第2話「学園選択- -1- -」
学園への入学条件を満たした俺は入学する学園を決めるために街にやってきた。
「ガルファン、なんで小さくなってんだよ」
「流石にいつも通りだと大きすぎるからな。このサイズが一番いいだろう」
「まぁ、確かにそうだな」
「アクア、前を見てみろ。あそこにあるのが学園を決めるところだ」
前を見てみるとそこにはドームのような建物があった。
「決めるって言っても、俺はまだこっちに来たばかりで何もしらないのにどうやって決めるんだよ」
「中で勝手に決められるんだ。だから心配する必要はないぞ」
「勝手に決められるのか。確かにそれなら心配はいらないな」
「そんなことを言っている間に着いたぞ」
「この中に行けばいいのか?」
「あぁ」
建物の中に入ってみると、そこには大勢の人と魔物がいた。多分どの魔物も使い魔だろが、それにしては多過ぎた。そこにいた人よりも魔物の数の方が少し多いのだ。
「なぁガルファン、魔物多過ぎじゃないか?」
「1人で何体も使い魔にしてるやつでもいるんじゃないのか?」
「え、使い魔って1体だけじゃないのか?」
「基本的には1体だけだが、別に何体でもいいんだ」
「そ、そうなのか」
「それじゃあ学園を決めに行くか。受付はこの奥だそうだ」
「分かった。じゃあ奥へ進もう」
奥にある受付へと向かって行くと、急にガルファンが肩に乗ってきた。しかも、さっきよりもさらに小さくなっている。
「ガルファン、どうしたんだ?」
「下にいると踏まれそうだったからな。それにこっちの方が楽だ」
「そりゃ俺の肩に乗ってりゃ楽だろうな!」
「アクア、前を見ていないとぶつかるぞ?」
「分かってるよー!」
それから歩くこと5分、やっと受付に辿り着いた。
「やっと受付に着いたな…」
「アクア、何故そんなに疲れているんだ?」
「ガルファンが肩に乗ってたから余計に疲れたんだよ……」
「そうか、乗り心地はまぁまぁ良かったぞ」
「それはどうも…」
ただでさえ人が多いのに、ガルファンを乗せていたのもあって少し疲れてしまった。すると、急に目の前に知らない女性が現れた。
「魔法学園入学希望の方ですか?」
「あ、はい。そうです……あなたは…?」
「私は受付係のフィアです。学園選択の会場までご案内しますね」
そう言ってフィアはニコッと笑い、会場まで案内してくれた。
「ここが学園選択会場です」
「あ、ありがとうございます」
「それでは私はここで」
「はい…!」
フィアはこちらに軽くお辞儀をして戻っていった。フィアの後ろ姿は人混みですぐに見えなくなってしまった。
「アクア、学園選択に行くぞ」
「あぁ」
学園選択会場は意外と広く、年が近そうな人たちがたくさんいた。みんな学園を選びにきているのだからそれは当然のことなのだが、この世界に来て初めて自分と同じ人たちを見て俺は驚いていた。
「ガルファン、まずは何処に行けばいいんだ?」
「さぁな、また何処かに受付みたいなところがあるんじゃないのか?」
「受付…?また受付を探すのか?」
「でないと、次どうすればいいのか分からないだろう。何もしないよりはマシだ」
「まぁ……たしかにそうだが…本当にあるのか?」
「そんなこと俺が知るわけないだろ」
「なのに探すのか…!」
「暇つぶしだと思えばいいだろう」
「まぁ、ガルファンが探すっていうならそうするよ」
「じゃあ探すか」
「あぁ」
俺たちは、あるかも分からない受付を探して会場内を探し始めた。