第2話「学園選択- -2- -」
学園選択会場に着いた俺たちは、あるかも分からない2つ目の受付を探していた。
「なぁガルファン」
「どうした、アクア」
「いつになったら受付見つかるんだ…?」
「さぁな」
「そもそも、本当に受付はあるのか?」
「ある可能性は高い。だが、確実にあるかは分からないな」
「可能性って……なんで高いって言えるんだよ」
「アクア、周りをよく見てみろ」
「周り……?」
ガルファンに言われた通り周りを見てみると、みんな何かの紙を複数枚持っていた。その紙を俺たちは持っていない。
「アクア、分かったか?」
「みんな紙を持ってる」
「あぁ、受付でもらった可能性がある」
「だから可能性が高いとガルファンは言えたのか……」
「その通りだ」
「それと、受付も多分この近くにあるだろうな。真新しい紙を持ってる奴等が増えてきた」
「確かに……じゃあそろそろ受付に辿り着けるってことか…!」
「可能性はあるな」
「じゃあ、進もう!」
選択会場の中心部付近、そこに向かって俺たちは歩いていた。
「そろそろ中心部だな」
「あぁ、そうだな」
そんなことを言いながら歩いていると、少し先のところに〈 選択会場受付 〉と書かれた看板が見えた。
「ガルファン、あそこに受付があるんじゃないか?」
「そうみたいだな。よし、行ってみるか」
キャーーー!
受付へ向かって歩き始めた瞬間、後ろの方から悲鳴が聞こえた。
何事かと思い、慌てて後ろを見てみると一体の魔物が暴れていた。きっと誰かの使い魔だろう。
「ガルファン……あれは…!」
「あれは『グァンティ』という魔物だ。あれはそこそこ強い。力をなかなか使いこなせていないお前では倒せない」
「じ、じゃあどうすれば……!」
「忘れたか?俺はお前の使い魔だぞ?俺はお前の命令に従う。もしあの魔物を止めたいのならば『止めろ』と命令しろ。そうすれば俺はあの魔物を止める」
「俺が…ガルファンに……命令すれば…いい…のか……………?」
「あぁ」
「わ、分かった……!じゃあガルファン、あの魔物を止めてくれ!」
「主人の命令なら、仕方がないな」
そう言った瞬間、ガルファンの姿が変わった。さっきまで小さくなっていたのに、最初に会った頃のような大きな姿に戻った。
「ガ、ガルファン…元の姿に戻ったのか……」
「あのままだとやりにくかったからな」
「そ、そうか……それじゃあ頼むぞ」
「あぁ、任せておけ」
ガルファンが元の姿に戻ったのはいいのだが、先程からずっと周りからの視線を感じる。みんな何かをヒソヒソと話ている。
ガルファンはそんな事も気にせず魔物のところに走って行き、相手に勢いよく噛み付いた。
「グガァァァァァァァア」
相手の魔物の大きな鳴き声が会場に響き渡ったり、それとほぼ同時にガルファンは元の大きさに戻りこちらへ来た。
「これでやつはもう動けんだろう」
「じゃあもう放っておいていいのか?」
「問題ない」
「そっか」
ガルファンが相手を倒すと周りの話し声がだんだん大きくなってきた。こちらを見ながら皆何かを話している。
「なぁガルファン……」
「周りが何を言っているのか気になるのか?」
「う、うん……」
「お前は気にしなくていい。行くぞ」
そう言ってガルファンは受付の方へと向かっていった。俺はそれを追いかけた。
すると突然後ろから誰かに腕を掴まれた。