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閑話

 私の日常は退屈で仕方のないものだった。生まれて直ぐに母親は死んだ。顔も見たことは無いから別に悲しいとは思わない。ただ、家族の愛情と言うのには興味はあった。

 いつも私の世話をしてくれていたのはアンネで、小さい頃から面倒を見てくれていた。アンネとアランの息子のセルブは、私と歳も近かった事から仲が良かった。他の人は私が王女と言うこともあり、どうしても距離が出来てしまうので一番近しい人はこの三人だけだった様に思う。

 12歳頃まではお稽古事ばかりで気が滅入っていたが、それからは社交会への出席でもっと気が滅入った。私はそれなりに美人らしく、小さい時から目を付けていたのだろう言い寄って来る貴族の息子は多かった。王族なのだから政略結婚に回されるのは仕方のないことだと思っていた。ただ、顔もほとんど見ることのないお父様と兄上達に決められるのには少し腹がたった。そんな事を考えるようになってきていた15歳の時に、ついに私の結婚相手が内々で決まったらしい。アランが教えてくれた。別にどうだっていいとは言っていたもののやはり気になるもので、王宮で仕事をしているセルブが遊びに来たときに調べてくれるように頼んだ。

 セルブからの報告を聞く前に、メイド達がどこかで聞いたのであろう帝国の第一皇子の事を言って来た。社交会でも話しを聞くようになり、その人柄が浮き彫りとなってくる。かなりの美男子であり、豪快な性格、先を見通した知識を持つ優れた皇子と周りで言われているらしい。少なからず前評判では悪くないので嫁ぐのにも前向きになれた。

 それから数日経ったころにセルブから思いもよらない報告を受ける。前評判は確かにあっていたらしいが、その話には続きがあったようだ。正妻が今迄に二人居なくなっていること。召喚者を使い知識を吸出しそれを自分の手柄として民衆に告知しているなど。細かく聞けば正妻は気が狂って消されたらしい。表面上は政治的な駆け引きで毒殺。召喚者に関しては元々いい噂は聞いていない。奴隷と同じ待遇で使われていることは公然の秘密だ。

 召喚者云々はまだいい。ただ、正妻の気が狂った理由が問題だった。夜のお勤めが激しすぎて気が狂うとはどう言う状況なんだ?アンネに話しを直ぐにして確認を取ってもらうと、その異常性が分かってきた。三日三晩されるときもザラで途中途中で治療師が入っていく。ベッドは血だらけなのは当たり前らしくどうしてそうなったかは、口を閉ざしているお付きの治療師しかしらない。

 私は怖くなった。気が狂って消されるぐらいなら死んだ方がましだ。ただ自分で死ぬことも出来ない。そこまで胆が座っているわけではない自分に嫌気がさす。ただ嫁ぐまではまだ時間はある、今から色々考えて行けば打開策もあるだろうと思っていた。


 第一王子と第二王子との勢力争いがここ最近激化している。そのためか私の縁談も一応は流れたらしい。とても嬉しいがまた同じ状況になりえる可能性があるので、最近はアンネに武器の使い方を習い始めた。


 ついに来る時が来たようだ。第二王子派の貴族たちが私の縁談を勝手に進めたらしい。よりにもよって皇子だ。アンネに殺してと頼むと優しい笑顔とともに旅の装備を渡された。アランが夜に抜けれるよう手配してくれたらしくその日の内に逃げることが出来た。涙が止まらなかった。アランとアンネは最悪処刑、よくて奴隷だ...私も生きて行けるか分からない。それでも森の中を走った。魔物がいても最小限しか交戦せずに走った。寝る間も惜しんで二日ほど移動したが王都からはそれほど離れてはいないだろう...追手に捕まる可能性もある為、森からは出られない。結局ゴブリンに襲われ戦う事になってしまう。


 体力も限界で、たった五匹のゴブリンでさえ辛かった。必死にショートソードを振り回していると、いつの間にかゴブリンはいなくなっていた。と言うよりは死んでいた。そして、黒髪の女性がそこにはいた。


「大丈夫?女の子があんま無茶するもんじゃないよ?」


 もう頼るしかなかった。騙されて奴隷にされるかもしれないのも知っていたが、アンネとアランがわざわざ逃がしてくれたのだ。ここで止まるわけにはいかなかった。


「この国以外の安全な国へ連れていって下さい。お金ならここにあります。お願いします。」


 そう言うと、その女性は元々鋭かった目をもっと鋭くして「いいよ」と言ってくれた。それからはその女性、サラさんに連れられて二週間ほど旅をした。途中、サラさんは奴隷を買っては自分の馬車に乗せて一緒に連れていく。私は騙されたのかなと思ったが、もうどうしようもなかったので着いて行くしかなかった。旅の目的地はトライデント王国のウィンリィだった。有名な街なので私でも知っていた。街に入る前に奴隷の首輪を付けられた。抵抗はしなかった。これまでの旅でサラさんを信頼していたのもある。街に入り娼館まで連れてこられた時に、「騙されたか」と思った。でも娼婦として生きる方が狂って消されるより幾分ましだと思えた。別に好きな人がいたわけでもないし、後悔と言えばアンネとアランのことだけだ。二人は私にとって両親と同じだ。もし会えるのならもう一度会いたいなと思った。

