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38話

 朝、目が醒めるとまたやってしまった事に気がつく。

 今日の夢にはグラマラスなユキさんが出てきたが、これはマズいかもしれない。この2ヶ月程で幼いユキに手玉に取られているのを感じる。もう20歳の青年が12歳に欲情....新聞に載るネタだ。

 ただ異世界ではそんなことはないし、実際色気が半端ない。隣で「スースー」寝息をたてている今は、可愛いユキちゃんだ。


 処理してから朝食を取り、辺境伯邸へと向かう。

 到着すると門番の方に取継ぎをお願いして中に通される。いつ来ても綺麗な庭に、泉の周りもこんな感じに手を入れようかと考えてしまう。


「お待ちしておりました」


 この前の家令。リンツさんが出迎えてくれた。リンツさんの先導で屋敷の中へと入って行く。途中多くのメイドさんとすれ違ったが、この前はガン見していなかったので綺麗所ばかりなのに気付かなかった。


『うん。最高だこの屋敷』


 挨拶をしてくるメイドさん達にニコニコと笑顔で対応していたら、左手が「ゴキッ」と音を立て激痛が走る。左手はユキと繋いでいたが、案の定ユキさんが左手をクラッシュしていた。


『あぁ....ユキさん....逞しくなって....』


 嬉しいのかはわからないが取り敢えず涙が出た。


 ....コンコンコン....


「お嬢様。今回護衛をお願いしたタカユキ様をお連れしました」


「お入りなさい」


 リンツさんに促され中へ入ると、金と言うよりは赤にに近い髪を肩口で切り揃えた鋭い視線を送ってくるお嬢さんがいた。


「初めまして。私はルドヴェル辺境伯家長女ヴェリーテと申します。今回の護衛、宜しくお願いします」


「タカユキと申します。この子はユキです。期間は長くなると思います。こちらに至らない所が御座いましたら何なりとお申し付け下さい」


 わざわざ立って挨拶してきた所を見ると、かなりまともでは? と思った。貴族にはそういう考えの奴が大半だとアンネに言われたのを覚えている。

 ただ、目は警戒しているのか鋭い視線は変わらない。16歳にしてはしっかりしているように思える。まぁ比較したのがセリアだからだろう、あれは天然クルクルパーだ。最近は愚痴かエロい下着を見せようとしてくるしか脳の無い馬鹿だし....ユキさんの様に色気がもっと欲しい所だ。

 お嬢の立ち姿は凛々しく、ドレスを着ているがパンツルックが似合いそうな快活さがある。身長は女性にしては高く俺より少し低いぐらいで胸が....うん、スレンダーだと思った。


「このまますぐに出発しますが宜しいですか?今回タカユキさんにはお祖父様の客人として同乗してもらいます。お間違えなきよう」


「前回その件については確認しております。不手際が無いよう細心の注意を払いますが、何かお気付きの点が御座いましたらその都度お教えください。宜しくお願い致します。」


 細かい話しなどは廊下を歩きながら詰めていく。


「聞いているかとは思いますがご不快に思うような事があると思います。ただ、耐えて頂くしか無いのが心苦しいのですが....」


 たぶん、当主の弟ギルの事だろうと思った。事前にセオさんから聞いていたが貴族以外は人と思って無いようで、見下した態度が酷く辺境伯家でも扱いに困っているようだ。しかも、取り上げるべき程の部分が無く凡人であるが故に大きな問題を起こす事はなかった。

 だが今回は他の貴族と内通しているようで、嫌疑が掛かっている。問題があれば処断しても良いとお墨付きも頂いているので気持ちは幾分楽だ。


 屋敷の前へ着くと馬車が3台並んでいた。そんなに多くの物を運ぶのかと思ったが、兵員を乗せるためだそうだ。俺製の馬車はマジックバッグ大口も取り付けてあるので、荷物は小さな屋敷分ぐらいなら入る筈である。

