰?」

「半端の神。」

諏訪子の疑問に、老人は一言で答えた。

「天狗たちは?」

「残念ながら、結界に触って。」

その先を老人は告げなかったが諏訪子は察しを付けた。

「で、あちらさんは何をしてるの?」

「引きこもってる。」

『はぁ…』

知らずのうちに2人の口から想いため息が出てくる。

「これじゃあ、弾幕祭りが出来ないじゃないか。」

「そこかい。戦況が変わらないのはこちらにとってかなりの不利だぞ。」

諏訪子は弾幕を1つ結界に向けて放つ。

弾幕はややあったのち物理結界によって破壊された。

「純粋な力は通常の結界が、飛び道具や兵士は物理結界が…」

「待った。」

諏訪子は、はっとしたように顔を上げる。

「これ、通常結界だけを破れたら?」

「無茶いうな。それだけの戦力は持ち合わせてないだろう。」

「私を誰だと思っているんだい?」

諏訪子の顔は不敵な笑みを浮かべていた。

背後に禍々しいものが集まる。

禍々しさが最大に達したとき、諏訪子の後ろには大量の蛇が控えていた。

「ミシャクジさま達なら何とかなるでしょ?」

「祟り神か…」

老人はあまりの力の違いに1歩下がる。

「諏訪子様!」

そのとき上から緑の髪をした東風谷 早苗が降りてきた。

「ミシャクジ様なんて何を考えているんですか!」

「えぇ~いい子たちだよ?」

蛇たちも同意するように舌を出す。

「とにかく! 今回はダメです!」

早苗は怒ったように腰に手を当てる。

「じゃあこれを見てもお前さんは突っ込むっていうのか?」

老人は石を結界に向けて投げる。

石は結界に当たった途端粉々に砕けた。

「えっ…?」

早苗は顔を青くする。

「空中に炭素が漂っていた。物質が突っ込むと炭素が速い速度で動き対象を粉々にする。」

老人が説明する。

「そういうこと。通常の結界もあるから純粋な信仰心でできた私でも突破が出来ないってこと。」

「どういうことですか?」

早苗はまだ状況が掴めないのか首を傾げた。

「通常の結界を解除、その後ミシャクジ遣いがミシャグジさまを率いて結界内部へ。祟り神に暴れてもらう寸法だ。」

老人は簡単に作戦の概要を伝える。

「でも物理結界をミシャクジさまは通れないんじゃ?」

「今回連れてきたのは神霊体のミシャクジさまだよ。」

早苗はなんとなく作戦を理解した。

「おし、君と早苗は結界の外側から援助をお願い。通常は結界に向かって弾幕を撃ち、私の支援。逃げ出した奴らは弾幕で始末。」

『了解。』

2人はすでに解かれた結界の中に入っていく。

「あの祟り神ども…なんちゅう解除の速さだ。」

老人が驚いたようにつぶやく。

「それで…お名前は?」

居心地が悪かったのか早苗が老人に話しかける。

「ない。それに団体行動は苦手だ。反対側で好きにやらせてもらうぞ。」

そういうと老人は真言を唱えて走っていった。

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