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29話

昨夜はソファ二つに俺とアムスで寝た。それ以外の部屋にあったベッドは子供と老人に譲る。

何故か朝起きるとアンチェがアムスの腕の中で寝ていて少しイラッとした。

別にロリコンではありませんよ。巨乳スキーですし。アンチェは巨乳でもありませんし。でも巨乳で若いのもまた…でも幼女は無理ですわ…光○氏計画もいいかも…でもあれ普通の人やると洗脳だしな…


キッチンではアンネが昨日出した食材で料理を作っていた。

「おはようアンネ。朝早くからありがとう。」

「とんでも御座いません。私どもは奴隷ですので出来る事は行わなくては行けないのです。」

...凄い精神力だ...それともアイリッヒマンですかねぇ…

料理を作る姿のアンネを見ていると、アランが掃除をしているのが見えた。二人とも買った時よりもだいぶ若く見えるのは気のせいだろうか?

朝食の香りがし始めると皆起きて来たのだが、エルフ少女が起きてこない。仕方ないので俺が迎えに行くとベッドの上で座りながらぼーっとしていた。

...こいつは...まぁ仕方ないか...

面倒を見ると決めた以上最後まで見るつもりだ。同じ称号をもった者同士仲良くなりたいと思うのはおかしいだろうか?この子の未来が明るいようにしてあげたいと本気で思っている。


そろそろ宿に顔を出そうと席を立つと。アンネが話してきた。

「エルフの子の事なのですが…」

…あぁまぁこの人達もあんま一緒に居たく無いのか…アンネは鑑定持ってるし気付いているだろうな…

「なんだ?」

「このままでは普通に生活出来ないかと」

「鑑定が無ければ分からないだろう?」

「???」

「一緒に居ても称号は伝染しないから大丈夫だ。」

「そう言う事ではありません。今更神に願う事もありませんし。多分此処に居る方は皆気にしないですよ。」

何故か寂しそうな顔をするアンネ。

「ただ旦那様も鑑定を持っているなら分かると思いますが、自分で立つのもままならないのが今の状態です。遅かれ早かれ対処しないと死んでしまう可能性も高くなります。旦那様がどの様に考えているのかは分かりませんが、ご一考頂きますよう。」

見落としていた、昨日ステータスを見ていたのに…筋力値が極端に少ないのだ。多分4〜5歳くらいしかない。そりゃ〜いくら痩せてて体重なくても身体を上手く支えれんよなぁ。体重も骨格も今の年齢なわけだし…だからこそ奇跡的に生きてた事が驚きなのだろう...

申し訳なく思いアンネに様子を見てもらいながらすぐに宿へ向かいジョエルさんに謝り倒し今日1日予定を空けた。


今、エルフ少女を抱いて泉に来ている。昨日の虚ろな目は俺に固定されている様だ。

「さて、名前もそうだが…取り敢えずレベル上げか。」

名前を考えながら無反動の銃を作成、重さはミスリルで作りかなり軽くしてある。今回は無反動の他に触れるだけで発射や自分の魔力を使わないで済む点でかなり威力が低い。

30分程で完成しまたエルフ少女を抱っこする。一気に境界線まで走り抜けゴブを探す。

「いたな。エル…そうだなユキにしよう。お前は今度からユキ。俺の名前の半分やるよ。一緒に頑張ろうな。」

そう言って、多分一生懸命立っていたのだろうユキの頭を撫でた。

ユキの高さに合う様に椅子を置き銃の固定台にする。

後ろから銃を支えてやりながら遠くに見えるゴブを打つ。

…パシュッ…パシュッ…パシュッ…

殺したゴブを放置すると、自然と周りの魔物が集まって来る。

…パシュッ…パシュッ…パシュッ…

結局1時間程でゴブやグリーンウルフ、ホーンラビット、オークなど、合計50〜60も狩ることが出来た。


「ほれユキ、もう自分で立てるか?」

最初はわかって無かったのか此方を見ているだけだったが、ゆっくり腕を持ち上げたり歩き廻ったりしながら、自分の身体が自由に動く事に驚いている様だった。ただ全くの無表情なのでこっちがそう思ってる

だけだが。

「今のレベルは…16か…俺の苦労はなんだったんだろう…」

この森での壮絶な日々を思い出しながら遠い目をしてしまった。


その後も昼過ぎまで狩りを続けレベルが40になるまでひたすら狩り続けた。今の銃では効かないギリギリの魔物と戦わせ効率重視でレベルリングした。



「ただいま。」

「おかえりなさいませ。」

アンネが出迎えてくれた。ユキが手を繋いで普通に歩いている事に驚いたようだが、何事もなかったように表情を戻した。

そのまま他の奴隷達に一ヵ月後を目標に、文字や計算を勉強させるよう指示を出し。いくらかお金を渡した。

「アンネとアランにこれからの事は任せる。ただ、アンネとアランの仕事量はかなり多くなって行くはずだ。辛くなる前に声をかけてくれ。新しい奴隷を買ってくる。基本は秘密厳守でお願いしたいから、新しく来る人間は奴隷になるだろう。」