 お嬢様付きのメイドは3人で、猫の獣人のメリルと二人の人間種のミルミとエスタである。

 黒髪のメリルはアンチェと同じタイプの獣人で、尚且つ小柄な体型と庇護欲をそそるクリクリした目は強烈だ。

 ミルミはブラウンの髪にナイスバディのお姉さんで、一番の年長者だ。

 エスタは小柄だが18歳で金髪に白い肌は貴族の家系かとふと思ったが、街で見かけない程珍しいわけでも無いので関係無さそうだ。

 兵士の準備も出来ているのだろう、五頭の軍馬がこちらに向かってきた。


「お嬢様。今回、護衛を仰せつかったギルです。旅の間の護りは私達第二分隊にお任せ下さい」


 馬から降り跪いてお嬢様に挨拶する姿は騎士らしいと思ったが、演技臭くてイヤだ。あと、知っている事でもわざわざ言うのが礼儀なのか疑問に思う。お嬢様とか言ってるけど実際は姪っ子でしょうに、とも思った。自分が身分を大事にする様に、対外的にはそう接するのかもしれない。

 こちらに目を向けてきたが、言葉を発すること無く侮蔑の視線だけでお嬢と話しをしている。


『うーん、良い気はしないけど正直どうでもいいか』


 何か起きない限りは問題無い。何か起きれば処断する。それだけの関係だから尚更に興味も湧かない。お互いに交流を持たなければどうとでもなる。

 馬車に乗り込みすぐに出発の合図が出る。



『やはり俺の作った馬車は最高だ』


 しばらく無言で馬車の乗り心地を味わっているとお嬢が話しかけてきた。


「タカユキ様は何故今回の依頼をお受けになられたのですか?危険なのは明らかなのですが....」


 あれ? そこまで明らかなの? と思いつつ、何故受けたかを考える。


『まぁジョエルさんの事だから貴族との繋がりを考えての斡旋だろうし。豚野郎(ブラックオーク)の群れに向かう訳でもないからな。ただユキに世間を見せたかったが大きいかな?』


「そうですね....ジョエルの紹介を断る程恩知らずでもありませんし、この子に色々な場所を見せたかったのもあります」


 定位置に陣取っているユキの頭を撫でながら答える。


「エルフ....ですか。珍しいですね。これ程若いエルフが奴隷でも無く人里にいるのは」


「そうなんですか?」


「えぇ....エルフは長命であるが故に子供ができにくいそうです。そのため数が少なく同族意識も高いので、弱いと判断されれば集落から出ることも出来ないでしょう。大人になるまでは親元から離れる事もありません。

 そのため奴隷のエルフ等は市場では好まれますが襲撃の対象となりますし、それなりの自衛が出来ないと奴隷を購入する意味もありません。

 まぁほとんどの場合が違法奴隷なので襲撃されるのも致し方ないのですが....その関係で強いエルフ以外は基本人里にはいないのです」


「やけに詳しいですね?」


「昔、エルフの方に魔法を教わっていました。期間は短かったのですがその時に色々教わったので覚えています。もし、冷遇されているエルフがいるなら助けてやってくれとも....」


