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電海のフラガラッハ  作者: 黒崎江治
泥濘のオートマタ
21/60

これまでのあらすじと登場人物

〈登場人物〉

月島 正悟……岱輿城市ダイユー・シティを拠点にしている探偵。六年前まで刑事をしていた。

瀬田 英治……香港在住のネットワークエンジニア。シティで殺害された。

瀬田 陽花……英治の娘。父親を殺した勢力に復讐を誓う。

レベッカ・リー……英治の元同僚。月島に対して事件の調査を依頼する。

兼城 陣……日本のヤクザ『海虎一家』の構成員。月島の知人。

ロイ 小龍シャオロン……シティ警察の若手刑事。月島の後輩。

シュ 道明ダオミン……シティ公安を装う謎の人物。

レイ 富城フーチェン……シティの市長であり、事実上の支配者。


〈あらすじ〉 

 二〇七四年の東アジア。香港沖二〇〇キロに浮かぶ岱輿城市ダイユー・シティで、月島正悟は探偵業を営んでいた。刑事を辞めて数年間の探偵稼業。その生活は平穏でこそあったが、どうにも退屈なものであった。ある日、知人であり日本のヤクザである兼城と事務所で昼食をとっていた月島に、一つの依頼が舞い込んできた。


 レベッカ・リーと名乗るその女性から話を聞くため、月島は午後の訪問を約束する。トラムに乗ってレベッカの家へ向かう月島だが、道中で怯えた少女と出会う。彼女に助けを乞われて路地裏を進むと、小さな通りには彼女の父親が死んでいた。月島がレベッカに連絡し、ことの次第を説明すると、レベッカは被害者に心当たりがあるという。その場では深く追求せず、月島は後日の連絡を待った。

 

 事件翌日。依頼はキャンセルされることなく、月島は再びレベッカの自宅に向かった。そこで彼女が話すところによると、先日殺されたのはレベッカの友人である、瀬田英治というネットワークエンジニアだった。生き残った娘は瀬田陽花という名前で、現在はレベッカの家で保護されていた。レベッカが月島に依頼したのは、陽花の保護と事件の調査。月島はレベッカの説明不足を感じながらも、依頼を受諾した。


 調査を進めるうちに浮かび上がってきたのは、中国の一部地域を支配する華南軍閥と呼ばれる勢力の息がかかった、黑色女人ブラック・レディというマフィアの関与。鍵となるのは、被害者が研究していた『復讐者フラガラッハ』と呼ばれる、おそらくは危険なサイバー兵器。そしてシティ警察の公安部門が、月島の行動に介入してくる。月島は危険を感じながらも、調査の継続を判断する。


 調査を始めて三日目の朝。レベッカから月島に不穏な知らせがある。陽花が突如出奔し、行方をくらませてしまったのである。心当たりを追う月島は、英治が死んだ現場で陽花を見つける。しかしそこには黑色女人ブラック・レディも居合わせており、二人は拉致されて彼らの拠点に連れて行かれた。


 黑色女人ブラック・レディの持つ貨物船の中で、拘束と尋問がおこなわれる。彼らは英治を殺した犯人ではなく、シティの公安がそれをしたのだと月島に告げる。そして手に入れた『フラガラッハ』を解析するにあたって、陽花にパスワードの解除を要求する。しかしその場面で英治が仕掛けた罠が起動し、拠点は大混乱に陥った。月島と陽花は負傷しながらも、兼城の救援を得て、なんとか脱出を果たす。


 安全を確保した月島と陽花は、レベッカと合流を果たす。『フラガラッハ』はなんとか彼女の手に渡っていた。本当のパスワードとなるのは文字列ではなく、陽花の脳波であり、レベッカはデータの入手に成功する。仕事を終結させる際、月島はレベッカがついていた嘘と隠し事について言及するが、それは決定的な対立を意図してのものではなかった。最終的にレベッカは陽花を引き取り、岱輿城市ダイユー・シティを離れると月島に告げる。


 そして父親を殺され、『復讐者フラガラッハ』となった陽花の前途を想いながら、月島はまた日常に戻ったのだった。


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