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18話






現在ダンジョン20F、昨日完成した装備を装着して降りてきている。

5階層ごとに現れる楽園階、毎度毎度いい品揃えを期待出来る場所である。










「今回は海かな...ダンジョンに海っていうのも不思議だな。」


階段から出たなりに直ぐに潮の匂いがした。

安全とは分かっていても、直ぐに索敵魔法を展開し当たりの状況を調べる。




「今回は壁なし階かな?」


そう思い後ろを見ると高めの丘から階段の穴があいていた。周りの様子を見るために丘に登る。





「んー島なんて珍し過ぎだろぉ」


結構大きめの島らしく、一番遠くにかなり大きめの山が見えた。





「多分あれが階段かな~」


その他には川が流れていたり、島の中央に森が出来ていたりと結構なんでもありのようだ。


 とりあえず山を目指しますか。












ダンジョンの中とは思えない、とてもいい気候で暑すぎもせず寒くもない。この階層には索敵でも調べたが魔物はいない、安全に海水浴を楽しむならここまで来たほうが無難だろう。

結構な距離を歩き森が後少しと言うところまで来たところ、湿地になっているようだった。





 ここかき分けて進むのは嫌だなぁ...あれは!


雑草の中に黄金色の穂を付けた草を見つける。

穂を手に取り殻を外してみる。





「間違いない!こめじゃい!」


米の粒を握り締め天高く拳を振り上げ、大声で奇声ををあげる。

一通り興奮し終へ、粒に鑑定をかける。




・米

 現在所属している大陸では主要な食料としている国は少ない。

 他の大陸には主食として栽培している国が存在する。

 所属大陸に持ち込まれたのは約300年前であり、勇者早乙女により持ち込まれる。トライデント王国で栽培が活発である。






 むむむむ...他の大陸はマップで確認するとして...勇者はわかるが早乙女ってもろ日本名だろ。召喚的な?トリップ的な?俺と同じような人間が過去にいたとなると...それなりに文明が発展していてもおかしくないな...



少しの期待と不安が入り交じり、横断後の柵をどのように回避していくか考えながら米を回収していく。

全て取りきるのは不可能なくらいの広さと雑草があるため、収穫魔法を作成してから再度来ることにし森の中へと進む。


森の中へは行く必要は無かったが噴水があるような気がしたので足を運んだ。







しばらく歩くと、やはり噴水がありいつもと同じように横に像が立っている。



「生きていたのか...」


今回の像は男女二体であり、一番最初と同じ二人の像であった。

男の像は仁王立ちで笑っており、女の像は涙を流しながらその足元にすがりついていた。


「いつも泣いてるねぇこの(ひと)。」


まるで刺したことに許しを乞うような、笑いながら謝罪を受け入れているような。そんな光景に見えた。

女の像のヤンデレぐあいがヤバい件について考察しながら次の階へ向かう。



次の階への階段は山のすぐ麓にあった。













21Fは極寒の草原だった。

装備を新調しているため寒さは問題ないが足を取られるのが辛いのと、視界が吹雪のため悪いのとでかなり進みにくくなっている。


「このままじゃ1フロア1年単位でかかるな...」


 最近まで森か洞窟が主だったフィールドだったから考えなかったけど、そろそろ乗り物系に手を出すべきか?船での失敗が地味にいたいんだよなぁ。


雪道に対して乗り物を製作するかかなり迷っている中でも、しっかりと歩きを進めていた。




1時間程歩いていると索敵にかかるものがあり、警戒して刀に手をかける。

前方から現れたのは真っ白な狼で体調は2~3m程、10匹の群れのようだ。確認のために鑑定をかける。



・スノーウルフ(オス)

 LV309

 HP63000/67800

 MP5000/5000


 スキル 水魔法

 称号 なし

 

・寒いところに住む魔物群れで行動することがほとんどであるため、単体で会うことは珍しい。動きが俊敏で強い個体になると魔法も使用してくる。

・群れのボスいがいは全員メスであり、単体遭遇の場合は手負いである可能性が高い。



 おぉぉ...結構まともに答えてくれるなぁ。ん?こいつハーレム野郎か。殺してぇ...でも維持するのも大変だろうなぁ。他のオスに襲われて乗っ取られることもあるだろうなぁ...

