北村一樹という人生の幕閉め
俺の人生は文字通り"最悪"の人生だった。
俺の両親は俺が2歳の頃に他界した。それも2000万の借金
という今の俺じゃ到底払うことができない額を残して。祖父母も俺が生まれる前からいないし、俺は15歳まで親戚の家に預けられた。だが、その親戚も借金していたしパチンコばっかしてるいわばパチンカスだった。そして飛んだ。
過去だけの話はやめよう。俺の今、トラックに轢かれる直前だ。何故、昔のことを思い出してるのか。これが走馬灯なんだろうなと俺は確信した。そして"死んだ"。
俺の人生は何だったんだろうか、何のために生まれたのだろうか、何故俺は幸せになれなかったのだろうか、出来るならこの記憶を残したまま転生してみたいな、ちょっと前に見たラノベみたいに。
「成程、こうやって魂も奪えるんですね。安心してください。あなたの魂はそのままで私の"世界"に送ります。もちろん、ちゃんとお詫びもしておきますからね。」
そんな変な夢みたいなものを見ながら俺は暗闇に落ちていった。
(何時間経ったのだろうか。暗闇の中に少しの光を感じる。目は...あれ開かない?言葉は...喋れない!?どうなったんだ!?)
「良かった、ちゃんと産まれたな」
「ええ、本当に良かったわ」
(なんだ?なんか声が聞こえるな。喋れねぇけど声出してみるか)
「おぎゃー、おぎゃー」
(ん?え、ちょっと待て、俺今赤ん坊に生まれ変わってる!?)
「お前は今日から俺たちの子だ。」
「ええ、そうね。名は...ユーグリムド」
「ユーグリムド・エルメシアか、いい名前だ。」
そう俺は今生まれ変わった。"北村一樹"という存在の人生は終え、俺は"ユーグリムド・エルメシア"という存在として生まれ変わった。
(本当に生まれ変わるとはな、でもこの世界では俺は幸せになってやる。前の人生のことなんて知るか、俺は"ユーグリムド・エルメシア"として最幸の人生にしてやる。)
この小説は毎日連載はできないかもしれません。毎週は更新していきたいですが。