 そう言ってユキを見るお嬢。さっきからの鋭い視線は俺の人物評価をするためだろうか? ユキの様子を見ていたのだろう、少し鋭さが無くなってきているように思える。


「ユキ〜?俺ユキに酷いことしてないよな?」


 ニコニコと頭を撫でながらユキに問いかける。


「....してる....」


「「........」」


 もうね、その場が凍ったね。ゾッとしたよ俺。真剣に考えたもん。これまでにユキに何をしたか一生懸命思い出したが、酷い仕打ちはしていない。


『何がダメだった? あれか? 風呂か? 実際は嫌なのを義務と思ってしていたか? いやいやいや。ユキさんはプロの方だ。そんなことでは動じない。

 あ! でも未成年だしな....もしかしてそう言うこと? それとも戦闘させたから?....』


 色々考えているといつの間にかユキは膝の上から居なくなっていて、お嬢様と何か話したのだろうまた戻って来た。


「あ、あのですね。決してぞんざいな扱いはしてませんし....」


「大丈夫ですよ。今ユキさんからも聞きました。大切に育ててもらっているそうですね。私から言うことは御座いません」


 そう柔らかくいってくるお嬢様に何を言ったか気になるが、ユキさんは本当に怖いお人だ....一言二言で人の精神をガリガリ削る。

 また膝の上に陣取るユキ様はご機嫌なご様子だ。頭を揺らしているのが何よりもの証拠だと思う。


「誤解が解けて何よりです。それより、わざわざ危ないと思っていながら何故王都に? 安全なのを確認してからでもいいのでは?」


 護衛を雇わなくても、当主が帰ってから移動などを考えればいい。不自然なお嬢様の行動に疑問が尽きないので聞いてみた。


「私の婚約者が第3王子キューエル様とご存知ですか?」


「いえ。そうなると....王子様に会いに行くためですか? それでも今は危ないかと....」


「それもありますが....現在の王都は何があるかわかりません。私はキューエル様とは幼い頃からの仲で婚約者です。最愛の人がどうなるかわからない状態は嫌ですから、すぐに向かいたかったのです。

 元々立場があやふやで継承争いを避けるための婚約でしたが、昔から好き合っていた間でしたので....グリンゼラ無き今、政変が起きる可能性も考えられます。それならば私が連れて来ても問題無いかと」


 かなりアグレッシブなお嬢様のようだ。王子様への愛も多分maxなんだろう....ただステータスは高いといっても中級冒険者程度。もしかしたら狙って来るだろうギル叔父さんはBランククラスはあるし、その周りもそれなりだ。

 少し無謀にも思える。


「あまり無茶をされますと、周りの方にも被害は出ますしお嬢様自身の身の安全が保障できません。差し出がましいようですが、御自愛下さいますよう。王子様も心配なさいますよ?」


「キューエル様は私が護ります! その為には私の命など如何様にも! 貴方達もいいわよね?」


 同乗していた3人のメイドは「仰せのままに」とか言ってる。忠誠心が高過ぎるのが少し心配だ。そしてこのお嬢は多分ヤバい....よく言われるヤンデレさんに近いかもしれない。さっきの発言の時に狂信者に近いかもと思った。


「左様ですか....まぁ今回に限っては大丈夫かと思いますのでご安心を。無茶な行動だけはしないで下さい」


 それからは王子様の素晴らしさや可愛さ、聡明さなど、どこぞの新興宗教の勧誘のように話していく。正直俺も改宗しそうだ。


「....だいぶ興奮して話してしまいましたね。恥ずかしいです」


 そう言って普通に戻って頰を赤らめるお嬢様は歳相応に可愛らしく見えた。


「それより。この馬車は揺れませんね? 前とは外観も変わっていましたし....お祖父様が新調したとは言っていましたが....」


「私が手を加えました。トイレもついてますから、わざわざ護衛を付けて外でする必要も無いですよ。」


 やはりこの時代は移動中は外でするしかない。前回、ウィンリィから領都までの旅でよく理解した。なので一番付けたかったのがトイレである。SAが途中であればこんな事にもならないのだが....


「それは....便利なのですが....音やニオイが馬車の中に充満するのでは?」


「その点は大丈夫です。防音と消臭の魔道具をトイレ内に配置してありますので....このベルを持って入ってもらえますか?」


 ミルミさんにベルを渡し、鳴らしながら入ってもらう。扉を閉めるまでは鳴っていた音が、扉が閉まると全く聞こえなくなった。


「まぁ心配かと思いますが、一応確認はしましたので大丈夫です。安心してお使い下さい。あと、就寝は馬車でお願いします。ベッドにもなるようにしてありますので安全性も考えてです」


