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櫻井さんと僕  作者: ねこくま
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 告白する心の準備なんて持ち合わせていなかった。あなたの事を好いている人間がここにいる、ただそれを伝えたかった。


 その時、着信音が鳴り響く。

 「あ、ごめんね。私だ」

 桜井さんが電話に出る。


 「もしもし」

 「桜井、遅い。早く来てよ。」

 「あ、ごめん、ごめん。」

 「帰っちゃいそうなのよ。イケメン男性陣が」

 「はいはい、もう近くにいるから」

 「お願い、早く来て。」

 「了解」


 そう言って彼女は電話を切った。

 「ごめんね、高坂さんが速く来なさいって。そろそろ行こうか。」

 「はい。」


 今度は僕から手を差し出した。

桜井さんは僕の手を取ってくれた。

 「水野君、道分からないでしょ。」

 「あ、はい。」

 かっこよく彼女の手を引いて走りたかったのに失敗だ。

 「よし、行きましょうか」

こうして僕たちは二人きりで手を繋ぎ、居酒屋まで向かったのであった。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

一人でも多くの方に読んでいただける事が励みになっております。

まだまだ至らぬ点が多くあると存じますので、お気軽に感想をお送りいただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。

次回をお楽しみに。

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