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きみはぼくがまもる  作者: ナツメ棗
1章 飲み込まれたら寒かった
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飲み込まれたら、寒かった


寒い寒い寒い寒い

体の震えが止まらず、くちびるはその血色を失い、真珠の命の灯火が消えかけていることを如実に表していた。

あの得体の知れない獣との遭遇し、身体を影に飲み込まれ気がついたら雪山の中で倒れていた。


、、、ここは何処だろう、珊瑚はどうなった、あの獣は?


身体には力が入らず身動きが取れない状態ではあるが、なんとか首を動かし辺りを見渡すが自分がしっている学校からの道ではなかった。山の中にいる時点でおかしい。


、、、だ、誰かいないの?


こんな吹雪いている雪山に誰かがいることなど考えられないが、それでも誰かが助けてくれることを願うしかなかった。自分の力では立つこともままならないからだ。


、、、ウォォオーン!、、、ウォォオーン!


近くで狼の遠吠えのような鳴き声が聞こえ、足音が微かに聞こえてきた。久々の肉を見つけ私を喰らおうとする獣の気配が段々と近づいてくる。


、、そんな、こんな時に獣に見つかるなんて


真珠の前方にある木々の合間から狼のような獣が走ってくる。刃のようにギザギザの歯からはヨダレが飛び散り、真珠の恐怖心を煽る。


真珠と狼の距離が5メートルほどになった時狼が飛び掛かってきた。後ろ足に力を入れ一息で距離を詰めようとする様子は弓から放たれた矢のようであった。


自分を殺そうとする狼の牙が差し迫り、真珠は目を閉じる。

、、、、、、こんなわけもわからず死ぬなんて、、、、、、


シュッパシュ


その時、真珠の喉元に牙を掛けようと飛び掛かってきた狼が左手に吹っ飛んだ。

ピクピクと手足を痙攣させながら雪の上に転がる狼の頭を見ると木製の矢が深々と刺さっており、血が溢れ出て雪を真っ赤に染めていった。


真珠は矢が飛んできた方向に頭を向ける。すると木々の間から一人の男が歩いてきた。マタギのような格好をしており。頭には雪よけのわら製の笠をかぶり、毛皮のチョッキを羽織っている。左手には弓を持ち、矢を構えながら警戒するように真珠に近づいてくる。


『〜〜、〜〜〜〜〜!』

男が何か呟きながら真珠に向かって手を伸ばしてきた。緊張の糸が切れかけ朦朧としながらも男の伸ばした手を真珠は掴み、そこで真珠の意識は途切れた。


一週間以内を目指して。

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