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「桜井、どうしたの?今日遅かったみたいだけど。」
「寝坊しちゃったの。」
「へえ、珍しいね、あんたが寝坊するなんて。」
「あはは、間に合ってよかったよ」
桜井さんが同僚の女性社員、高坂さんと仲睦まじい会話を交わす。
「よお、水の」
「さ、佐藤君、おはよう。」
「おはよう、じゃねえよ。なんだよ、お前、抜け駆けか?」
「え?」
何の事だろう。
「桜井さんと密室って羨ましすぎるぜ。」
「ち、違うよ。あれは偶然で」
「はいはい、分かってますよ。偶然を装った計画的な犯行なんだろ?」
だから、全然違うって」
「違うって何がだよ。お前、桜井さんと絶対あの密室の中で何かあっただろ」
「密室って言うけど、別にただのエレベーターだし。特別な事は何もないから」
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