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突然のお泊まり

かつてないスピードでシロガネ様のお屋敷に駆け込むと、ミナトさんが皆に指示を出しているところだった。

ユーリは既にコクガ様と露天風呂に行ったらしく、コクガ様は不在である。


「 ミナトさん、さっき聞きました。何だか大変な事になっているようで…」


「 よく戻ってくれた、美波。大変なんだよ!いや、光栄なんだ。でも、大変なんだよ!」


分かってます、ミナトさん。

少し落ち着きましょうか。


激レアな慌てるミナトさんの姿に、逆に美波は冷静さを取り戻したようだ。


「 私に出来る事、何かありますか?

夕食はピザと聞いたので、時間がなくても割りと豪華な感じに出来るはずですよね。

他に何かありますか?」


「 あぁ、すまない。みっともないところを見せてしまったな 」


ミナトさんのしっぽは力なく垂れ下がり、耳もへにょんとなってしまっている。


「 そんなことないです!私もパニックですよ。

この状況で慌ててないのは、ユーリだけです 」


「 少し落ち着きなさい、二人とも。突然の事なのだから、出来る範囲で構わないのだよ。

とりあえずベッドと着替えがあれば大丈夫だ。

そうだろう?ミナト 」


シロガネ様に言われて、どうにかいつものミナトさんに戻ったようだ。


「 そうですね、見苦しい所をお見せしました。

コクガ様とソウキ様は、こちらのゲストルームに泊まっていただこうと思います。

マットレスは美波が作ってくれたし、布団も何時でも使えるようにしてあるから問題ありません。

ローザ様にはユーリと同じ部屋に泊まっていただこうと思います 」


シロガネ様のお屋敷にはゲストルームが二つあり、それぞれセミダブルサイズのベッドが二つ入っている。

ユーリがその内の一部屋に居候中なので、ローザ様は甥っ子と同室でということらしい。


「 分かりました。では、私は三人の着替えを作りますね。あっ!コクガ様ってもうお風呂ですよね 」


ユーリの事だ、絶対に着替えなんて用意していないはずだ。


「 今から作るので、誰か届けてもらえますか?

ボクサーパンツとシンプルなパンツに、Tシャツでかまいませんか?」


ゴーサインがでたので、美波はその場でコクガ様の着替えを作っていく。

本人の目の前でなくても、一度会ってさえいればこの人にぴったりのサイズで、と思えば作れるのだ。


ボクサーパンツとシンプルなパンツは黒で。Tシャツはソウキ様の色をイメージして、紺に微かな銀ラメにしてみた。

ついでに黒の防水防寒ブーツと細身のダウンコートも作る。

最後の二つは多分無くても大丈夫だが、外は雪なのでとりあえず作っておく。ドラゴンは寒さに強いので、極端なはなし全裸でも問題ないらしい。

寒さに関してはだが。

全裸は駄目です、色々な意味で。


着替え一式を託し、美波はミチルの家に戻る。

その後夕食までの間に、オーダー品の為に幾つかビーズを試作して、ミチルは刺繍のデザインを提案していく。

大まかにデザインが決まったところで、美波が着替えを作ることになった。

能力で作る上での制約を説明して、細身のパンツにチュニック。下着一式とブーツにコートを作る。


ちなみにソウキ様は、パンツとブーツとコートが

コクガ様の色である黒に微かな金ラメ。チュニックは淡い水色から濃紺へのグラデーションだ。

ついでに下着は白をご希望でした。


ローザ様はコートとブーツが白。チュニックには淡い紫に同系色の水玉を濃淡でプリントし、パンツは黒だ。ちなみに下着はピンクで作りました。



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