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ep6

港町の外れにある古い図書館は、

町の喧騒から隔絶されたように静まり返っていた。

石造りの建物は蔦に覆われ、

長い歴史を感じさせる。

灯里と男の子は、

その重厚な扉の前に立った。


扉を開けて中に足を踏み入れると、

鼻腔をくすぐる古書の匂いと、

静寂が二人を迎えた。

高い天井まで届く本棚には、

埃をかぶった無数の書物が並んでいる。

窓から差し込む光が、

空気中に舞う塵を照らし出していた。


灯里は男の子と顔を見合わせ、

期待と少しの緊張を胸に、

図書館の中を進んだ。

噂の「光る板」はどこにあるのだろうか。

手分けして探そうと男の子に提案しようとしたその時、

男の子がある一角で立ち止まった。


男の子が見つめているのは、

他の本棚とは少し離れた場所に置かれた、

石の台座だった。

その台座の上に、

目的の「光る板」は置かれていた。

それは、

前に手に入れた金属片と同じ、

不思議な輝きを放つ素材でできていた。

大きさは両手で抱えられるほどで、

表面には未知の文字や記号が刻まれている。


灯里は息を呑んだ。

これがあの「光る板」。

男の子もまた、

真剣な表情で板を見つめている。

男の子は恐る恐る、

その板に触れた。


すると、

「光る板」は一層強く輝き、

男の子が持つデータ端末もそれに呼応するように光を放った。

データ端末の画面には、

新たな記号や図形が表示され始める。

どうやら「光る板」は、

データ端末と連動して情報を表示する装置のようだった。


灯里は男の子に促し、

データ端末を使って「光る板」の解析を試みた。

男の子がデータ端末を操作すると、

画面の記号が変化し、

一部が灯里にも理解できる言葉に変換されていく。

それは、

異世界の技術や歴史、

そしてある「計画」について記されているらしかった。


解析は始まったばかりだが、

この「光る板」が異世界の、

そしておそらく男の子自身の秘密を解き明かす鍵となることを、

灯里は確信した。

図書館の静寂の中で、

灯里と男の子の新たな探求が始まった。

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