表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/133

ハクロウ村にて

村の入り口へ近づくと、大柄な男達が数人こちらへ向かってきた。

狼じゃないのかと思ったら、まさかのケモミミで人型である。太くて立派なしっぽもついている。

『うわ~っ、変身できるの?そしてケモミミ~!』

美波の頭の中はもうパラダイスだ、夢にまで見た喋る狼で大満足だったのに、更に変身可なのだ。(人狼族って時点で気付けよ。という冷静なつっこみは聞こえないらしい)


近づいてきた男達は、美波の腕の中のハクを見て安堵の表情を浮かべた。


「ハク!何処へ行ってたんだ。心配して皆で探したんだぞ。」


「ごめんなさい、森へ遊びに行って道に迷って、人猿さん達の村に入っちゃったの。

そしたらお姉ちゃんが、助けてくれたの。」


「人猿族の縄張りに入ったのか?大丈夫だったか?」


「うん。すごく怒られて、僕ちゃんとお話出来なくて泣いてたら、お姉ちゃんが人猿さん達にお話ししてくれたの。

ごめんなさいって言ったら、許してくれたよ。」


男達は美波に頭を下げた。


「ありがとうございます。人猿族は縄張り意識が強くて、村の入口以外から入ると酷く怒るのです。

ハクを助けてくれて、本当にありがとうございます。

良ければ村へどうぞ、ハクの両親も礼を言いたいでしょう。」


そう告げた男性は黒髪に黒い耳としっぽで、元の世界ならヨーロッパ系の20代後半、ワイルド系男前だった。

他の男達も様々な耳の色だか、みんな身長が2メートル近く逞しい、更に美形揃いだ。

変身したら、どの位のサイズの狼なんだろうなどと考えつつ、ワクワクを隠し笑顔で答える。


「いえ、大した事はしていません。人猿族の方も話したら分かって頂けましたし。

ハクとは仲良くなれたので、ご両親には是非お会いしたいです。」


彼等の案内で村の中へと入る。入口からのびる幅2メートル位の道を行くと、ちょっとした広場になっている。

中央がには噴水があって、中心の水の吹き出し口を囲む様に狼の意匠の像がある。口から水を出す子狼のデザインで、すごく可愛らしい。

広場の周りには家々が建ち並び、玄関先のテーブルでお茶を楽しむ女性達や、走り回って追いかけっこをする子狼の姿が見える。

家は木造で、シンプルながら可愛らしいデザインだ。


「お姉ちゃん、もうすぐだよ。」


ハクはまだ抱っこのまま、ご機嫌である。

美波とハクと先程の黒耳のお兄さん、クロはハクの家へと向かっている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