「....はぁ....すごい馬車になったようですね....」


 お嬢様は凄い! と言うよりは呆れた顔をしていた。力作なのに....セオさんは興奮してたのに....やるせない気持ちになったのは仕方のないことだ。


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 1日目はなんやかんやで話す事が多かった。お嬢のお母さんは当主のロイさんと王都に先に行っており、今回別々になったのはお嬢に情報がきていなかったためだ。

 知ってからはゴネにゴネて、セオさんにおねだりしまくり出立出来た。周りからしたらただの迷惑にしか思えないが、お嬢の王子への愛は誰にも止めれない。もし駄目なら市民が利用する馬車で向かう算段をしてたらしい。貴族にしては本当にアグレッシブだ。うちの天然王女と良い勝負かもしれない。

 ユキとも仲良くなったようで色々話しをしている。その間は御者台に移動して、御者のおじさんと話していた。代々辺境伯家に仕えているらしく、貴族家ではそういう分業された仕事に家族単位で仕えるのが当たり前だそうだ。貴族も金がかかるんだなと初めて思った。

 今回の道程を確認すると三つの貴族領を通って王都に行くらしく、日程は3週間から4週間。何故か馬の調子が良いそうで早く着くかもしれないとのことだった。俺の技術で馬も元気なのさ!


 野営の事も考えて昼間は寝る事にし、途中からはユキに警戒を任せた。結局、夜も怪しい動きは無く、ユキに膝枕しながら時間を潰すだけだった。


 そんなこんなで4日目、初めて他領に入った。他領の街が気になりワクワクする。ユキにも言うと「....ワクワク....」と言ってくれた。何が嬉しかったのかすごくグッときたのを覚えている。領境を越えて1日、やっと大きめの街に着いた。


「おー! 凄いなユキ! でもなんかルドヴェル領都の方が綺麗だな....」


「....うん....」


「それは歴史的にも発展する要素的にも大きな違いがありますから。この街はルドヴェルで採取された物を王都へ運ぶ為に整備された街です。今回通る街は全てこの様な感じだと思っていた方が良いかもしれませんね」


 街の城壁などは確かにしっかりしているが、ウィンリィ程でもない。街は整備されてはいるが石畳ではなく土を固めているだけだ。少し残念に思うがこれはこれで良いものが見れた。

 馬車を宿に停めてから予定を考える。


『少し陽が暮れて来ているから観光は出来ないな....どちらにしても見て回る事は出来そうにないか....』


 宿は高級宿なのだろう、綺麗な木造3階建てだ。早めの夕食を食べながら今日はユキにお嬢についてもらう。さすがに女性の部屋に泊まっての護衛は出来ないからだ。

 兵士達も近場の宿に泊まる事になっているので、今回はそれを含めての護衛だったのかもしれないとふと思った。


 陽が暮れてから外に出る。


『フフフ…娼館が俺を呼んでるぜ』


 無駄に軽い足取りで娼館がありそうな場所に向かう。夜は街灯はあるが少なく、少し怖い印象だ。まだ屋台や店の灯りがあるだけ助かる。

 街の造り自体も大体一緒な様で分かりやすいし、建物も木造が多い事から街単位で大きな技術差はあまりないように思える。そんな風に街並みを眺めていると寂れた建物が多くある場所が見えた。


『これは....貧困街(スラム)か....』


 ルドヴェル辺境伯領では見ることが無かったので、物珍しくなり足を進める。街灯は無く、家から漏れる灯りで道が見える。時々すれ違う人の目はギラついていて、こちらを狙う獣のような感じだ。


『余所者には辛い環境かね〜』


 そんな事を思っていると案の定背後から男が襲って来た。


「追剝ぎするならもっと気配を隠せ」


 そう言って振り向きざまに顔面を殴る。


「ガフッ....」


 ....バタッ....


