第一章 魔法のある世界 3 A Pretty Girl Came to His Room
はい、第三話の投稿です。
この話は一話当たりが短いですね。あとサブタイトルはGoogle翻訳とかをもとにしてその場で作ってるので文法ミス等あれば教えてください。
それといつも通り感想・評価等くださるとうれしいです。
それでは本編をどうぞ!
3
光線の存在は触れて感じることが出来ない。
しかし、肌に伝わる微弱な温度から、非常に繊細で心地よい陽光だということが分かった。
さて、俺は目を開けた。そこには美少女の顔が間近にあった……みたいなことはなく。
俺は普通にカーテンから漏れる陽光を眺めながら目覚めた。
次に時計を見る。六時半という時刻を示す、妙に現代的なデザインの時計があった。
この文明レベルから見るに、やはり近代くらいの異世界らしい。ゲームデザイン本にも、中世ヨーロッパとよく言うが実際は近世以降の世界の方がストーリーを構築しやすいと書いてあった。
それにしても、と俺は自嘲気味に考える。
異世界に来てから女の子のことばかり考えてるな、俺は。
俺は顔も洗わないまま、何となくドアの外を見ようとしてドアノブに手をかける。
そして――。
ドアの外には美少女がいた。
「あっごめんすぐ顔洗うからちょっと待って」
よく分からないことを口走る俺。
「あ、あのー」
「ちょちょ、タンマ……」
「い、いえ……」
「すぐ終わる!」
勝手に洗面所へ駆け出そうとする俺の手を、少女が掴んだ。
「顔洗う前にかくまってよ!」
しばし硬直する俺。
「いや、だから、かくまって、この部屋に! 狙われてるの。捕まるかもしれない。だから、ここにかくまって!」
そう言われて、俺もようやく事情が飲み込めた。
「分かった。どこに?」
「ここ!」
そう怒鳴って少女が隠れ、俺が扉の鍵を閉め直した直後。
複数の足音が部屋へ接近してきた。
そして、堂々と俺の部屋のドアをノックする。
「はい」
扉の外にいたのは、転生前に追い回されたのとよく似たガードマンのような男たちだった。無論格好は時代設定通り、といっても今より少し洒落ていて、中のシャツが白いくらいだが。
「すみません。万引き犯がこの建物内へ入っていきましたが、ご存じありませんか」
万引き? 男の言葉に確証は持てないが、もし本当だとしたら後で警察へ引っ張っていこう。
ともかく俺は寝ぼけたような雰囲気を意図して出しながら応対する。
「さあ。……ああ、さっきどたばたという音で目が覚めたけど、あれだったんですね」
「はい。常習犯のようで今度こそ捕まえてほしいというお願いも来ております」
「分かりました。見かけたらお伝えします」
男は部屋の中をチラリと見て言った。
「まさかとは思いますが、あなたが寝ている間にこの部屋に入ったかもしれません。この辺りまで足音が来ていましたから。もしよければ部屋の中を少し拝見させていただけますか」
断ったら疑われるパターンだ。俺は、プライバシーに踏み込まれるのは嫌だけど怪しいことは特にないしいっか、という雰囲気を作った。
「うーん、まあ、いいですが」
「分かりました。では失礼します」
男たちはそう言ってずかずかと入り込んでいったが、プライバシー保護の観点からあまり踏み込んだところまでは捜索しなかった。
「とりあえずいないようだ。帰るぞ。――ご協力ありがとうございました。では失礼いたします」
そう言って男たちは去っていった。
念のため数分間待ってから、少女を呼ぼうとしたが、言う直前に自分から出てきた。
ベッドのマットレスの下から出てきた。
「おいお前、ただの万引き犯なのか」
少女はほんの少し考えるような表情を見せた後、すぐに宣言した。
「その通りよ!」
「じゃ、ついてこい」
俺は問答無用で少女の手を引っ張る。
「どうしたの? カフェでも行くの? そんなことして惚れさせようって行っても無駄よ」
「馬鹿か。警察行くんだよ」
タイムラグ。
「はぁ? なんでよ! 何でそういう展開になるのよ! あんた見かけによらず熱心な愛国者なの?」
「いいや。万引きだったら悪いのは完全にお前だ! ついてこい! 褒賞金は貰えなくても割引券くらい貰ってやる!」
すると、少女は急に力を緩め、引くような素振りをした。
「え……あんたって結構エロいのね」
「どうしてそうなる?」
「あたしが万引きしたお店は、その、エロ本の店よ」
「はぁぁぁあ?」
ならエロいのは相手の方じゃないか。そこまでして買いたいエロ本があったのか。て言うかエロ本って大部分は女子の画像だぞ。女子の肌見て興奮するタイプなのか、この少女は。
「ちがうわよ。目当てはエロ本じゃなくて、その……人には言えない、もの……」
「やっぱエロいな」
そして俺は再び手を引っ張る。が、以外にこの女、腕力ある。なかなか思うように引っ張れない。
「おとなしくしろ! この不良が!」
「誰が不良よ!」
「黙れ。お前のその服、結構いいやつだろ。どうせいいとこのお嬢様で両親がいない内にいろいろやってんだろ!」
「ううう……」
あ、こいつ、反論できなくなった。
「うあー! ミリポに捕まってたまるかー!」
「なんだミリポって」
少女は目を見開き、一瞬だけ力を抜いた。その隙に俺は相手の襟をつかむことに成功した。
「おりゃあ!」
どすっという音と共に少女が床に投げ出された。見れば少女の着ていた短パンは今にもずり落ちそうであり、服は中のシャツまでめくれて腹チラになっている。服の襟元は俺がつかんだせいでシワだらけだが、なかなか扇情的だ。
「うう……ひどい」
俺は彼女が立ち上がる前に彼女の体を抱え、床から持ち上げて運ぼうとした。建物を出るまではよかったが。
「案外重いなお前」
しかも腕の中で暴れやがる。
「うっさい!」
バタバタしていた手が俺の顔を直撃した。
*
「おい、なんということをしてくれた」
「何かね。私はこれまでまっとうに業務をこなしてきたつもりだが」
「あなたが審査をした少年は、重大な機密を握っているんだぞ」
「はん? 私はその類いの業務をやったこともあったが、あの少年はどう見てもそういう類いの人間じゃないよ」
「そういう問題じゃないんだよ。外見に関係なく、奴はこの国、いや、世界規模の重大な機密の関係者だ。殺しはしないとしても町んなかをぶらぶらさせとくのはまずい」
「そういうものかね」
「そういうものなんだよ」