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東方竜人郷  作者: 寝起きのねこ
竜人達の因縁
49/93

出鼻を挫く

キトラ編。

書くのが何気に難しかった…

そのせいで短いです。

あと、高校生活が始まったので投稿ペースはガツンと落ちます。

この後は色んな人の視点で見ていくので頑張ってついてきてください。

「無様だな、『殺戮の魔天』。」

「お前が言えたことか、『五番目の車輪』。」

檻を挟んでキトラの前にいるのは鎖にとらわれた『殺戮の魔天』、ユイだ。

「まさかあんな連中を繰り出してくるとは思わなかったよ。」

「口を慎め、『殺戮の魔天』。俺の指先ひとつでお前の命なんてどうにでも出来るんだからな。」

「それはないな、『五番目の車輪』。俺を生かして連れてきた以上は簡単には殺すまい。」

「確かにそうだな。だが、瀕死にする程度なら大丈夫だろう?」

そういうとキトラは指先を軽く動かす。

次の瞬間、ユイの腹には巨大な杭が刺さっていた。

「がふッ!」

ユイの口から血が流れる。

更にキトラは容赦なく杭の形を変形していく。

杭から棘を出現させユイの体を容赦なく傷つける。

しばらく動かしたところでキトラは杭の動きを止めた。

「ひとつ提案がある、『殺戮の魔天』。俺の仲間にならないか? お前の恋人の安全も保証してやろう。」

ユイはその言葉に肩を震わせた。

「フフフッ、あくまで命までは、だろう? そんな滅茶苦茶な交渉に乗ってたまるか。」

キトラは笑う。

次の瞬間、キトラは指先を軽く動かす。

ユイの体から煙が上がる。

刺さった杭にキトラが電流を流したのだ。

「グ八ァ!」

「今はそうかもしれないな。あとで考えておいてくれ。」

キトラはひとしきりユイをいたぶると、地下室を去った。

エレベーターで最上階まで上がると執務机に着いた。

近くにいた部下に呼びかける。

「準備はどうだ?」

「完璧です。」

「そうか。始めるぞ。」

キトラは立ち上がり大広間へ向かう。

そこには、部屋いっぱいの「キトラの竜」がいた。

キトラは壇上に立つ。

「聞け、わが竜よ! 今、私たちは竜人ユイを捕らえた! 彼は幻想郷の結界の警備をしている! 今回彼を捕らえたことで向こうは現在大混乱だろう! その隙を突き、我々は魔界を経由して幻想郷の無縁塚を占領する! 今、賢帝の旗の下に続け!」

「おぉぉぉ!」

キトラの声に兵士たちは沸き立つ。

ある程度静かになったところで部屋の隅に控えていた術者たちが呪文を唱え始める。

「これより魔界へ移動する!」

(まさか幻想郷(むこう)の連中も反対側から攻め込むとは思わないだろう。こちらは奇襲を仕掛け、最新の兵器を持って幻想郷を占領する。かつて私が支配したあの集落を再建するのだ。)

キトラは術に沈みながらほくそ笑む。

魔界。

そこは未知の世界。

魔法のメッカと呼ばれていたり、強力な妖魔が跋扈していたりと黒いうわさが絶えない。

そこに敢えて踏み込むことでキトラは意表を突くことにした。

部屋の景色が薄れ、毒々しい景色が見え始める。

完全に部屋の景色が消えたとき、そこには魔界の兵士たちが武器を構えていた。

「何者だ!?」

兵士の1人が問う。

「邪魔だ。」

キトラは呟くと手を軽く動かす。

次の瞬間、「キトラの竜」の戦闘部隊が洗練された動きで動き出す。

流れるような動きで次々と敵を倒していった。

魔界の兵も抵抗するが「キトラの竜」の前では無意味に終わった。

「移動を開始する!」

キトラが号令を出すと術者たちが呪文を唱えだす。

(魔界か…幻想郷を支配した暁にはここも支配してやろう。この様子ならもう少し兵力を入れれば簡単に支配できる。私の力を現世だけではなく魔界にまで轟かせるのだ。)

キトラはそんなことを考えながらぼやける魔界の景色を眺める。

魔界の景色と変わって今度は緑が見えてくる。

そして、キトラ達は幻想郷へと来た。

「兵を展開せよ! 『目』と『爪』で固まりこの無縁塚を占領するのだ!」

キトラの指示に兵士たちは散り散りに走っていく。

そこに一切の乱れもなく銃を構えて占領に向かう様子はロボットを連想させた。

「さて、幻想郷の連中はどう出てくるかな…」

キトラは呟きながら幻想郷の地図を広げ、頭を回し始める。

「おい。」

キトラは部下の1人を呼び出す。

「なんでしょうか?」

無縁塚(ここ)の占領が終わったら『中有の道』を落とせ。」

中有の道は三途の川や彼岸へと直結する重要な道だ。

ここを抑えることで、冥界や妖怪の山にも通じる足掛かりになるとキトラは踏んだ。

(幻想郷陣営の拠点は恐らく外の世界とつながっている博麗神社か、傾斜的に守りやすい妖怪の山だろう。妖怪の山なら万々歳。博麗神社だとしても竜たちを使えばどうにでもなるだろう。)

キトラは地図を簡易机に広げると優雅な仕草で椅子に座る。

そして軽く手を動かすと衣装を変えた。

「幻想郷は我が物だ。」

キトラの言葉を聞いた者はいなかった。

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