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「ほら、仕事始めるぞ」
小野寺部長がオフィス中のざわめきを収める。
「今日は飲みに行くぞ」
「え?部長の奢りですか?」
高坂さんが尋ねる。
「安心しろ、今日は割り勘だ。」
小野寺部長は爽やかな笑顔でそう言い放った。
シーーーン。
社員は全員黙ってデスクに向かった。
「よし、では諸事情により参加出来ない者は私に声をかけて欲しい。」
小野寺部長はそう言い放ったのだった。
昼休み。
桜井さんが一つ後輩の塩田さんと話している。
「桜井さん、どうします?飲み会」
「私、あんまり飲めないからなぁ」
「行きましょうよ。皆さん喜びますよ。」
「うーん。そうだね。じゃあ行こうかな。」
桜井さんは少し悩んでそう答えた。
「今回は新入社員の歓迎会も兼ねてるしね。」
「そうそう、桜井が来ないとあのイケメン新人君たち来ないかもしれないでしょ。」
高坂さんが会話に割り込む。
「はいはい、職場の飲み会は合コンではありません。」
「でも、私は年上がタイプなんだよね」
「年上?じゃあ後輩たちは恋愛対象に当てはまらないじゃない。」
「イケメンは別なの」
「ええ?」
「とにかく、絶対来るのよ。分かったわね。」
「絶対よ」
「大丈夫。ちゃんと行くから
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