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「おはよう。水野君」
「おはようございます。」
不意に彼女が近寄って来る。僕の顔はみるみる赤くなった。
「大丈夫?」
「はい?」
「顔赤いよ。熱でもあるんじゃない?」
そう言って、彼女は僕の額に手を当てる。
「あ、あの、大丈夫ですから」
「うん。熱はなさそうね。」
「ありがとうございます。」
「あ、まだじっとしてて、寝ぐせと襟元直しちゃうから。」
「はい、出来ました。」
彼女はそう僕の耳元で囁いた。
「今日も頑張りましょうね」
「あの、桜井さん、ありがとうございました。」
そう例を言いかけた時、エレベーターが止まり、ドアが開く。
「あ、桜井さん、おはようございます。」
「おはよう。」
「彼女は笑顔でそう答えた。
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