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配属決定

小早目線


「王子中尉。戦闘補佐隊所属。六月から二ヶ月間北海道函館基地雪兎隊に派遣とする。」

「はい!」

「それまでは士官学校に残り、後輩育成と自身の訓練の期間とする。」


北海道…函館…。

函館基地は北海道の札幌本部の次に大きい基地だ…。

「函館基地の雪兎隊の隊長は知り合いで、お前のデータや話をしたら、是非短期でもほしいとおっしゃってな。しばらくは学校で自主訓練や後輩との訓練になるが、気を抜くなよ?」

「はい!」

プレッシャーと高揚感でつい体温が上がる。

関はどこに決まったのだろうか。

関を探すために配属先の話をされ、高揚感が隠しきれない3年生がちらほらいる廊下を見渡す。

「小早。」

「関!」

「俺戦闘補佐で天照隊に1年間行くことになった。」

「天照隊ってエリートじゃん!」

通称エリートコース。

士官学校→戦闘補佐隊(天照隊等の特殊部隊も含む)→幹部というキャリアの事を指す。

戦闘補佐隊で各地へ派遣され、様々な隊と交流をし武者修行を行う。ある程度経てばどこかの本部や基地に落ち着き、幹部への道を辿る。士官学校入学するメリットの1つとしてエリートコースへの道を辿る可能性が高まるという背景もあり、士官学校は倍率が高いが、ある程度の学力と神力で合否が決まってしまうため、エリートコースを辿る人間は時に選ばれた者のように扱われることがある。

その中でも異質な存在が特殊部隊である。

三貴子隊とまとめて呼ばれる天照隊、須佐之男隊、月読命隊の三隊とそこのOBOGから成り立つ伊弉諾隊と伊邪那美隊がある。

【特殊部隊】

三貴子隊

天照(あまてらす)隊:各士官学校首席卒業のみ入隊可

須佐之男(すさのお)隊:各士官学校からの指定推薦1名ずつのみ入隊可

月読命(つくよみ)隊:民兵、士官学校問わず試験の結果による


伊弉諾(いざなぎ)隊:天照隊、須佐之男隊、月読命隊に3年以上所属、少佐以上、各隊推薦者の男子のみ

伊邪那美(いざなみ)隊:天照隊、須佐之男隊、月読命隊に3年以上所属、少佐以上、各隊推薦者の女子のみ


士官教官:士官学校→戦闘補佐隊or特殊部隊→士官教官試験

民兵で月読命隊経験3年以上少佐以上→士官学校試験


エリートコースの中でも天照隊に行くというのに

「まぁな。小早は?」と平然と返す関を見て、何だか複雑だ。

「戦闘補佐で二ヶ月は学校待機。それから函館基地の雪兎隊になるよ。」と返すと、

「北海道か…。遠いな。」と目線が少し床に落ちる。


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