「お気遣いなく。それも私たちの仕事です。」

そう笑顔で言ってくれるアンネには正直助かる。少なからず奴隷と言う時点で心苦しいが、首輪が付いている限り信頼はおける。そこまでして隠す必要もないのだが、自分の異常な力は隠しておくに限るだろう。なんせ、アンネとアランの国が無くなったように、この世界は戦争がいたるところで起きている。力があれば投入したいのが国だ。尚且つ、それを国への交渉材料として持ち込む輩もいるはず。折角新しい拠点ができそうなのに他の国へ移動するのは面倒だ。


店舗を出て宿に戻った。昼食を取る前に部屋に戻り、ステータス偽装の指輪を作成、ユキに付けさせる。そのまま宿の食堂で昼食をとったら。また部屋に戻り、ユキの魔法練習を行う。

ソファーに二人並びながら魔力を感じる事からはじめる。

「まずは魔力を感じるところから始めよう。目を瞑って体の中にあるモヤモヤしたものを移動させる感じだ」

そう言うと、小さく「うん」と言って始めた。

小一時間させてみたがわからないようなので、膝の上に座らせて無理やり魔力を流してみる。

「辛かったりしたら直ぐに言えよ?」

魔力の循環は滞りなく出来たが、ユキの体からは凄い汗が出てきており呼吸も荒い。

「言えっていったろ!」

「...はい....」

そう小さく返すユキに、怒鳴った事を少し反省しながら水を飲ませる

...身体は拭いた方がスッキリするよな…ロリコンじゃないから大丈夫だよね?まぁここで何かを感じる方が悪い。そうだ!その通りだ!間違いない!...

洋服に手をかけながら少しの間自問自答していると。後ろから殺気が感じたのでユキにおおい被さりながら後ろを向く。

「レイリさん。部屋に入る時はノックをお願いします。」

「いえ大丈夫です。ノックをしたら殺せないですから。」

...ついに言ったよ殺すって...勘違いしているからまずは訂正だ...

「勘違いですから。汗がもの凄い出てるので拭いてあげようとしていただけですから。なんなら変わってください。」

そう言うと幾分目の冷たさは和らいだがかなり警戒色が濃い。俺も背中と顔の汗が止まらない。

...綺麗な人なんだが...ここまで冷たくされると泣きたくなるな...

レイリさんに代わってもらい外に出るとジョエルさんがいたので、そのまま食堂に向かう事にする。

「ステータスが偽装されてましたね。何か魔道具を付けさせたので?」

「はい。ほとんどの鑑定持ちには見えないのでは?」

「そうですね。私には見えますが門でも止められる事は無いでしょう。あれはレベル9の偽装まで看破出来ますから。私のように鑑定のレベルが10じゃないと見れません。そのレベルの者もこの国に数人しかいないでしょう。」

