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閑話


...三年と半年前...


「普通ならもう消えとる。余程元々の運命が強かったのじゃろ。そろそろ時間じゃろうな。…そうじゃ!抜けとったわい!肉体は再構成される!多分自分の全盛期に合わせられるはずじゃ!ではよい人生を」



目の前に居た男が消えていき居なくなる。


「ふぅ...やっとおわったか。」


少し寂しそうに眉の端を下げ、テーブルに乗っている冷めてしまったお茶で喉を潤す。





「おじいちゃぁん...ありがとう...」


どこから現れたのか。13、14歳の小柄な銀髪の少女が金色に輝く瞳を潤ませながら擦り寄ってくる。




「おうおうエーリアス。気にしんでぃぃ気にしんでぃぃ。こんなことでしか爺ちゃんは手伝って上げれないからのぉ。」


今回の件は普遍的に起こるものであり、人それぞれの運命(みち)全てを管理することが出来るわけでない。運命を管理する神とはその中でも特異な存在にだけ視点を合せ、世界が間違った方向にいかないようにコントロールするのが仕事である。


しかし今回はわけが違った。初めて管理を任せられるようになった孫娘にわりかし簡単である地球の運命管理を任せたのだが、特異な人物を特定した時には対応が後手に回っていた。そこからはどんどん捻れがひどくなり手に負えなくなってしまったのだ。




「ヒグッ...ヒグッ...おじいちゃんごめんなさい...」


ワシの可愛いエーリアスを泣かせやがって!と最初は思ったのだが、連れてくるとき連れて来たあとと話してみると案外悪い人間ではないようだった。

そのためか、色々付けてみたり死にはしないだろう場所におくった。


過去、同じように運命を捻じ曲げていた人物は多くいた。そういう人物は往々にして唯我独尊、傲岸不遜を体現したような人物か、悪意が滲み出している人物ばかりであった。

地球上でどうしても扱いが困る場合はその場で無理やり神との契約をし、他の世界に神の使者として投棄、一方的に契約を解除して放置するのが通例である。直接手を下さないのは干渉を恐れ、また神としての教示に反するとしているためである。


神との契約の際、その世界で誰もが持つ加護を消失してしまう。その状態で他の世界へ連れて行き契約を切れば、自ずと加護のない状態での生活をせざるをえなくなる。

一度消失した加護を取り戻す事は難しく、神に認められる事が必要となるためほぼ不可能だ。


実際は神の意図しない命を効率的に亡き者にするためのシステムであったのだが、初めての管理で何度かエーリアスが地上に干渉してしまい。その余波で捻じ曲がった運命の者がここ数年出てきてしまっている。



...今回である程度捻れの存在した場所は再生できたじゃろ...


「失敗は誰にでもあることじゃ。月並みな言い方かもしれんが、次から頑張れば問題ない。ワシは毎日頑張ってるエーリアスを知っておるからのぉ」


そう言って孫の頭を慈しむように撫でる。


「うん!頑張る!でも...おじいちゃん浮かない顔してるよ...?」


本当はこのような形で異世界に投棄するのは気が進まないのが本心であるが、現在の孫の仕事にケチを付ける形になるので言うことはない。


「いやのう、さっきの男を送った異世界はわしらの眷属が管理している世界ではないんじゃよ。もともとはしていたが...まぁ放棄した世界といってもいいかのぉ。今は存続はしておるが、ワシらの管理する世界より殺伐としとる。少しその世界の事を思い出しておったのじゃ。それより今ので最後じゃったのか?」


「うん!」


「ならよい、これからも頑張るのじゃぞ!」


「ありがとうおじいちゃん!...大好き!...」


...ガバッ...


孫に抱きつかれ顔がとろけるジジイ。


「おうおう、じいちゃんも大好きじゃ!」


...人間一人や二人くらいどおってことないわい!...


さっきの感傷的な気持ちなどどこえやら、孫を愛でる事に思考の全てを割いている。






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





...スパーンッ...


「親父ィッ!」


筋骨隆々のイケメンマッチョが居間の襖を乱暴に開けて入ってくる。


「うっさいわ!」


爺さんも荒ぶる。

イケメンマッチョは立ったまま要件を言う。とても落ち着きのない残念さんである。


「どうなってんだ!キセラの管理してる星の魂にいいのがねーじゃねか!」


キセラとは地球を管理している神であり、主神である。運命や知識等その他の神は管理職で言えば課長みたいなものである。


「知らんわ!本人に聞きに行け!」


「もう聞いたわ!そしたら親父にお願いしろ言われたぞ!」


「ワシにどうしろ言うんじゃい!」


「放棄した世界に魂取られんの防げばいいんだよ!見てなかったのかよ!」


「んな、何個もある世界の全部見とるわけないじゃろがぁ!そのくらいキセラでなんとか出来るじゃろ。」


「キセラが私の力じゃ引っ張り負けるって言ってたぞ!」


「!?」


「「......」」


驚いたじいさんは少し呆然となり、次に何をするか考える。


「どの世界かは特定できとるのか?」


「あぁ、キセラの方で何ヶ所かは特定出来たみたいだ。」


「それならキセラの所に行こう。お前も付いてこい!」


「たりめーだ!」



かりにも主神であるキセラが力負けするとなると、ただ事ではない。まして自分たちが魂の養殖場にしている世界である。特定で狙ってきている時点で。自分の眷属か、眷属だった者の可能性が高い。


...大事に成らなければいいがのぉ...


この爺さんは創造神であり万物を想像した。多くの眷属を生み出し多くの生命を誕生させた。さすがにもう創造はしていないが、生み出した神界で悠々自適の生活が今の楽しみである。






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