 それよりも、レベルが異常に高いな...もしかしたらレベル上がるの早いのもこのせいか?






長めの思考はボスの狼が飛びかかって来たことで中断される。


 「ガァアアア!」


襲いかかってきた巨体を惹きつけ、ギリギリで躱す。

躱すと同時に首を切りつけた。


...スパンッ...


...ズザザザァァ...


なんの抵抗もなく一撃で狼の首が落ち、その体が雪上を滑っていく。


ボスの敗北が分かったのだろう、群れは直ぐに駆け去った。


「哀れだ...女は計算高いな...」


何となくこのオスに同情しながら死体を回収して、今日は帰宅することにした。











帰宅後はすぐに寝た、翌日に全て作業を回したためだ。

狼の解体も終わり稲刈り魔法と脱穀魔法を開発しながら、新装備製作時に作成した多重思考魔法を使い移動手段を考える。


 これはあれだ、魔力エンジンを開発すれば全てに応用が効くな!


どこかで聞いたことのあるネーミングなエンジンを作ることにした。





用意した材料はミスリルと金、オリハルコンとダイヤである。オリハルコンの輝きと同じだからと魔力を流してみると、オリハルコンまでとはいかないもののミスリルよりは上といい結果だったので今回使用する。

金は案外使い勝手のいい素材であり。今回製作したnew斬黒(ざんこく)を作る上でもかなり役に立ってくれた。現在斬黒の刀身は金と黒のマーブル模様で禍々しい感じになっている。





 つくりますか!


まずミスリルで魔力循環機構を作る。これは体で魔力を練るのと同じように、魔力の密度を濃くする工程である。

この循環機構の真ん中に魔石をいれる場所をつくる。

いつでも何個でも入るように漏斗を上に設置して魔石を次から次に投入されるようにする。

魔石格納部分と循環機構に金で回路を作成、ロスなく魔力が流れるようにする。

増幅した魔力をオリハルコンに取り付けたダイヤに流れるようにする。

宝石には魔力を溜め込む性質があるため、数戸のダイヤを設置し格納する。

あとは高出力の魔力でオリハルコンに刻んだ刻印を起動するだけで完成である。


重さはまぁまぁ高出力の小型魔力エンジンの完成だ。


「つかれたぁ~」

 最近もの作ってばっかだな。かれこれ二年全くと行っていいほど当初の予定に近づけていないな...レベル見て挑戦していくかな。んんなら本体つくりますか~。


鉄でフレームを作っていく、バイクとさほど変わらない感じだが幅広だ。

スイングアームと倒立ホークを作り組み立てる。サスペンションは作れたが、ダンパーオイルが無いためホークにも、ダンパーにもミスリルを使い減衰力を風魔法で再現した。結構試行錯誤して乗り心地が良くなった。

スポンジやゴムが無いため、リザードマンの皮や豚野郎(ブラックオーク)の皮をつなぎ合わせてシートやキャタピラ部分を作る。

あまり気が向かなったが、外装部分は硬質な黒光りカマキリの外皮を使い完成した。

中々の出来栄えに自分でも褒めてあげたい。









ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー










やってきました21F。

エンジンをかける必要もないのでハンドルから魔力を送る。

エンジン自体の動力接続には魔力を風魔法に変換し、タービンにより動エネルギーに変換している。


...フシュルルルル...フシュルルルル...


吹かすと、気の抜けた排気音に若干悲しくなるが現行ではこれが一番ベストだ。

また実験してみていい方法が見つかったら考える事にする。





...キィーーーーーーーーーーン...

速度を出していくとかなり甲高い音になった。

タービンが壊れない事を祈りながら、さらにスピードを上げる。


体感では100km/hは超えているだろう。なかなかに快適だ。

近づいてくる魔物はその場で打ち捨てていく。

やってることは馬に乗った盗賊と何ら変わらないかもしれない...













一日で結構なマッピングができた。しかし魔物の素材があまり集まらないので、次回からは殺した魔物は回収することに決めた。












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