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東方竜人郷  作者: 寝起きのねこ
竜人達の因縁
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奔走:紫編

ねこさんの頭はくら~んくら~ん

<博麗神社>

博麗 霊夢は庭を箒で掃いていた。

「平和なのはいいけど…どうも参拝客がねぇ…紫はどうしてこんなところに作ったのかしらね。」

ぶつぶつと愚痴を零しながら箒を動かし続ける。

愚痴を言いながらも箒の動かし方はたいしたもので一掃き一掃き動かすごとに石畳の隙間からゴミを掻きだし移動させていく。

その時、隙間が霊夢の前に開く。

中からは焦った様子の紫が出てきた。

「あら、紫じゃない。丁度今あなたの愚痴を零していたところよ。」

霊夢はにやりと笑って紫に挨拶をする。

「そう。でもそんな愚痴を言う暇もすぐになくなるわよ。」

紫は早口に言う。

「どういうことかしら?」

ただならぬ紫の様子に、霊夢は事の重大性を悟る。

「単刀直入に言うわ。この幻想郷が侵略される。」

「はぁ?」

霊夢は大きな声を上げる。

「事情を説明して頂戴。」

「幻想郷に竜人が入ってきたことは知ってるわよね?」

「えぇ、ユイとかいう。」

「実は今回の幻想郷の侵略者はそのユイの宿敵なのよ。」

「よく分からないわ。何が原因なの?」

「彼にはかなり重要な仕事を任せていたの。その仕事が立ち行かなくなるということは幻想郷の組織が混乱する。つまりその隙をついて攻撃をしてくる可能性があるってことよ。」

霊夢は徐々に事の重大性を飲み込む。

「でもちょっと待って、侵略者ってことは外の世界から?」

「そういうことよ。だからここを避難してほしいの。」

「なるほど。幻想郷と外の世界の接点はここだけ。だからここに拠点を構えようと。」

「いえ、本拠地は妖怪の山よ。」

「どうして?」

「万が一よ。」

「……。」

「お願いよ霊夢。」

「…分かったわ。」

霊夢は紫の隙間に入り込んだ。

「ここは誰が守るのかしら?」

「あとで、妖怪の山の部隊に任せるわ。」

そういうと紫は隙間を閉じた。


<霧雨魔法店>

紫は隙間を開きそこに降り立つ。

「やっぱりいないわね。博麗神社にもいなかったところを見ると…本当にどこにいるのかしら?」

紫は苦笑しながら独り呟く。

「誰をお探しだ?」

「あら、あなたを探していたのよ。ほかにこの辺りに住んでいるのはあの人形使いぐらいじゃないかしら。」

「じゃあ、人形師だな。ならもう少しあっちの方に行ったところだぜ。」

魔理沙は家とは少し違う方向を指さす。

「ありがとう。でも今回はあなたに用があるのよ。」

「私?」

「そう、あなた。」

「で、何の用だ?」

「最近、ここら辺で魑魅魍魎が湧かなかったかしら?」

「たしかに湧いてたな。うじゃうじゃと。」

「残念ながらこの後人間がやってきて幻想郷を侵略するのよ。」

「…どういうことだ?」

魔理沙が険しい顔をして問いかける。

「別に私が誘導しているわけじゃないわよ。外の世界の連中よ。」

「外の? 幻想郷ってのは外の世界の奴らにばれているのか?」

「ほんの一部だけね。で、その中で侵略しようって輩が現れたの。残念ながら頭の切れる奴だから幻想郷が支配されかねないの。」

「その元凶は?」

「キトラっていう竜人よ。」

「竜人?」

「ユイっていう竜人がいたわよね?」

「いたな。」

「その竜人の宿敵で誘拐されたことが分かったわ。」

「……。」

魔理沙はじっと考え込んでいる。

「つまりだ。そいつが誘拐されたことで侵略しに来ていることが分かったってことか?」

「そうね。彼は幻想郷でそこそこ大事な仕事を任されているの。その仕事をする奴がいなくなって今かなり混乱しているの。」

「その混乱した隙をついて攻め込んでくると。で、私は何をすればいい?」

「話がはやくて助かるわ。妖怪の山に本拠地を構えているからそこに集まってほしいの。」

「なるほど。分かった。それじゃ先に待ってるぜ!」

そういうと魔理沙は箒に飛び乗りそのまま飛んで行った。

「話しも早いけど行動も早いわね…」

紫は苦笑すると隙間を開き今度は藍が説得した有力者たちの回収に向かった。

「どれほどの勢力が食いついてくるかしらね…」

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