表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/37

気鋭

2杯目のドリンクで、彼らの高校時代の話やインディーズ時代の話を聞いた。3杯、4杯目でマシロさんの飼っているネコの名前を教えて貰ったところで、コウイチさんが寝てしまっているのに気づいた。


「コイツ、酒弱いからな~。ちなみにサナダも弱い。」


マシロさんが寝ているコウイチさんにキャップを被せる。


「おい、起きろ!今日は帰るぞ!」


ユッキーさんがコウイチさんを揺さぶる。


「いやだ!帰んない!」


目は閉じているのに口調はハッキリしている。マシロさんとユッキーさんがコウイチさんを無理矢理起こして部屋を出た。お会計を済ませると、先程サインをあげた店員が出てきて「ありがとうございました、頑張ってください」と、声を掛けてくれた。ユッキーさんがコウイチさんを肩に抱えていたので、マシロさんが代表して、「ありがとね」と彼女に手を振った。


店を出ると先程より人通りが多くなっていた。なのに彼らのオーラが際立っていて、いつファンに声をかけられてもおかしくない状態になっていた。事実、店の前で立っていると、ヘッドホンをしている若いお兄さんが、二度見しながら向こうへ歩いていった。


わたしはこの後、母の会社の事務所へ寄って、一緒に帰ることになっていたので、ここで別れの挨拶をした。


「今日はありがとうございました。ライヴの本番、気合い入れて頑張ります!」


「こちらこそ、付き合ってくれてありがとうね。俺らも玲香ちゃんと演奏すんの、楽しみにしてるから!」


マシロさんが服にぶら下げている、メガネをかけた。


「最高のステージにしよう。」


ユッキーさんが言った言葉に、朦朧としながらもコウイチさんは親指を立てこちらを見た。「お疲れ様です」と言って、この場を後にした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