ボツ集その8
「ところで、武器は何を使うつもりかね?」
そう問われて思い出したのが、所持品の武器のことだ。
とりあえず、何があるのか見てみないと。
・所持品
·木製の剣(部類:剣)
·銅製ナイフ(部類:短剣)
·木製の槍(部類:槍)
·木製の弓(部類:弓)
·木製の槌(部類:槌)
·バンテージ(部類:拳)
·鉄の鎌(部類:剣)
·トランプ(部類:投擲)
·ひび割れた仮面舞踏会のマスク
ツッコミどころしかない所持品だが……
「とりあえずこの木でできた剣でも試してみるか」
「ほう、剣か。多くの異界人が最初に触れる武器だな。最初こそ木製から始まるが、だからといって木だからと侮るな。全力で振ればヒト族はもちろん、モンスターの頭をかち割ることになるからな。木製から次は銅製、銀製、鋼とランクアップしていくぞ。もちろん、斬れ味も上がっていくからな」
なるほど、ここで武器チュートリアルか。俺の場合イレギュラーでこの隊長さんに教わっているが、本来は別のNPCが教えてくれるのだろうな。
「他の武器も見てくれるか? このナイフはどうだ」
「ナイフか。刃の長さとリーチの長さはどうしても剣に劣る。とはいえ、相手の懐に入ってしまえば、ナイフに勝るものはあまりないな。あとは投げてもいい。流石に慣れるまでは距離を稼ぐことは難しい。だが、スキルを取得したあと鍛錬を積めば積むほど距離が長くなっていったりもする」
ふーむ、一長一短といったところか。
「槍はどうだ?」
「槍か。確かに我が部隊でも使用しているし、リーチの長さは見ての通りだ。穂先も木製だが、こちらも剣同様ランクアップしていく。更に槍は投げることも出来る。これもナイフと同じくスキルを取得すれば距離を稼ぐことが出来る。ちなみにだが、スキルがないと一々取りに行く羽目になるから注意するんだぞ」
そりゃそうだわな。
「弓」
「弓は難しいぞ。まず当てるのが難しい。矢も使い切りだということを考えれば、まずオススメはしないな。ギルドで初心者向けの練習場がある。まずは的に当てることから始めた方がいい」
他のゲームだと上手い具合に使っているイメージがあったが……なるほど、そう言われてみれば確かに。
「槌」
「これは木製の槌か。中々見ないものを持っているな。剣と違って槌は潰すことに特化している。中々に爽快だと聞いたことはある。これも木製からランクアップしていく類だな。ちなみに機械人に頼んで機械製の槌なんてあるそうだぞ」
機械人か。キャラメイクの時、一覧に載っていた種族だな。
「バンテージ?」
「布だな。ようは己の拳のみで戦うということだ。拳に巻き付けて怪我をしないようにするものだ。ランクアップで精々拳に巻き付けるものから握るタイプに変わるだけだと聞いたな」
トンファーとかになるのかね?
「これは……鎌か?」
「鎌か。畑作業などでよく見かけるが……このサイズは見たことがないな。すまない、教えることはできなさそうだ」
「いや、そりゃいいが……となると、このトランプもか」
「トランプ? 遊ぶのか?」
「……いや、なんでもない」
投擲武器っぽいんだが……どう使えと……?
「さて、説明はしたがどの武器にするつもりだ? もし他の武器の説明が聞きたかったらまだ説明するぞ?」
「なら魔法ってあるのか?」
「魔法か。あれはギルドで登録して初めて使えるものだな。魔道士ギルドで登録すれば、魔法も召喚も使えるようになる。ただ勉強を頑張る必要があるみたいだがな……」
火を起こす原理とか学ぶのか?
「わかった。それなら」
武器チュートリアル。
トランプは相も変わらずあの人がこっそり仕込んでいました。




