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東方竜人郷  作者: 寝起きのねこ
動骸異変
11/93

和?を持って尊しとなす

屠自っ子回。

やわらぎを持って尊しとなす、と読みます。

タイトルの名前のセンスがどんどんよじれているけど、きっと笑って許してくれるよね?

傲慢ここに極まれり。

「と言うわけで太子様、これは『かく 青娥せいが』の仕業ではないでしょうか?最近、何かと大人しかったのでその反動がきたのかと。」

蘇我そがの 屠自古とじこは主である、豊郷耳とよさとみみの 神子みこの書斎で先程の出来事を報告していた。

「ふむ、青い半透明の霊ですか。しかし、彼女らしくありませんね。」

「どういうことですか?」

「彼女の専門は何でしたか?」

それを聞くと屠自古は驚いたような顔を見せた後、恥じ入るような顔を見せた。

尸解仙しかいせんでしたね。なるほど、そうなると何故霊を使ったのか、という疑問が出て来ますね。」

「そういうことです。あの邪仙なら使えない事もないでしょうが、あまり好んで使うとは思えません。となると別の者がやったのでしょう。」

「いったい誰が…」

「では、あなたに命令しましょう。蘇我 屠自古、この不思議な霊をここに送り込んだ犯人を見つけ、退治してください。」

その言葉に屠自古は深々と頭を下げた。

「承知しました。」

「霊関連なら、白玉楼や地底の火焔猫、あまり勧めはしませんが必要とあらば青娥にも聞いてみてください。」

「わかりました。ではいってまいります。」

そういうと屠自古は書斎を後にした。

「ふむ、まずは白玉楼にでも行ってみるか。」

そういうと、屠自古は白玉楼へと向った。

白玉楼では幽々子が迎えた。

「あら、屠自古さんじゃないの。ついに死神に捕まってここに送り込まれたのかしら?」

「残念ながらそれはもっと後のことになりそうです。今日伺ったのは…」

そういうと屠自古は幽々子にここへ来た経緯を説明した。

「なるほどね。実は私も気がついていたから、妖夢を送り出したのだけれど一足遅かったわね。」

何が面白かったのか幽々子はくすっと笑った。

「どういうことですか?」

「この白玉楼の魂が突然消えたのよ。転生ではなく。」

「召喚術?」

「おそらく違うわ。これは私の推察なのだけれど、それでよかったら聞いてもらえるかしら?」

屠自古が頷くと幽々子は話し始めた。

「おそらく、魂がなんらかの術によって作られたのではないか、と私は見ているわ。」

「魂が作られる!?」

屠自古が素っ頓狂な声を上げた。

「そうよ、ただし魂の数というのは世の道理という訳なのか、一定の数以上増やしたり減らしたりが出来ないのよ。だから、魂が新しく作られ、別の魂が消えたのではないか、と考えているわ。」

「なんて奴だ…」

「下手をしたら、魂が転生することが出来なくなって生物は絶滅の一途をたどるでしょうね。」

「どうすればいいんですか?」

屠自古が切羽詰まった様子で聞いた。

「魂が生成された、ということは何かしらそこに関与した術者がいるということよ。それが誰かは分からないけど、倒すしかないわね。」

「それについて、妖夢さんに調べてもらっているという事ですか。」

「大・正・解。」

「どうりで骨になにかしら呪文らしき物があるわけだ。」

「骨?そちらでも何か掴んだ物があるのかしら?」

幽々子は不思議そうに首を傾げた。

「はい、これです。」

そう言うと屠自古は骨を幽々子に見せた。

「これがおそらく媒体になっているのね。」

「魔術と霊術の合わせ技みたいなものなんですかね。」

「魔術は専門外ねえ。」

そう言うと幽々子は扇子を広げてミステリアスな微笑みを浮かべた。

「あら、私なんかと話し込んでいる暇はなさそうね。妖夢はどこかの人里にいると思うわ。よかったら合流してみて頂戴。」

「分かりました。探してみます。」

こうして屠自古は白玉楼を後にした。

「人里か…とは言ってもそこそこの数あるからな。」

そう言っていると前方から何かが飛んでくるのが屠自古の目にうつった。

「あいつならどこに居るのか知っているかもな。」

ニヤリと笑うと屠自古は飛んできたものの上に雷を落とした。

それはフラフラと落下しやがて屠自古の側に墜落した。

「よう、幻想郷最速の烏天狗さんよ。」

「こんな事しなくても呼び止めてくれればちゃんと止まりますよ。」

涙声で射命丸(しゃめいまる) (あや)は訴える。

「目的地から何里も離れたところに、だろ。ところで妖夢さんを探してるんだ。どこに居るか知らないか?」

「妖夢さん?さっき魔理沙さんと一緒に人里で会いましたよ。この後、紅魔館に向かうとか。もしかして屠自古さんも神子さんに異変を解決するように言われた感じですか?」

「そうだ。なんで分かったんだ?」

「妖夢さんから聞きました。」

「なるほど。従者っていうのはどこでも苦労するもんだね。」

「それはあなたが神子さんの従者だからですか?」

「元従者だ。今は弟子に近い。それにお前みたいな知りたがりに色々聞かれるからな。」

そういうと屠自古はワザと険悪な顔をした。

文の方でも、それが冗談と分かっているのか、それとも慣れているのか営業スマイル1つで受け流した。

「ところで、どんな異変なんですか?」

「ん?そこは聞いていないのな。」

「妖夢さんの時は冗談を言ったら斬られそうになったので異変について聞けませんでした。」

「まあ、良く言えば信念が通ってるんだろうよ。」

「そんな信念は遠慮したいのですが。」

それを聞くと屠自古は面白そうに笑った。

「んじゃ。これから妖夢達と合流しないといけないからな。失礼するよ。」

「あやや!?屠自古さん、どんな異変なんですか!?」

「骨が勝手に動く程度の異変だ。」

「あやや、意外と小さそうですね。」

「まあ、そう思っておいてくれ。」

本当は生物が滅びかねない異変なのだがな、と屠自古は思いながら人里を後にし、紅魔館へ向かった。

最近、妖夢とユイをイチャつかせたくなった。

この異変終わって何か挟んだら、妖夢とユイをイチャつかせるんだ。(死亡フラグ)

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