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東方竜人郷  作者: 寝起きのねこ
覚醒
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竜と狐の御前試合

なんとなく登場人物紹介

名前:ユイ

種族:竜人族

能力:文字を操る程度の能力

年齢:約4000歳

身長:160.8cm

体重:45kg

髪の色:白色(能力で変えることもできるそう)

目の色:金と銀(能力で変えることもできるそう)

夜が明け、霧が立ち込める開けたところにふたつの影が向かい合って立っている。

ひとつは竜人ユイ。

かつて、鬼龍と呼ばれた竜人で、同族からも圧倒的な力を恐れ封印された。

もうひとつは八雲藍。

大妖怪八雲紫の式神で、式神であるにも関わらず自分の式を持つその力は侮れない。

ユイは痩せ細った体で体の様々なところを伸ばしたりして、2974年という恐ろしく長い年月のブランクを埋めようとしていた。

その様子はまるで生きた案山子のようで、周囲に漂う朝霧がより一層不気味な様子を出演している。

藍はその様子をじっと見つめ、相手の様子を伺っている。

「狐神、今のうちに俺を倒してあそこに叩き返してもいいんだぜ。」

「そう呼ばれた時期もありましたが今の私は紫様の式です。それと、お望みならその結界を解いてください。」

ユイはニヤリと笑うと結界を可視化させた。

結界の周りには、不思議な文字のようなものが漂っている。

これはユイ固有の「文字を操る程度の能力」で結界を保護しているのだ。

藍はそれを見て静かに苛立ちを募らせた。

「その文字のような物が結界を解除できない原因ですか。」

「一応文字だ。竜人族で使っているな。」

「そんな古の文字を使っているのは貴方ぐらいでしょう。」

「否定はしないしできねぇな。」

そういうと二人の間に沈黙が訪れた。

あるのは体を動かすユイの筋肉の悲鳴ぐらいだろうか。

痛々しい音を立てて体がほぐされていく。

「こんなもんか。」

そういうとユイの周りにあった結界が消えていく。

「《式神「仙狐思念」》」

先に攻撃を仕掛けたのは藍だ。

結界が完全に消えるより先に弾幕を放ち、ユイを葬りにかかる。

「物騒な弾幕だな。」

ユイは苦笑しながら弾幕を寸でのところで避けてみせる。

そこに無駄な動きはなく、体を傾けることで弾幕を避けていた。

「面白い避け方をしますね。」

「飛び回るよりかは避けやすいと思うぞ。ご希望なら飛び回ってもいいんだがどうする?」

「《式神「十二神将の宴」》」

ユイの問いに藍は弾幕で答えた。

起動を変えた弾幕がユイに直撃し、体のいたるところから鮮血がにじみ出る。

「うん、やっぱり今のままでいいや。」

「なんで被弾したのに倒れないんですか…」

「訓練した。」

「訓練してなんとかなるものでは無いと思うんですが。」

「事実なんとかなってるならいいだろ。」

「倒すのは骨が折れそうです。」

ユイのとんでもない発言に藍は驚きを通り越して呆れていた。

しばらくの間無言の弾幕戦が続いた。

というよりかは藍が一方的に攻撃をしているだけなのだが。

沈黙に耐えかねた藍がついに口を開いた。

「いい加減弾幕を撃ったらどうですか?それとも外に出る気がないとか?」

「じゃあ、そろそろやるか。《竜符「紅色のエリカ」》」

ユイはスペルを唱えた。

次の瞬間、藍はその弾幕に驚愕した。

弾幕の量自体はそこまで多くはない。

藍が驚愕したのはその軌道の複雑さだ。

一つ一つが意志を持っているかのように動いていた。

「ぼーっとしてると死ぬぞ。」

「しまった!」

ユイの声で我に返った藍は弾幕を避けようとした。

しかし、時既に遅し。

藍は弾幕の檻に囚われた。

しかし、弾幕は藍を押しつぶそうとしない。

