06:新しい仲間と骨のある刺客
満月が映る日の夜。鎧の音が空に響き渡る
その鎧には血が大量に付着しており、列を成して歩行している。列のちょうど真ん中くらいには他の軍団とは違う、鎧を纏っている兵士がいる。
「この恨み……晴らしておくべきか……」
その真ん中の兵士が目を光らせそう言った。
新たな王となった竜生は、晴天の下。本を読んで過ごしていた。
「……今日は平和やのぉ…」
竜生が城の王室の窓から街を眺める。街の外は相変わらずボロボロだが、かなりボロさは無くなってきた。悪魔と人間が仲良く共存している。
外からノックする音が。
「失礼します。」
「おう。入れ。」
入ってきたのはダイアモンド元王だった。ダイアモンドはあの日以来ゴリゴリのマッチョのまんまだった。
「おっと……これは」
竜生は、王にタメ口を言うのをちょっと躊躇っていたため、王が入ってきて少し驚いた。
「なんでしょう?別に私は貴方様よりも偉い存在ではないので、タメ口なので大丈夫ですよ。」
と、不思議そうな顔で言う。
「そ、そうですか……じゃなくて、そうか……で、なんの要件だ?」
「はい。西の方角から、蜘蛛の魔獣が攻めてきたそうで。」
ダイアモンドが厳しめの表情で言う。
「そうか……なら、リヴァ。いるか?」
と、竜生は、後ろの方に問いかけるように、リヴァイアサンのことを呼んだ。
「はい。いつも貴方様の近くにおりますよ。」
と、背後から変わった衣装のリヴァイアサンが出てきた。
「……なんだ。その衣装。」
竜生が不思議そうに言う。
「はい。この衣装は城の衣装室にあったメイド服に、動きやすい柔道着を組み合わせた物なんです!にあってますか〜?」
と、ポーズをとるリヴァイアサンに竜生は、似合っているぞ。と返答。
ダイアモンドが
(なぜその組み合わせになったのだろうか?)
と、思うのだった。
「まぁ、とにかくだ。どうやらどっかの組の蜘蛛集団が俺らとアヤつけに来たらしい。行ってこい。」
と、リヴァイアサンに指示する。
「承知!」
するとリヴァイアサンはスっと姿を消したのだ。
西の方ではレンソ王国の兵士が剣を構えて、蜘蛛の集団を追い払おうとしていた。
「く、来るなー!来たら殺すぞ!」
1人の兵士が震えながら声をあげる。そこにいる兵士は4人だ。
「ハハッ!人間ごときが!この蜘蛛の王!イートハク様に勝てるとでも?!」
その蜘蛛はとてつもなくデカく。気持ち悪い顔をしていた。
「ひぃぃ!」
兵士が怖気付いて、逃げかかっていたが、そこにリヴァイアサンが現れた。
「あん?なんだおま……うぇ?!」
イートハクがとてつもなく驚いた。
「私の国王に……手を出すなぁ!」
リヴァイアサンが魔法陣から、紫色の光線を放って蜘蛛の軍団を一掃した。
「ぐうぇぇぇぇぇ!」
その光線の威力が強すぎて、地面やそこらの木まで削れてしまった。
「さて、帰ったら竜生様に褒めてもらいましょ!」
また、リヴァイアサンはスっと消えてしまった。
そのころ王室ではガリレオが竜生に街や周りの状況などの報告をしていた。
すると王室の扉が思いっきり開いた。
「竜生様〜!無事任務完了致しました〜!」
と、リヴァイアサンは竜生に抱きついた。
「ほらほらー!褒めて下さいよ〜!」
と、リヴァイアサンは胸と顔を竜生にスリスリさせる。
「お、おう。よく頑張ったな。」
竜生は苦笑いで答える。
すると1人の兵士が息を切らしながら慌てて何かを報告しに来た。
「申し上げます!我々の王国の近辺を探索していたエステス様率いる魔法軍団がガイコツ兵士達に襲われているとゆう報告を受けまして、竜生様にご報告致しました!」
竜生、ガリレオ、リヴァイアサンが目を膨らませ
る。
「なるほど、承知した。すぐ向かう。ガリレオ!リヴァ!着いてこい!」
竜生が歩き出すと共にガリレオとリヴァイアサンが着いてきた。
「くっ…!なんなのこのガイコツ達!全然死なないじゃないの!」
エステスがガイコツ達の攻撃を避けながら魔法攻撃を連発している。
「喰らいなさい!炎光線!」
ガイコツの頭に命中するが、すぐにガイコツ達は立ち上がってしまう。
「あーもうっ!なんでなのよっ!」
エステス達は魔法攻撃を連発するも、すぐに立ち上がる為、すっかり囲まれてしまった。
「はっ!しまった!いつの間に……!」
ガイコツ達は皆口々にこう言う。
『この恨み晴らしておくべきか。』
『この恨み晴らしておくべきか。』
エステス達は何も攻撃出来ずにいた。
すると、奥のガイコツ達が、次々に倒れてゆく姿があった吹っ飛んだりしているのもいた。その正体は、ガリレオだった。
「うぉぉぉ!突進!」
まるでイノシシのように軍団の中に突進してきたガリレオだった。
そして空中からは、竜生とリヴァイアサンが攻撃準備をしていた。
「はぁ!くらいやがりな!骸骨共!光連射銃!」
竜生が唱えた魔法は、光の円から光の玉が発射される魔法だった。
「暗黒烈火!」
リヴァイアサンの魔法は、紫色の円から炎の玉を出す魔法で一掃した。
「エステスの姉御!大丈夫ですか?!」
エステスは今では王国の大臣となっており。リヴァイアサンは秘書。ガリレオは兵士団長。
「え、えぇ。大丈夫……ですよ…」
エステスがぎこちなく答える。ガイコツ軍団はまだ蘇る。竜生が倒そうと前に出たがリヴァイアサンが
「ここは、私にお任せください。」
と、出るが、
「いや、まてリヴァ俺がとっておきを見せてやる。」
と、ガイコツの前に出てガイコツの体に手のひらを当てる。
「ア?」
ガイコツは不思議そうに竜生を見る。
「返還。」
と、魔法を唱えると。
「ギャァァァァス!」
と、ガイコツが粉々になった。
その魔法を見てガイコツ達は後ずさりするも、エステスの軍団達は驚いていた。
「さすがです!竜生様!」
とリヴァイアサンは目を輝かせながら言う。
するとガイコツの軍団の奥からどけ。と言う男の声が聞こえた。
「貴様。なぜその魔法を?」
奥から出てきたのは、かなりごつく、少し青がかってる、他のガイコツとは違う見た目をしているリーダーのようなガイコツが出てきた。
「なんだ。おめぇさんがこの組のリーダーか?」
と、竜生はその兵士を睨み質問する。
「うむ。強いて言えばそうだな。」
ガイコツ兵士がそう答えると背中の大剣を取り出した。
(ほう。こいつ俺と戦う気やな……上等じゃ!)