スキルレベル10に上がる為には高い壁があるようで、レベル10のスキルを持っているだけで国に仕えることも出来るそうだ。大体が国には仕えず秘匿する場合が多いらしい。

「どのようにレベルをあげたかは...答えていただけないようですね」

そうくると思っていたので笑顔で返しておいた。

「その代わり、ジョエルさんがもしレベルをあげたいならお手伝いしますよ。」

「それならレイリを頼みたいですね。」

笑顔にヒビが入る。

「それは...考えさせて下さい...」


その日は夕食を摂ってそのまま魔力循環の続き。奴隷の首輪があると魔力を放出するのが出来ない様で、明日にでも開放の仕方を教えてもらうつもりだ。


「ユキ風呂。先に風呂入ってしまい。」

寝る前なのでユキに言うと、その場で脱ぎ始める。

「こ、こら……ッッッ!」

最初はレイリさんに殺されると思ってだが、上半身を見たときに寒気がした。

無数の切り傷に火傷。肉が抉れた跡だろうか、肉が盛り上がった傷。背中を見ると鞭の跡だろう。治った跡がシミになって無数の線があった。

思わずユキを抱き締めた。

「大丈夫…俺は絶対にそんな事はしない、絶対に…」

人はここまで出来るってのが、目の前でまざまざと見せつけられた感じだった。

殺された方がマシと思える事なんて幾らでもある。それを体現したのが扱いの酷い奴隷なのだろう。死人を自分で作るよりも、こっちの方がよっぽど精神にくる。


すぐに服を全て脱がせベットに連れて行く。ユキは無反応だがこっちから目を離さない。前ほど濁った目はしていないが冷たい目だ。

寝かせると代謝を上げる魔法を傷に指を這わせながら治していく。盛り上がった場所は局部に麻痺の魔法を掛け除去し、原液で湿らせた布で処置して行く。

背中・胸・お腹・太腿、奴隷として売る時には見えない箇所ばかりだった。

終わった時にはかなり時間も経っていたので、一緒に風呂に入って寝た。なんでか無性に離したく無くて抱き締め寝たのだが…

ユキはされるがままにしていたが寝るときに「…ありがとう…ございます…」と言って貰えた。傷が治って少しは嬉しかったのかも知れない。


朝起きた時レイリさんが目の前にいた事で昨日までの人を思いやる心は吹っ飛んだ。

…すごい怖かった。…目が…


「れれれ…レイリさんはユキの傷を知ってたんですよね?」

一応言い訳を先にする。

「はい、流れ品の奴隷では当たり前かと?」

こともなげに言うレイリさんの目は冷たい。

「そうですか…取り敢えず治しましたが、初めてで気付かない事もあるので今度からは教えて頂けると嬉しいです。」

何故か最初からユキを抱いていたレイリさんが、ユキの身体を調べ少し驚いている。

「あの傷を治せるのですか…?」

「まぁ時間はかかりましたが…」

幾分柔らかくなった目が何よりもの救いであった。


「私の傷も治して頂けますか?」

いきなりの提案にビックリですハイ。

取り敢えずジョエルさんに確認を取ってから治す事にした。



「タカユキさんには本当に驚かされますね。」

今はユキを膝の上に乗せながら馬車で揺られている。

「いえ、あれ位であれば治せるかと。」

「そうですか…ただ人前では避ける事をオススメします。」

やっぱね〜まぁジョエルさんだし大丈夫だろう…

「今日のオークション最終が出品した品になりますので、それまでは如何しますか?」

「取り敢えず、他の奴隷も治してから合流します。」


ジョエルさんと別れ、店舗に向い子供たちの身体を確認して治す。

ネリアは喜んでくれたがアンチェは少し不服そうだった。聞いてみるとどんな傷でも勲章らしい。マジ獣人系パネーは。

2人ともそこまでの傷では無かったのかので、ユキがどれ程かがよくわかった。


またユキを連れてオークションへと向かう。奴隷の首輪を外そうとすると嫌がるので、代わりにサファイアを埋め込んだチョーカーを付けてあげると少しニッコっとしたように感じた。まぁ居場所が出来たと思ったのに開放されると不安になるわな。

それに結構高待遇で奴隷を扱ってるはずだし、ミレーヌとも上手くやってくれるだろう。


オークションへは最終部が始まったばかりだったが、結構白熱していた。今聞こえて来るのも5000枚を超えている。

「ジョエルさんどうですか?」

「良いところに到着ですね。次の品からですよ。」

前の商品が15000枚で落札され。自分の商品が紹介され始める。


「本日の商品の目玉の一つ!ギュレック紹介からの品!特大のエメラルドの原石です!」

出されたのは自分のが渡したものを軽く研磨し見栄えが良くなっていたものだった。

「これ程の原石は近年出ておりません。最近出た商品でもこの商品の半分にしかならない大きさです!では金貨10000枚から始めます!」

一気に会場の熱が高まるのを感じる。

「12000!」

「14000!」

「15000!」

正直かなりの高額に冷や汗が出る。

「30000!」

「35000!」


「ジョエルさん、大丈夫ですか?これ」

「私の予想では後少し上がりますね。」

結局46700枚で落札され、ルビーの方も51000枚だった。

「正直もう十分なんですが…」

「最後はもっといきますよ」

「はぁ…」


「本日目玉のラストはダイヤの原石です!もう言う必要は無いかと思いますがギュレック商会からの品です!金貨30000枚から始めます!」



ジョエルさんの話では王族の献上品や他国との外交でも使えるレベルらしく、100000枚で何処かの貴族が落札していた。

ただの石ころに此処までとは恐れ入る。


ジョエルさんにお金の事は全て任せ、クランにも先代からの遺産として出してくれるようお願いする。さすがに少しは貰って白金貨100枚と金貨20000枚は懐に入れた。正直精神がガリガリ削れる値段なのであまり考えない様にする。

明日にはまたウィンリィの街へ戻る。ミレーヌはどの様に判断するか少し心配だ。


奴隷達には新しく購入した屋敷の管理と店舗の管理を任せ、何事もなくウィンリィに到着した。ユキが俺にくっついてたのを「銀龍の盾」メンバーに冷たい目で見られた事以外は…


ユキはアンジュが預かってくれたので、娼館へと向かう。最初はユキがかなり強引にくっついて来ようとしたが、アンジュの一言でいつもの冷たい目で見られただけで素直になった。

アンジュには後から何を言ったのか聞いてみなくては…



娼館へ着くといつものボーイさんが対応してくれる。

「ようこそタカユキ様いつもありがとうございます。少々お待ち頂けますか?」

と、応接間の様な所に通され暫く待つ事になった。

…んー決めてくれたかな?よかったよかった…

明日にはすぐに向かってもらおうと思っていたので即決は無問題です。

応接間の扉がノックされ、一人の黒髪のおばさんが入って来て少し驚く。

「初めまして、当娼館「月の館」のオーナー、マイ・オオニシと申します。いつもご贔屓にして頂いているタカユキ様には申し訳無いのですが、ミレーヌは3日前にこの娼館で開放金を支払い出ていってしまいまして…新しく紹介させて頂ければと思っているのですが?」

明らかな元日本人とミレーヌが辞めたこと、どちらにも頭を殴られた様に動揺してしまう。


…さて、どちらから話しますか…










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