 サラさんに連れられて娼館に入ると、オーナーのマイさんを紹介された。他二人の奴隷と一緒に説明を受ける。開放金を払えば自由になれる。値段設定と自分の取り分。開放後の事についてなどわからない事は聞けば教えてくれた。二人の奴隷は納得したらしく、先に出て行った。私も住む場所を紹介してもらうために立とうとすると止められた。

 サラさんが何かマイさんと話し始め私の待遇について検討しているらしい。正直もう腹は決まっていたので待つだけ暇だった。話が一段落したのだろう、マイさんが喋りはじめた。


「あなたはグリンゼラ王女ですね?逃げてきたのは理解しました。ただ匿うと言っても娼館ですので確実では無いでしょう。折を見て信頼できる誰かに託す場合もあります。その時はもしかしたら奴隷として渡すこととなるかもしれませんがよろしいですか?もし嫌であればその時に本人と交渉するのもいいと思います。」


 騙されたと思っていたがそんなことは無かった。申し訳なく思いサラさんに顔を向けるとニヤニヤしていた。私が気落ちしていたのを見て楽しんでいたのだろう。奴隷の首輪はしとかないと身元がバレる可能性があったためしたんだろうな。まぁ外す必要もないだろう。ここにいる間は何をすればいいのやら...


 娼館での生活は暇だった。娼婦同士が交流を持つ事はそれなりにあるのだが、私はSランクでトップになっているため特別待遇であり、他の娼婦とは違う部屋を使っていた。何回か指名が入ったのだがマネージャーさんが理由を付けて断ってくれ、事なきを得ている。ただ長居は出来ないだろうなと思った。そんな中での楽しみは、旅が一緒だった二人の奴隷とのおしゃべりだ。二人とも最初の方は落ち込んでいた。当たり前なのだろう、体を売る商売だ気持ちのいいものではない。しかし、一週間もすると二人とも吹っ切れたようで逆に元気になっていた。二人はCランクの娼婦なので時間制で相手をする。一日に3,4人はザラらしい。固定のお客さんも出来始めたらしくそう言う人が通ってくれると嬉しいらしい。ただ内容が余りにも生々しくて私にはまだ早かった。そう言ってると二人が覗き穴の存在を教えてくれた。従業員が定期的に女の子たちに暴力や脅しなどがないかを見回る穴らしい。全ての部屋の上に付いているらしくそれで見てみる事をおすすめされた。

 その夜、興味津々で片方の部屋の覗き穴を見ると行為の真っ最中だった。初めて見る光景に心臓の高鳴りが外に聞こえるのではないのかと思った。一人目は途中からしか見ていなかったので二人目をじっくり見ることにする。ちなみに見ている事を分かっているのだろう時々目が合う。こっちまで恥ずかしくなる。入って来た男性の体に洗浄の魔法をかけ、服を脱がして何かついた布で拭いているようだ。それが終わる頃にはさっきまで小さかったモノが大きくなっており、女の子も服を脱いで行為が始まる。口から始まり口で終わる一連の行為に私の頭はオーバーヒートだ。そのまま熱に浮かされた頭でその日は寝た。

 次の日からは毎日のように二人の行為を研究し、どうしたらいいのか二人にも質問するようになった。二人もウブな私の質問が面白いのだろう色々と教えてくれる。ここはこうしたほうがいいとか、人によって違うとかそれはもう色々だ。余りにも見すぎて常連さんの好きなポイントまで覚えてしまった。それを二人に話していたら少しひかれた。昔から勉強は嫌いではなかった。伽に関しても勉強はしたが、所詮は口頭のもので実践を見せてもらってはいない。ここでの勉強は今までの何よりも糧となったと私は思う。


 研究と妄想を膨らませる日常についに終わりが来た。少し前にマイさんから委譲する話が出ていたので、長い付き合いになっていた二人にはもしかしたら急に居なくなるかもしれないことは伝えてある。その日も二人の覗きには行かずに部屋に居た。急にマネージャーから呼ばれて応接室に行くことになった。とうとう来たかと思いながら廊下を歩いていく。正体を明かす事も出来ないので、奴隷としての委譲になるだろう。ただ、私は結婚できずとも子供さえ残せればいいと今は思っている。それが守れるような人であれば正直誰でもよかった。隷属の首輪の登録の仕方如何では、子供を産めなくすることもその逆も出来る。そこだけどうにかしてもらうつもりである。決意を胸に応接室に入る。そこに居たのは黒髪の青年だった。歳は変わらなそうだが、不細工ではない。美男子では無いが十分だ。とりあえず自己紹介をするとあちらもニコリと自己紹介してくれた。一応奴隷なのだが嫌悪する風ではない。人によっては奴隷を蔑む人もいる。まぁ特に貴族なのだが...

