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安宅と小早の士官学校生活

安宅目線―――

小早は最初ただの後輩だった。入学式で見かけた。不安そうな顔をした一年生の一人だった。

次に小早を見かけたのは、自主練習の時間。たまたま桜木教官にしごかれてる1年がいて見たら、その子だった。

その頃中山教官が「才能はあるのに体の動かし方、才能の使い方が分からない子がいるんだよ」と言ってた。あぁ、あの子のことかな?服の胸元の名前を見る。王子小早。小早ちゃんか。


夏頃、中山教官の元に用があって行ったら中山教官が必死に調べ物をしていた。あの子が中山教官の担当となったという。

「安宅、お前の後輩になる王子小早ちゃんだ。」

「こんにちは。王子小早です。」そう言った子は、少し声を震わせ、固く挨拶をしてきた。そんな緊張した姿が、素朴で可愛いと思った。訓練ではとても殻から抜け出せない。なかなか殻を破ることが出来ないヒヨコのようだ。心配で手を出したくなる。でも、こればかしは自分で乗り越えないとな。一生懸命で誰よりも努力するような子だった小早ちゃんは、放課後訓練してる姿を何回も見かけた。そして泣いてる姿も。あぁ、この子はなんて可愛いんだ。


ある日、中山教官が放課後訓練に付き合ってるのを見かけた。星が降るように沢山出ている夜。光が輝いている。あの子がすごく気持ちよさそうに飛ぶものだからまるでショーのように美しく、つい見とれていた。

「あぁ、安宅見てたのか。」

「はい。」

こんにちはと挨拶する彼女は思ったより可愛くて少し緊張する。

「そうだ、明日から安宅、見てあげてくれないか?」


くしゃっと笑う彼女…可愛い。飛ぶ時の姿や表情…美しい。飛ぶことが好きなあの子と飛ぶのは楽しくて。小早ちゃんはちょっとつまづいてるものを乗り越えたら、目をはる程に強くなっていった。それが本当に面白かった。放課後神力が余れば、他の中山班のみんなとも鬼ごっこしたり神力競走したり遊んでいた。その時も一年生とは思えないほどすぐに俺らに追いついてきた。

「小早ちゃん凄いね!」

そう言ってもらうと本当に嬉しそうで、飛び方ものびのびとしていて、みんなの妹のようになっていた。そうこうしていたら気づいたら強くなって気づいたら飛び級をしてあの子は同級生になった。


「安宅先輩!」

「小早!同じクラスなんだね。」

席も隣だ。基本的に席替えなんてないから1年間同じだな。

関は…違うクラスか。残念。

「安宅先輩あの、私正式に中山班になりました!」

「そっか。ようこそ中山班へ。あと同期卒になるんだろうからタメ口でいいよ。安宅って!」

「安宅…安宅くん」

んー、まぁいっか。

「じゃあ改めて宜しくね。」

「小早ちゃん飛び級おめでとう!」

「ありがとうございます!」

「同期卒だろ?安宅に対するのと同じようにしてや!」

そうワチャワチャしていた。そう、小早は本当強くなった。



「安宅、あいつ3位だって。飛び級だって数年ぶりの快挙だろ。それで上位3位なんて、負けらんねぇ…。」

3位かぁ…。女性の使い手でも快挙だろうな、後で沢山ほめてあげよう。そう思い残りのご飯を食べ、食器を戻しに行った。

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