出発進行
出発の時が来た。
リュックを背負い玄関へ向かう。
「いってら」
妹が元気に言ってくる。
いってら。
どこかのビ〇クダディーがそんなこと言ってた気がするけど...まあいっか。
靴を履き玄関の外に出る。
サムー、そういえばさっきテレビで今日は昨日と一変し秋の気候になるって言ってたな。
俺はしばらく廊下を歩きエレベーターの前で止まり下のボタンを押した。
待ち時間、秋の寒さが俺を襲う。
エレベーターはそれから1分もしないうちに来て乗り込み2階のボタンを押す。
ドアが開き目の前には2枚のガラスドア、その後ろに北イルカ駅の自動券売機が見える。
ドアを通過し自動券売機の前に来る。
俺はICカード派なので自動券売機はスルーし直接自動改札へ向かう。
上のフルカラーLED式電光表示板を見上げる。
乗る電車は11時10分発の普通列車、南岸町行きで4番線から、とある。
この後の予定は、とにかくこの列車に乗り途中のイルカに行く。
そこで空港線の快速エアポートに初乗車をしてから本町二丁目で降り、再びイルカ線の俺が乗ってきた普通列車に乗り換える。
そして終点の南岸町まで行き東風谷線に乗り換えはのがやライナーと言う快速列車に乗り換えて終点の葉野ヶ谷まで行く。
そこから更に葉野市営バスに乗り換えて葉野新田と言うバス停で降り、そこから徒歩1分。
あと2時間もあるから絶対に間に合うと俺は自信を持っていた。
ホームへ降りる。
エスカレーターはあるのだが俺は最近階段ダッシュにはまっている。
学校でも友達と競い合っている。
ホームに着くとそこには7000系3000番台の姿が。
イルカ線の列車はほとんどこれだから新鮮さは無い。
車内に入ると暖房がついており暖かかった。
11時10分、列車は定刻で北イルカを出発した。
途中明日葉と言う今年8月に開業した駅にも停まった。
ガラス張りのきれいな駅だったがそれに反して利用客の姿はまばらだった。
そして遠くに大きなビルやマンションが見えると、列車を乗り換えるイルカはもうすぐそこ。
自動放送がイルカに到着することを告げると大勢の客、特に多いのがサラリーマン、が席から立ち上がりドア付近にきれいに並んだ。
地下に入った。
同時に車内は轟音に包まれる。
列車は減速して行き11時24分、定刻でイルカ駅に到着した。