 そう思っていると報酬の話しをしているようだ。


「えーっとさっき話しましたが、報酬はSランクの嬢の紹介でお願いします。お金は払いますので。」


 はい!私!私ですよSランク!Sランクに恥じないテクニックをご覧にいれますよ!


「それはそれはセリアがそのSランクで御座います。」


 え!?なんでガッカリしてるの!私体には自身ありますよ!黒ずんでません!ピンクですよ!大きさもけっこうありますし!初物ですよ!


「はぁ...わかりました。また今度違った子でお願いします...」


 うおぃ!は・つ・も・のだってーの!男は好きだろ!常連のおっさんも言ってたぞ!お?なんですか?急にじっと見つめるなんて...少し恥ずかしいかな...


「マイさん、厄介事に巻き込むのは困ります。」


 厄介ってなんじゃい!私を危険物扱いするんじゃない!でも将来的にはエロリストに!

 酷いことする?そんなエロい目で私を...これは視姦と言うやつですね!バッチコーイ!もはや今の私にエロイことでの死角はありませんよ!どんなプレイも受け入れます!


 私が興奮しているうちに話は終わったようで、いきなり目の前の空間が歪んだ。正直驚いたが進んで行くことにする。あ、マイさん有難うございます。私幸せになります!そう目で訴えかけながら前に進んだ。


 着いてから早速私の事についての話になった。待遇は性奴隷らしいがさっきみたいなエロい目では見てくれない。少し残念だ。そのまま付いていくと奴隷の女の子が飛び出してきて抱きつきていた。ロリコンか!と思ったがそうでは無いらしい。そのまま入っていくと見知った顔があった。もう何も考えれなかった、そのままアンネに抱きついて泣いた。涙が止まらなかった。気付いた時にはタカユキさんは居なくなっていて。それぞれ自己紹介をした。その後はアンネとアランにこれまでの経緯を言い、また二人の経緯も聞いた。


「お嬢様が奴隷になっているとは...」


「うーん...別に奴隷でなくてもいいんだけど、そのほうが動きやすいから。あと、タカユキさんいい人そうだし。」


「そうですね。旦那様はお優しい方ですよ。お嬢様がもし宜しければ旦那様と結婚なさればいいかと...」


 ちょっと!何いってんのよアラン!私そんなこと言われると妄想が膨らんじゃうでしょ!あぁ今日は寝れなくなっちゃう!

 そんな事を考えてた時期が私にも有りました。



 翌日エルフの女の子、ユキちゃんを連れて予定返上で帰宅されたタカユキさん。ユキちゃんはいつもべったりで寝るのもお風呂も一緒です。ロリコンかとも思いましたが事実はわかりません。とりあえず話せるように、上手く距離を縮めているのですが上手くいきません。結局タカユキさんが取り持ってくれてお話することができました。ただ、想像を絶しました。お風呂で気持ちよくしてもらい、布団では抱いてもらってる...しかも毎晩ですと!これはけしからんです!ロリコンなのでしょうか!それでは困るのです!そこからはユキちゃんの過去について聞きました。正直、口のテクニックは負けそうです。これからはユキさんですね。


 それから数日おきにタカユキさんが朝早くから下着を洗っているのを見ました。ユキさんに話しを聞くと手でやってやったと教えてくれました。恐ろしいテクニックです。最近はアンチェも加わりエロ談義に花を咲かせてますが、アンチェが抜け駆けをしました。探索から帰ってきてログハウスにはいろうとすると、聞こえてくるのですよアンチェの声が...獣人のは激しいらしいですが顔見知り同士の行為と言うのはその...興奮しますね!少し鼻血が出ていたのかユキさんが拭ってくれました。ありがとう御座います。最近は色々聞きすぎてタカユキさんと上手く喋れません。下手したら鼻血が出るんです。

 そんな事を言っていたら部屋にお呼ばれしてしまいました。慌ててアンネにすがりつくと。


「そんな事もあろうかと...」


 そう言って素晴らし下着を渡してくれました。これならどんな殿方もイチコロです。ただ今回はユキさんもいるはず...初めては二人がいいのですが欲張ってはいけません。ユキさんの背徳の牙城を私が崩して見せましょう!

 意気込んで部屋に入りました。しかし待っていたのは絶望です。私は相手にすらならないらしいのです。背徳の牙城がタカユキさんの胡座の中で笑っているように見えました。

 今回は私がこうなっているいきさつの話のようで、色々とこれからの行動を変えなければならないらしいです。たださっきからタカユキさんの目が私の胸と穴が空いて見える場所にいっているのが嬉しいです。少し挑発してみたら。


「見ちゃ悪いですかっ!男ですからっ!」


 これは...ロリコンでは無いことがはっきりしましたね...背徳の牙城は突破目前と知り、すこし勇気が湧いてきました。


 ...ユキさん、勝負はまだ始まったばかりですよ...
















 

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