表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
83/133

一夜明けて、冬の朝

ちょっと遅くなりました。

少し長めです。

翌朝、昨夜に続いて朝風呂を満喫したソウキ様とローザ様と共に、ビニールハウスへ向かう。

今朝は小雪がちらついていて、朝早いせいかとても寒い。


「 寒いですね、湯冷めしそうです 」


相変わらずモッコモコのフル装備の美波である。

お二人は昨日作った着替えを、まるで何処かのハイブランドの品のごとく着こなしている。

因みに昨夜に続き今朝も一緒に露天風呂を使用した美波は、お二人のあまりの美しさに嫉妬するどころかみとれてしまい、女子の特権でありがたく鑑賞させて頂いた。


そもそも、この村の女性達もちょっと見かけないような美人さんばかりだが、お二人は別格である。

ランウェイを歩き、年に数億を稼ぐスーパーモデルクラスだ。嫉妬するなどおこがましいというものである。

うっとりみとれて、ほんの少し哀しくなっただけだ……


「 私達は大丈夫よ、寒さには強いから。それにこのコートとブーツが、すごく暖かいし 」


ソウキ様は種族的に寒さに強いし、ローザ様はエルフならではの不思議魔法で、寒さをシャットアウトしているようだ。

美波もその気になれば出来るはずなのだが、どうやら気付いていないらしい。

とんでも能力はいまだ、使いこなせていないようだ。


「 そうですか、良かったです。もうすぐ着きますよ、今朝も幾つか収穫時期を迎えているものがあるはずですから、朝ごはんに出しますね 」


ビニールハウスは、美波の予想以上の成果を出していた。外気を遮断して一定の温度を保つ事に成功しているし、スプリンクラーも問題なく稼働している。心配していた日照時間も、連日雪が降る訳ではないので、支障はない。

もう一棟建てれば良かったという話も出ているくらいだ。


現在栽培しているのは、短期で収穫可能な葉物野菜と、トマトやキュウリ、ハーブなどだ。

お陰で、冬なのにサラダが食べられるという贅沢を満喫している。


「 昨日のサラダも美味しかったわ、冬なのに食べられるなんて贅沢ね 。

レオンに羨ましがられそう 」


ソウキ様はクスクス笑いながらそう言った。

国王でも入手出来ないということらしい、思った以上に凄いことなのか、ビニールハウス。


「 冬が終わって改善すべき点がなければ、来年は他でもやってみましょう。元々畑として利用している所なら問題なく利用できると思いますし、冬以外は苗を育てるのにも便利らしいです。

村ではそのまま利用するみたいですよ 」


日本でもホームセンターなどでお馴染みだが、野菜の苗はある程度まで育てた状態で植えた方が、効率よく育つらしい。

風や虫、大雨などの影響を受けることがないので、種から育てるのにぴったりなのだ。


「 どうぞ、ここから入って下さい。暑かったらコートはここに置いてくださいね 」


ビニールハウスのドアを開け、中へ案内する。ハウスの中は汗ばむ位だ、コートを着たままではいささか暑い。ハウスの壁際には小さなテーブルが置かれている。


「 すごいわ……本当に夏みたいね 」


「本当…ここだけ別世界みたいですね、ソウキ様」


お二人とも驚いているようだ、艶々のトマトに触れたり、ワサワサと葉を拡げるミントの香りを楽しんでいる。

美波のアイデアが良い具合に村の知識とミックスして、現在の形になっているのだ。


「 収穫してみますか?ここのレタスと、キュウリならこの辺りが食べ頃です。あとはハーブティー用に少し摘んでいきましょう 」


お二人には収穫体験が珍しかったのか、慣れない手つきで野菜を籠に入れていく。


「 美波、コレは摘んでもいい?」


「 生のハーブなんて久し振り、いい香りだわ 」


じきに籠は野菜で一杯になった。


「 そろそろ戻りましょうか、今日の朝ごはんはサンドイッチですよ。好きな具材を自分ではさんで食べましょう。シロガネ様の所のマリさんが準備してくれています 」


それぞれコートを着込み、シロガネ様のお屋敷に向かう。

コクガ様と共に別行動だったユーリ達も、そろそろ合流出来る頃だ。あちらは狼ソリを体験しようツアーである。


噴水広場に向かって歩いていると、村の入口の方から歓声が聞こえた。


「 戻ってきたみたいですね、行ってみますか?」


見てみたいというとことで、三人で門へ向かう。


狼の牽くソリの上には、コクガ様とユーリの姿が見える。今日の担当はクロとギン、ミナトさんとミチルだ。


「 お帰りなさい。どうだった?コクガ 」


ソリから降りてきたコクガ様は、ソウキ様を抱き寄せてデコちゅーをかましている。

もう慣れましたよ……


「 凄かったぞ、思った以上のスピードだ。冬の緊急時には力を発揮しそうだ。後で乗せてもらうと良い 」


「 今日は特に速かったもんな、新記録出たかも 」

狼型の四人は声もでないようでハァハァしている。どれだけ飛ばしたんだ……


「 ハァハァ、ユーリにのせられて、ハァ、張り切りすぎたわ 」


「 ミチル大丈夫?そんなにスピード出したの?」


どうやら、コクガ様を乗せている事でテンションが上がり、誉められて更に浮かれたところを、ユーリがけしかけたようだ。

他の人がいない時間なのを良いことに、爆走してきたらしい。


「 お疲れさま、帰って朝ごはんにしましょう。

後で私も乗せてね 」


ローザ様も乗りたいらしい。後でもう一度走ることになりそうだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