プロローグ「事故死した俺の来世は異世界の魔法使い⁉︎」
プロローグ
雨が降ったあの日、俺は交通事故で死んだ。その日は朝からものすごい雨が降っていて、洪水警報も出るほどだった。横断歩道を渡っている途中で、突っ込んできた車に跳ねられその後病院で息を引き取った。豪雨で視界不良になっていて、運転手は信号が見えていなかったらしい。
そして現在、俺の目の前には何故か天使のようなものがいる。
「可哀想に、交通事故で死んでしまうなんて……」
「いや、誰…?」
「見てわからない?天使よ」
「夢か何かなのか…」
「夢じゃないわよ!私は天使で、ここは天界の入口みたいなところ」
ふと周りを見てみると、俺と天使を名乗るやつ以外は誰もいなかった。また、どこを見てもそこは白一色だった。
「まぁ、死んじゃったことはどうしようもありませんからねぇ?」
「本当に俺は、死んだのか…」
「だからここにいるんでしょう?でも、転生先はとってもいいところよ?」
「転生先?」
「あなたの転生先は、異世界の魔法使いよ!仕方ないから良い家柄のところにしてあけだわ!感謝しなさい!」
とても偉そうな態度ではあったが、俺は死んだという事実を受け止めざるを得なかった。そして、〈異世界の魔法使い〉が次の新しい人生だということも。
「あ、そうそう!前世の記憶もそのままにしておいてあげるわ!」
「え、いいのか?」
「いいわよ!今日はとても気分が良いの!それじゃっ!いい異世界ライフを〜」
そう言われた瞬間に、俺は謎の穴の中に突き落とさせた。