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ボツ集  作者: からくり
20/36

ボツ集その20

「で? 説明はしてくれるんだろうな、クラン?」

「いだだだだだだだだだ! せ、説明するからこの手を退けででででででででで!」


クランに連れ去られた先は街の外。

そこには確かにトリムがいたし、ついでにレイシオもいた。


「お前、ソレが誰か知っているのか?」

「ソレ呼ばわりされる道理は……まぁ、あるか!」

「あるのか……」


呆れた拍子に、ヒョイっと抜け出して何故かドヤ顔を披露するクラン。


「それよりもお前はどうしてここにいるのだ?」

「んー? 元々ボクはお兄さんと一緒に行動するつもりだったんだよ? 面倒な会議を終わらせて、パパっと準備を終わらせて、ジーッとお兄さんの事見てたら、シレッと面倒なことに巻き込まれてるしさぁ! お兄さんはなんなの!? 勇者様にでもなるつもり?! ついでに世界も救うの!? ならボクもついでに救ってよ!!」


最後のは訳が分からんが……


「というか選ばれし者ってなんだよ……」

「……もしかして例のスキルが関係しているのか?」

「トリムちゃん当たりー! そう! お兄さんが使えるスキルには秘密があるのでしたー!」


なんでお前が知っているんだ?


「それをお前が知っている理由はなんだ。答えろ、道化師」

「やっだなー、そんなおっかない鎌を突き出さないでよ。ボクの首が身体とバイバイしちゃうじゃないか」

「……それでもいいな」

「ちょっと考えて納得するのやめなーい?」


おちゃらけて両手でバンザイのポーズを取るクランと首に掛けるように鎌の刃を突きつけるトリム。


「……頭が痛くなってきたな……」

「お前も……大変なんだな……」


テイシオに同情されるのはちょっとアレだな……


「ハイハイハイ、説明しますよ! というか、ボクも全部知ってる訳じゃないんだよ? まず分かってるのは、リベットお兄さんのスキルが関係しておること!」

「頂きを目指す話のアレか?」

「うーん、具体的には少し違うと思う。ボクが調べたら『何れは神殺しに至る』って出たし」


トンデモ発言がでてきたな?


「神殺し……」

「ちなみにリベットお兄さんで10人目なんだよね、そのスキル持ってるの」

「そんなに少ないのか」

「まぁね。でもおかしいんだよね、リベットお兄さんみたいにスキルが使えない人は見た事がないし、かと言ってあんな風に変身する人も見たことがない……」


謎だらけだな?


「スキルに関しては分かるぞ」

「はい、トリムちゃん! どうぞ!」

「……私が渡したのはあくまで一時的に使えるようになるだけのものだ。相性云々は賭けだったがな」

「最悪コッチがコテンパンにされてたってわけだ」

「なるほどなるほど……うん、分かった!」


ピコンと頭の上に電球をだして光らせるクラン。

なんだ、それは?


「じゃあ、リベットお兄さん。ボクの取っておき、使えるようになりたくない?」

「いや、別に……」

「はーい、決定! んじゃちょっと失礼を」

「おいバカ、待てやめろ、何処をさわ、ろうと、してるんだ、っ!」

「あ、ば、れ、ない、の! 確か……ここに……あった!」


クランがわざわざ身体をまさぐってまで取ろうとしたのは、ひび割れた仮面舞踏会マスク。

最初の村で買ったやつだな。

というかどれか言えばよかった話だろ……


「おい、トリム。コイツ何とかしてくれよ」

「承知した。一先ずその首弾き飛ばそうか」

「待って待って! これにはとんでもなく深ーーーーーくない事情があってだねぇ!」

「ねぇじゃねぇか! 無駄にまさぐられた分損したわ!」

「え、じ、じゃあ……ボクの身体……好きに、して……いい、よ?」

「言質は取った。その首今すぐ弾き飛ばし、身体を3枚におろしてやろう」


そんなやいのやいのしている俺たちを見て


「……これもまた人生、か」


なんて呟いているテイシオは知らん。

こっちのクランは活発的なんですね。

向こうなら絶対こんな事しない......はず

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