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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

神様の魔族観察記

作者: 涙

魔族という存在を知っていますか?

いろいろな系統がありますが、簡単に言うと


①その世界、星、国等において最も力が強い。

②繁殖力が高い。

③その世界、星、国等を滅ぼそうとしている。



細かいところはおいておくと、こんな感じでしょうかね。


魔族がいる場所、また近い場所はだいたい悲惨なことになっています。


その場所によって状況はいろいろですが。


ある国では、魔族は他の全ての生き物を補食します。

とある場所では、魔族によって数千を越える種族が滅ぼされました。


更に、とある星では……。





でも、ちょっと物を考えられる者なら皆不思議に思うんじゃないでしょうか?

そう。


『本能のように、全てを滅ぼそうとするのに、何故自分達はそこまで栄えているのか?』




答えは簡単です。

魔族は魔族として生まれてくる訳ではなく、魔族に『なる』からです。


補食するにしろ、征服するにしろ、故意ではなく、不測の事態だったにしろ。

己の種族以外を絶滅状態にすること。

した『後』のことを考えず──考えたとしても、引き返さず──結果的に、己の種族さえ滅亡させてしまう種族。

それを便宜上、魔族と呼んでいるのです。








では、具体的にとある魔族を見てみましょう。

その魔族達は『地球』と呼ばれる星に住み、自らを『人間』と称しています。

管理する神も勿論いるのですが……なかなか苦労してますね。

たまに覗くだけの私とは、大違いです。


預言者や神官、巫女と呼ばれる、私達の声を聞きやすい者を通して、いろいろ助言したり。

闘いではなく、話し合いで解決することを良しとする種族を作ったり。




でもなかなか上手く行きません。

預言者の例で言うと──預言者の弟子が師を裏切ってしまいました。

しかも、他の弟子の荷物に銀貨を入れて、罪の擦り付けまでする念の入れようです。

確か……預言者がイエス、罪を着せられたのがユダ、でしたかね?

あの子達は可哀想でしたね。

しかも、裏切った弟子が後で教皇──最高権力者になってしまったのですから。


種族の方は……インカ?アステカ?……あれ?ハワイでしたかね?

とにかく、穏やかな話し合いを良しとする種族が、闘いを好む種族に殺られてしまいました。

そこで魔族化が一気に進みましたね。




ある程度増えると、闘いだけでは種族をまとめることなどできません。


でもね。考えてみて下さい。

今まで、闘いこそを良しとしていた種族が、いきなり変われるものでしょうか?

しかも、話し合いを良しとする種族を倒すことによって、『話し合いの因子や種子』とも言うべきものがほとんど残っていないのです。


これではなかなかに難しいと言うしかありませんね。








ところで。

その『地球』の日本と呼ばれる国に、一人の少女がいます。

魔族化を憂いて、自分諸とも壊滅させるにはどうしたら良いか、と考えるようなある意味とても魔族らしい少女でしたが。


年を重ねると、魔族の出す毒素──放射能や空気中に濃度を増して行く水銀など──の影響が最悪でも、星一つ滅ぶ程度しかないと分かってからは、落ち着きました。

これは諦めたと言うんでしょうか?



少女には巫女としての力、そして扇動者の力がありました。

望むなら、過去の宗教の教祖と呼ばれる者達のようになれたことでしょう。



しかし、少女はその道を選びませんでした。





才能とは、完全に個人の財産である、と。

その才能を生かすも、捨てるも──一生涯、封じるも、個人の自由である、と。



その少女には、本当に才能があったのです。

その道を選んでいれば。


例え、幾千幾万の屍を築こうとも、目的を達成できたことでしょう。


少女の真の望み。

己の種族を滅ぼすことではなく、己の種族が立ち直ること。

自らの過ちを認めて、歩む道を変えること。



才能を生かすことが出来なかった少女は、不幸でしょうか?


少女が代わりにしたのは、ほんの些細なことです。


一人でも多くの、ではなく周りの僅かな者達にだけ道を指し示すこと。

ほんの僅かな者達だけを確実に、魔族化という毒素から解き放つことでした。



それは、世を照らす太陽、暗闇にある月が、小さな小さな灯火になるようなもの。



苦しい修行の果てに、自在に神降ろしができるようになっても。



誰も知らない。

誰も気付くことはない。



神に祈ることを止めてしまった少女だからこそ、為し得ること。





おや。

また、管理人が頭を抱えてますね。


特効薬か猛毒か。


どちらにしても、劇薬扱いだった少女をなるべく影響力の少ないところに落とした癖に。

薬になるなら、もっと効果の高いところへ落としたら良かった、と呟いています。



仕方ありませんね。

やったことは、なかったことには出来ません。

魔族化も加速度的に広まっています。



それでも少女がその生涯を終えるくらいまでは、保ちそうです。



少女の眼を通して見た世界は、今日もとても美しいですね。

少女はまだ、世界に絶望していないようです。

生きているうちに、『核』──鍵、と呼ぶべきかもしれませんが──となる者まで、その力が届くでしょうか?




おやおや。

特効薬(勇者)を使うのですか?

まあ、確かにどこからか適当なのを連れて来るか、今いる別の種族を『目覚めさせる』のが、星を救うには早いかもしれませんね。





実在の人物、宗教に対して何かを言いたい訳ではありませんm(_ _)m

いや、話が上手く?繋がったなぁ、という出来心です(^_^;)

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