 力の入ってない一撃で沈む程に弱いが仕方ないだろう。そうで無ければこんな所で燻ることはない。そう思いそろそろ出ようかと考えていると、この中でも一際明るい建物に気付く。気になったのでそこに寄ることにした。


「いらっしゃ〜い」


 小太りのおばさんが気怠げに挨拶してきた。


「ここはなんの店ですか?」


「あんた余所者だね。まぁ別構わないけどさ、気を付けないと身包み剥がれるよ。ここは娼館さ。まぁ娼館崩れって言った方がいいけどね。安いから知ってる奴は知っているって感じだろうね。」


 俺の娼館センサーは進化していたようだ。どうでもいいがとりあえず値段を聞いてみる。


「幾らくらいなんですか?」


「下は小銀貨5枚、上は銀貨3枚だよ。気になるならみてくかい?」


「お願いします」


 そう言って奥に通される。恐い男の人は居らずひと安心だが、通された部屋に待機している女性にビックリさせられた。


「結構偏ってますね」


「仕方ないよ。それでも稼ぎたい奴がするんだから。奴隷になっても死ぬか娼館行きなら、こんな所で体売ってた方がまだマシさ。自由があるからね。

 ただ大体はいい年齢になると表の娼館に行く。ここはある意味非合法さ」


 年齢により労働について示されたものが無いのだろう。ここにいる女性は明らかに子供かババアかだ。ユキより下の子も少なく無い。これじゃ普通の娼館なら雇わないだろう。


「人は来るんですか?」


「そうだね〜まぁぼちぼちだね。そっちの趣味の方には好評だけどね」


 そう言って笑うおばさんは色々見てきたのだろう。清濁合わせ混んだ笑顔だった。


『見ちまったのは仕方ないけど....はぁ....救う救わないはとりあえず置いといて聞いてみるか....』


「ここの中で孤児の子はいますか?」


「いるよ。レーナ、ユミル」


 そう言って呼ばれたのは10歳と8歳の子だった。レーナは赤髪、ユミルは黒髪だ。


「2人とも結構好評だよ。しまりがいいんだと。2人とも買うかい?」


『この子達か....まぁ問題ないだろう。あとは男も欲しいか』


「そうだなぁ、男の子って居るか?」


「あんたそっちの趣味があんのかい! まぁいない事も無いんだけど....」


 そう言って別の部屋に通されると同じ様に数人の男の子がいた。


「孤児はこの子だけかな。レオン客だよ。」


 そう言って茶色い髪の男の子がこちらに来る。


「この子達買取できるか?」


「....あぁ....まぁ身寄りもないし、ここに置いてるだけだから出来るが....買っても売れないよ?」


「構わない。金貨30枚だ十分だろ?」


 そう言って金を渡すとおばさんは驚いていたが、それ以上に嬉しかったのだろう店の前までお見送りしてくれた。


「すみません....私達これからどうなるのですか?....」


「レーナ....だったか?まぁ殺しゃしないから」


「何でもします....だから....」


「ん〜そこまでして何で生きたい?」


「もう少しで冒険者に登録も出来ます....そうすれば働く事も出来ます。自分で何も出来ずに死ぬのは嫌なんです....」


 目に涙を溜めながら必死に言うレーナ。奴隷ならいい感じで売れそうだが....と思ったが、金貨数枚で取引されるだけで潰されるのがおちだろうと思う。

 結局は前までいた所はまだまともなだけで、この世界ではこれが普通なのだろう。


「問題無い。とりあえず3人ともこの先に進んで」


 気配を確認してからゲートを開き3人へ促す。3人とも躊躇ったが、後ろから押してゲートへ入れる。繋いだ先は屋敷の俺の部屋。何故かセリアが俺のベッドで寝ていた。


「おい。何で俺のベッドにいる?」


「ヒャッ!これはそれはこれです!」


 そんな訳が分からないことを言いながら慌てているセリアを放置してリビングに降りる。3人には許可は取らずに誓約魔法をかけてある。


「アラン、アンネ。この子達を育ててくれ。良いメイドと執事になるようにな」


 アランとアンネはすぐに理解したのだろう、子供達を風呂に連れて行く。ミレイがいたので宜しくと言うと頷いてくれた。そのまま同じ場所にゲートを開き直し宿へと戻った。




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