ユイは、どこか暗い顔をしていた。

「なぁ、スペルにある『エリカ』っていうのはそういう花があるんだ。そいつの花言葉を知っているか?」

藍は黙って首を横に振った。

「『孤独』だ。だから、そうやって何かに寄りつこうとする性質を持っている。」

「何をいいたいんですか。」

「ちょっと想像してみてくれ。そいつの様にカラフルでは無いが檻に捕らえられ永遠に出れない。手足にはいくら壊そうとしても壊せない枷がある。どう脱獄しようとしても逃げられない。光なんてものはない。心的にも物理的にもな。そこで不定期でただ痛めつけられる。ある時は弾幕、ある時は刃物、ある時は狂気を見せられ、またある時は若者兵の案山子にもされた。それが3000年近く続く。もう誰も信用はできない。そんな時お前さん方が現れる。そしたら条件付きではあるが出してもらえるそうじゃないか。どうだ、お前さんなら断るか?」

ユイはゆっくりと言葉を紡ぎ最後に問う。

「同情でも誘おうというんですか?」

「同情なんてしてもらったところで何も嬉しくはないさ。ただ、無駄に悟った様な幼稚な竜人の戯言とでも思っておいてくれ。言ってしまえばこちらに戦意はない。それを分かった上でこの戦いを続けるのか考えて欲しい。お前さんの最初に使った弾幕はなんだ? 式神「仙狐思念」だ。なら千考思念した上で結論を出してくれ。」

そういうとユイは弾幕を消した。

藍は後ろに跳びのき彼の様子を最初の様にじっと見つめている。

ユイの目は冷たい藍色に染まっていた。

どちらもお互いに攻撃することなく数秒の時間が過ぎた。

すると、藍は服の手の袖をピタリと合わせお辞儀をした。

「参りました。」

藍の声が朝の空気に響き渡る。

すると、隙間から紫が現れた。

「勝負あり、ね。」

その顔には不思議な笑みを浮かべており、なんとも言えない空気を醸し出していた。

「どっかから覗いてたな。」

「さあ、なんのことでしょう?」

「この隙間の大妖怪が…」

「あら、嬉しいこと言ってくれるじゃない。」

「ユイ!…さん…」

紫とユイが話していると藍が会話に割り込んできた。

「ん?どうした?呼び捨てでも構わないが。」

「わかりました。今度は勝ちますから。」

「おう、期待してるぜ。今回は試験みたいなものだからな。次はちゃんと戦ってやるよ。」

「お話は済んだかしら?そろそろ行くわよ。」

朝霧が晴れて陽光が紫たちを照らしていた。

「2974年ぶりの日の光か。こんなに明るかったか?」

「3000年も暗闇の中にいたらそうも感じるわよ。」

そういうと紫は隙間を開いた。

「行くか。」

そう呟くとユイは隙間に入っていった。

奇妙な感覚は一瞬だった。

次の瞬間ユイたちは小高い丘に立っていた。

周りの景色を見渡すことができた。

巨大な館や、巨大な岩山。他にも巨大な竹林や、空に浮かぶ土地。

「幻想郷へようこそ。」

「ここが…幻想郷…」

「そんなに驚くものかしら?」

「地球の全ての土地を凝縮した様な景色が広がってたら誰だって絶句すると思うぞ。」

「海と砂漠はないわ。」

「そう、じゃあ八割とでもいっておくか?」

「それでお願い。」

「はいはい。」

ユイは太陽に向かって思いっきり伸びをした。

痩せ細った姿はそのままだったので不気味な様子なのは変わりないのだが。

3回もデータが消し飛んで作った苦労作です。

本気で一回この作品描くのやめようか考えました。( ; ; )

東方愛にわかで頑張りましたが。


さて、ついに幻想入りしたユイ。

何が起こるのか…!?

乞うご期待。

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[気になる点] 人類が土器作ってる裏でこんな奴らが殺し合いしてたの考えると草生える
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