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ep8

異世界人の地球への次元転移計画を知った灯里と、

言葉を持たない妖精のような男の子は、

図書館を出て港町に戻ってきた。

「光る板」から得た情報は、

想像以上に深刻なものだった。

自分たちの故郷が危機に瀕している。

しかし、

どうすればその巨大な計画を阻止できるのか、

具体的な方法はまだ見えてこない。


灯里は、

一人で、

あるいは男の子と二人だけでこの問題に立ち向かうのは難しいと感じていた。

異世界人の技術力は未知数であり、

彼らがどのような手段で次元転移を実行するのかも不明だ。

対抗するためには、

この異世界のことをもっと知る必要がある。

そして、

自分たちだけでは持ち得ない力や情報を持つ、

協力者を見つける必要があった。


「ねえ、どうしよう?誰か、私たちに協力してくれる人、いないかな…」


灯里が不安げに呟くと、

隣を歩く男の子が灯里の服の袖をそっと引いた。

男の子は灯里の顔を見上げ、

その澄んだ瞳でじっと灯里を見つめた。

言葉はなくても、

男の子も同じように、

誰かの助けが必要だと感じているようだった。


協力者を探すにあたり、

灯里はまず、

この異世界について詳しい人物に話を聞くのが良いと考えた。

図書館で「光る板」を見つけることができたのも、

港町で古参の船乗りから図書館の噂を聞いたからだ。

この町には、

もしかしたら異世界や珍しい物品について詳しい人物がいるかもしれない。


灯里は港町の通りを歩きながら、

周囲の人々に注意を払った。

旅人らしき人物、

学者風の人物、

あるいは何か秘密を抱えていそうな雰囲気の人物。

誰に話しかけるべきか、

見当もつかない。


そんな中、

灯里は町の片隅にある小さな骨董品店が気になった。

店の前には、

見たこともないような奇妙な品々が並べられている。

もしかしたら、

この店の店主なら、

異世界に関する何かを知っているかもしれない。

あるいは、

「光る板」のような珍しい物品について、

何か手がかりを持っているかもしれない。


灯里は男の子と顔を見合わせ、

意を決して骨董品店の扉を開けた。

扉の向こうからは、

古びたものの匂いと、

カランコロンという鈴の音が聞こえてきた。

協力者探しの第一歩として、

この骨董品店が、

灯里と男の子に新たな出会いをもたらす予感がした。

異世界人の脅威に対抗するための、

長く険しい道のりが、

今、始まろうとしていた。

第1章はここで完結です。

第2章をお楽しみに。

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