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村で暮らして良いですか?

ギンとリンが向かいに座ったところで、改めていきさつを説明した。


「そうか、異世界から。

では、この世界の事は何も分からないんだな。行くあてはあるのか?」


お茶とクッキーを頂きながら、これからの事を相談する。


「いいえ、無いんです。

まったく打ち合わせ無しで転移させられたもので、ここが何処かも分からないし、自分の能力もまだ一つしか確認していないんです。」


思い出すと、あの神様の手抜きっぷりに腹が立ってくる。


「能力というと、どんな種類の魔法なんだ?」


ギンに聞かれて包む能力について話す美波だが、途中で思い出したらしい。


「あっ、ハクに防御の膜を張りっぱなしでした!」


「えっ、僕に?」


「解除した方が良いですよね?」


すると二人とも、どんなものか見せて欲しいと言う。そこで美波はハクに、怪我をする事は無いからちょっと転んでみるように頼んだ。


「うん。じゃあやってみるね。」


コロンッと転んだはずだったハクは、やはりコロンコロンと転がっていく。美波の時と同じだ。


「うわ~っ、父様、母様、すごいよ!!面白い!」


ハクは大はしゃぎで部屋中を転げ回る。

ギンとリンはびっくりして、固まっている様だ。


「まぁ、初めて見る魔法ね。これなら怪我もしなさそうだわ。」


「ああ、凄いな。魔力は最初だけで良いのか?」


問われるまで、そんな事は考えもしなかったらしい美波は、ステータス画面で確認する。


「はい、そうみたいです。どうしましょう、解除します?」


うーん、と考え込む二人。ハクは見た目を裏切る腕白坊主で、ちょっとした怪我が絶えないらしい。

このままにした方が、怪我の心配がいらないだろう。


「このままにしてもらって良いか?」


ギンに頼まれ、美波は快諾する。

何ならお二人にもかけましょうかと問えば、恐縮しつつ受け入れて貰えた。

ひとしきり遊んで満足したらしいハクが、膝の上に戻ったところで、これからについて相談する事にした。


「そういう訳でこの世界の事が全く分からないので、生活のめどが立つまでこの村に置いていただく訳にはいかないでしょうか。

自分に何が出来て何が出来ないのかを見極めて、仕事も見つけないといけないので…

もちろん、私に出来る事でしたら何でもします!」


お願いしますと頭を下げれば、二人は快く協力を約束してくれた。


「ハクの恩人だし、この子もなついているしね。

もちろん大丈夫よ、部屋も余っているからこの家に泊まって頂戴。」


にっこり笑ったリンの言葉に、心底ほっとする美波だった。


「お姉ちゃん家に泊まるの?やった!違う世界のお話いっぱい聞かせてね!」


ハクは大喜びだ、しっぽがブンブン揺れている。


「じゃあ、村長の所へ報告に行くか。」


ギンに言われて、四人で村長の屋敷へ向かうことになった。


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