表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/47

7話

 今日の予定はあくまで家のために水を引き入れる事が出来るかの確認だ。あまり興味に任せて動くと碌なことにならない。最初に決めたように建築を進めよう。


いままで命の危険に直結したことも多くあったので、別に危なくなくても予定は変えないようにするのが最近の流れである。

その後すぐに洞窟から外に出て家の建築に移った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


水道系は屋根部分にタンクを作り毎朝泉の水を手こぎポンプで吸い上げ使用。水道とトイレ、風呂などは魔法で石を加工した石管を使用して供給できるようにした。家の建築は順調に進み、一週間の予定が2日も早く終わることができた。


 「次はベッドに服、ブーツに...色々欲しいな。」


ここ最近の行動範囲の拡大で得られたモノには素材系も多く。蜘蛛の糸や蛇の皮、麻のような繊維質の植物など多岐にわたる。これらを使用する上でも魔法は万能であり、素材の加工を容易にすることができる。しかしながら、素材を変形させたり繋ぎ合わせたりするにはそれ相応に魔力が必要な訳で、今でも鉄などは極力そのまま変形させるのではなく熱してから行なっている。


 いつぞやオークに奪われたミスリルも取り返したし、そろそろまともな武器や装備も作りたいな。


半年そこらよくもった方である。キャリーバック一杯の服。あれだけあった物も残りはスーツやスエット等、普段着ないものばかりである。戦闘するときは殆ど作業服を使っていたのでわりかしもった方だが、作業服も今着ているつなぎタイプを残してお亡くなりになっている。


 そういえば洞窟の階段まだ行ってなかったな。今日は素材の確認と制作物の選定、準備をしたら終了して明日朝から行ってみるか。


そう思いながら欲しいものをリストアップし始めた。


「タバコは作れんものか。」


朝からそんなどうでもいいことを嘆きながら洞窟の中を歩いている。ちなみにタバコはとっくになくなっている。イライラは魔物で発散させていたが吸いたいものは吸いたいのである。

そうこうしている間に行き止まりまでたどり着き。以前そのまま持ち帰った魔石に魔力を流す。開いた先は前と変わらず明るくその奥の階段に行く。


...カツン...カツン...カツン...


石を綺麗に切り出したような階段を降りていくと、室内ほどではないものの綺麗に石の壁に覆われた通路がつづいていた。歩き始めると前に感じた感覚に似ていた。


「これはダンジョンってやつかな?」


 境界線をまたいだ感覚にそっくりだったな...そうなると、あの水晶が境界線を維持していると言うことかな?違うとするなら同じようなものが他にもあるはずか...どっちにしろもう少し先を見てみるか。


そう思い足を進めると左側から矢が飛んできた。


「ッッッ......!!!」


 あぶなかった~頭直撃はやばいな。と言うより今のカッコじゃ戦闘になっても心もとない、まして武器を持ってきてないのになんで先に進もうとしたのか。本当注意が散漫としている。


装備が心もとないのと未知のダンジョンにワクワクしてしまい調子に乗った思考を元に戻す為、今日の探索は諦め洞窟ダンジョンから自宅に引き返すことにする。

ダンジョンに潜るのであれば先に作れるものは作ってしまいたい。作業服が装備です状態の今よりも格段に防御力も上がり、これからもっと広げていくだろう行動範囲でも安全が確保できると思った。

そのため現状考えうる最高の装備をどうやって作るかを模索しながらダンジョンから出るのであった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


帰宅後一番に取り掛かったのは武器作成だ。今は来た時から使っているサバイバルナイフに似せる形で刃渡り30cmほどのモノを数本作っているが、持ってきた物ほどいいものではなく。切ると言うより刺すことしか出来ない。実際の戦闘では槍みたいに遠距離から刺す方が楽だし安全だが、狼やウサギなど動きが素早く接近される可能性を考えると短い武器も使いたくなる。そこで考えたのは60cmほどのサバイバルナイフである。もうほぼショートソードであるが、サバイバルナイフの形状しか現状参考にするものが無いということからきている。よくありがちな刀などはまともなものが出来るはずがなく諦めるしかなかった。


「出来た!」


...ブンッ...ブンッ...


「これは疲れるな。」


柄まで金属製のサバイバルナイフはかなりの重量になっており、いくら筋力が上がっていても取り回しが悪い。そこで回収していた青白い金属を使うことにする。勝手にミスリルと思っているがここはファンタジー世界なのだ、あってもおかしくはないだろう。かなり多くの量を回収していたので同じ大きさの物が出来上がる。


「重さは大体三分の二くらいに落ちたか。強度が心配だな。」


左右の手に一本ずつ持ち打ち合わせる。


 キィン!......ザクっ...


ミスリル製は折れてしまい、鉄製は刃が潰れた。


 んーこれはこれで使えそうだな。


硬いミスリルを芯に使い鉄で挟むことで芯が折れても最悪使えるようにした。柄の部分は芯からの延長で出来ており重さ自体は鉄100%よりも軽くなった。最後にミスリルは魔法での加工がしやすいのか刃を付けやすく鉄よりかたくなり、魔力を通せば通す程固くなるようである。他にも鉄で作った包丁や解体用ナイフを作った。


「よし!このまま防刃ベストと安全靴も作るか」


結構調子がよかったようで装備もそれから数日で完成した。

ベストの方はミスリルを糸状に加工して網をつくり、蜘蛛の糸を布状に加工したものにサンドする形でつくった。安全靴は踏み抜き防止板やつま先に金属カップを入れ、オークの上位種の皮で形をつくり余っていたへび皮を外側に貼り付けた。

装備自体は完成したものの他の備品も作るためそこから数日また素材集めに奔走し、結局二週間もかけてベッドやマットレスなど欲しい備品も一緒に作っていった。 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 いやーこんな早くに色々揃えれるとは思わなかったなー。快適かどうかで言えば半年前とは比べ物にならないくらい便利になっただろうな。あとは飯をもっと改善したいけどなかなか上手くはいかないな。とりあえず明日からのダンジョン探索は気を引き締めて頑張ろう。


そう思いながらホーンラビットの毛皮にくるまり眠りに落ちた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