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おいしい短編集

ブランデー

作者: シリウス

恋をお酒のようだとするならば。


童話の、夜、熱でうなされる子の優しい眠りを誘う、少しブランデーの入ったミルクを飲んでいるようだ。

それともあれはただのホットミルクで、私の勘違いなのだろうか。


うつらうつらしながら、ふと笑ってしまうような、優しい夢を見ている。


大人になって、お酒を飲むようになって、いつかあの味を懐かしく思うのだろうか。


感情には簡単に名前がついてしまう。

つかなければ苦悩となり、ついてしまえば居心地が悪い。


少しずつ大人になるにつれて、その居心地の悪さにも慣れるのだろうか。

そうだとすれば、この優しい夢もただの夢となってしまうのだろう。


それがいいのだ。


その純粋で暖かいまま、記憶に永遠に保存されて。


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