そうここの中で思っていると、そのリーダーらしきガイコツは大剣を竜生の脳天に当たるように振ったが、竜生は軽々と避けてしまった。そして竜生は、ガイコツに飛び乗り首をへし折った。
「なに?!」
そして背中の方におり、ドロップキックで森の方へぶっ飛ばした。
すると、地面に落下した頭が
「よくも、私の体を吹っ飛ばしてくれたな!この恨み!晴らしておくべきかぁ!」
と、残った頭から黒い煙がでて、黒いガイコツの軍団を作り出して攻撃させたのだ。
「あのガイコツ幻影魔法も使えるのね。」
エステスが竜生との戦いを見て言った。
だが、竜生はその煙達を何事も無かったのように消し炭にした。
「なっ?!くそぉ……」
竜生達がその頭に近寄る。
「あっ……。」
と、ガイコツの頭は言葉が発せなかった。
「さて……どう落とし前つけてくれようか……」
そのガイコツの頭に言う。
夕方町はワイワイと賑やかな雰囲気が漂っている。
城の客室では、あのリーダーらしきガイコツが竜生と対面で座っていた。竜生の隣にはリヴァイアサンがいる。
「よし。まず、俺らの軍をなぜ襲ったのか聞こう。」
竜生はそのガイコツに質問する
「あぁ、あの赤髪の女性の髪型が生前の私の妻と同じ髪型でな。つい自暴自棄になってしまって……申し訳ない……」
ガイコツは下を向いて謝った。
「なるほどなぁ……で、その女に恨みがあるのか?」
と、竜生が質問すると、さっきとは違う、怒ったような口調で言う。
「あいつは……あいつは……!」
と、ガイコツが生前の出来事が映る炎の中にツインテールの女と、その奥に黒衣をおおった人がいる。
「……わかった。言わなくていい。」
竜生が危険を察知したので、ガイコツのことを止める。
「……そうだ。お前その女を倒したいなら、俺らの仲間にならねぇか?」
ガリレオ達が驚く。
「い、いいんですか?相手は我々を襲ったやつですよ?」
ガリレオがそう言うとリヴァイアサンが決めるのは竜生様です。と言ってきた。
「で、どうなんだ?ガイコツさんよぉ……」
と、竜生はガイコツに質問するが…
「少し外を散歩しに行く……」
と、いい客室を出ていった。
森の中ガイコツの兵士は考えた。
(俺があの女をたおすか……何処にいるかも分からないのに……でも、アイツらと旅をしてその過程で……)
と、しばらく考えた後に。
「……よし。」
と、いいダッシュで竜生のいる所へ目指した。
ーー翌日ーー
何やら竜生が台の上に立ち朝の朝礼かなんかを始めていた。
「さて、紹介しよう。新たな仲間へルビーだ。みな、よろしく頼むぞ。」
と、ガイコツの説明をすると、みんな承知!と大声で返事した。
そして、へルビーが台の上に上がると自己紹介をした。
「私はへルビー・リコン私は竜生様に忠誠を誓った!皆の衆!よろしく!」
と、へルビーが自己紹介をすると、拍手喝采が起こった。
そして、竜生と、へルビーが手を結んだのだ。
その夜旅人らしき3人組が森を放浪と、していた。
「なぁ、いつ着くんですか〜その黄金のリンゴがあると言う場所は」
ある1人の男がため息をつきながら言う。
「もう少しだ。我慢しろ。」
1番前に出ている男が言う。
「ほんとにそんなのがあるのかよ……」
さっきとは違う男が言った。
男達が話していると、目の前の木から気配がした。
「?!」
「なんだ?!」
「?!」
ガサガサと周りの木々が揺れる風も吹いてないのに。
男たちが魔法を構える。
突然音が止まる。ほっとしたのもつかの間上空から、猫のように素早い手さばきでその男達を一掃していった者がいた
その者は鋭い爪を持っている女だった。