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第16話(番外編) 向日葵 〜貴方だけを見つめてる〜

 私なんかじゃ駄目だった。

 蓮は高嶺さんの事だけを見つめてる。


 私は蓮の事が好き。

 小学生の頃からずっと。

 それなのに、ある日を境に蓮は変わった。

 高嶺さんが転校して来てから、蓮と高嶺さんの間に付け入る隙が無くなった。

 最初は悔しかったけど、いつしか諦めている自分がいた。

 だって高嶺さんは、あんなにも可愛くて髪も長くて女の子らしい。

 私は男勝りで男子に揶揄われてばかり。

 勝てっこない。

 私は蓮とは友達としていよう、そう思った。

 今の関係を壊したくなかった。


 ある日、高嶺さんが死んだ。

 それを知った時、悲しみよりも先に違う感情が湧き上がった。

 もしかしたら、これを機に私の事を見てくれるかもしれない。

 でも、クラスのみんなは平然としている中、一人で悲しんでいる蓮がいた。

 私は馬鹿だ。最低だ。

 今にも壊れそうな蓮が心配で、守ってあげたくて。

 けど、私は蓮の事を好きになる権利は無い。


 高嶺さんを失った蓮を少しでも助けてあげたい。そう考える様になった。

 私は蓮に謝った。高嶺さんにも謝りたいけど叶わないから一緒にその思いを込めた。

 蓮は変わってしまったけど、私の好きだった優しさは残っていた。


 やっぱり忘れられない。私は蓮の事が好き。

 私の中であらゆる感情が湧き上がる。

 私の方が蓮を知っている。

 私の方が蓮を救ってあげられる。

 私の方が蓮を愛する事が出来る。側にいてあげられる。

 過去に何て縛られないで、私だけを見つめて欲しい。

 もう影に隠れて、気持ちを育てるのは終わり。


 幼い頃にお母さんに教えて貰った、ヒマワリのもう一つの花言葉。

 ーーーヒマワリ。


「あなただけを見つめてる」

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