ハクの両親との対面
「ハク?」
「父様!」
プラチナブロンドの髪に同色の耳としっぽ、青い瞳にやはり2メートル近い長身の、甘めな男前がこちらへ駆けてくる。
美波がハクを下へ下ろすと、一直線に父の元へと駆け寄る。
「ハクっ、何処へ行っていたんだ?探したんだぞ。」
「ごめんなさい、父様。」
ハクを抱き上げてワシワシと大きな手でなで回すハクの父に、クロが説明する。
「後で人猿族に手土産持参で詫びに行った方がいいだろうな。」
「そうだな、後で行くよ。
ありがとうな、他の連中にもハクが見つかった事を伝えておいてくれるか?」
「おう、任せとけ。早く姉さんにハクを会わせてやってくれよ、心配してるだろ。」
そう言ってクロは走って行った。
「美波さん、どうもありがとう。
妻にも紹介したいので、家の中へどうぞ。」
ハクの父に促され、美波は家の中へと入る。
ドアを開けると、グレーの耳としっぽに紫の瞳、身長170センチ位の美女が出迎えてくれた。
この種族は美形しかいないのだろうかと、疑いたくなる美形率である。
「ハクっ、無事だったのね。」
ハクを抱き寄せて優しく撫でる母に、甘えるように体を刷り寄せしっぽを振るハク。
仲睦まじい親子の姿にほっこりしてしまう。
「うん。大丈夫。ごめんなさい、母様。」
「改めて礼を言うよ。ありがとう美波。
俺はギン、妻はリンだ。」
いきさつを聞いたリンも美波に礼を言う。
お茶を勧められ、リビングへと通された。
家具も全て木製で、シンプルながら所々に繊細な彫刻があしらわれている。
ハクは着替えの為ギンと共に二階へ向かい、リンがお茶の支度をする間、美波はリビングを観察していた。
素朴だか計算されたインテリア、元の世界ならイギリスの郊外の古い邸宅、といった感じだろうか。
美波の大好きなスタイルだ。
しばらくすると、リンがお茶とお菓子を持ってきてくれた。
香りからしてハーブティーの様、薄いピンク色で爽やか香りだ。
お菓子はクッキーだろうか、アメリカンタイプの型で抜かない大きめサイズで、ナッツが入っていてとても美味しそうだ。
「お姉ちゃん、お待たせ!」
階段を下りてくるハクを見て、美波は固まってしまった。
5~6才位の男の子、耳としっぽは真っ白、膝丈のパンツと水色のシャツを着ている。人型のハクも超絶ラブリーだった。
「ハクっ、その姿もすっごく可愛い!!」
すっかりなついて、膝の上に座り抱きついてくるハクに、もうメロメロである。
「まぁ、ハクったら美波さんにそんなに甘えて。
やっぱり男の子ねぇ、綺麗なお姉さんに弱いんだから。」
フフフ、と笑って言われたが、モデルばりの美女に言われても…と、心の中でつっこむ美波である。