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きみはぼくがまもる  作者: ナツメ棗
1章 飲み込まれたら寒かった
4/5

幕間 目覚め

一週間(2時間くらい)

やっと序章が終わります。


ぼくはぼく。名前はない。

そもそも名前が必要な存在でもない。

名前があるということは、名付ける人や呼ぶ人が少なからずいるということだ。

ぼくにはそんな人はいない。だから名前はない。

ぼくがなんなのかは、ぼくにもわからない。物心付いた時には、今の場所にいた。

ここは外の世界が見えるだけの場所で、例えるならばテレビだけ置かれてる部屋である。外界は干渉してこず、またぼくも外の世界には干渉できない。

できることは外の世界を見ることだけ。

画面を写す真珠の動向を見守ることがぼくにできることだ。毎日毎日外の世界、真珠の学校生活を見守る。

10年も外の世界を見る生活が続くと飽きがでてくる。干渉できないというのは、なんとももどかしい。例えば真珠がわからない問題に躓いた時には答えを教えてあげたいし、忘れ物があるなら気づかせたくもなる。しかしどれだけ僕が部屋の中で教えようとしても真珠には伝わらない。

いつしか僕には外に出たい、干渉したいと思う『欲』が芽生え始めた。その欲望は日に日に大きくなっていった。欲望は大きくなるにつれてその外型を作り始め、それは漂うだけの僕の手となり足となった。

そして手と足を手に入れて数日後の夜外の世界で事件が起こった。

真珠の友人の珊瑚が見たこともない獣に襲われているのだ。獣が放つ威圧感に真珠は動けず、珊瑚は意識を失い獣に捕らえられていた。このまま真珠も獣に襲われてしまうと思った時、転機は訪れた。

突然なり出したスマホの着信音に獣が怯えたのだ。獣は音の発信源を潰そうと身体から影を放出したが、音のせいで加減が効かないのかあたり一面を影で覆い尽くした。

獣の足元にいた珊瑚はもちろんのこと、真珠も影に飲み込まれた。


ザ、ッザザ、ザザザ


真珠の意識が薄れていくのだろう、外の世界を写す画面にノイズが走る。


途切れ途切れの映像は真珠に向かって手を伸ばす珊瑚の姿を最後にブラックアウトし、僕の意識も途切れた。



……………………………………………………

………………………………………………

………………………………………

……

一週間目指します。

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