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第十四話 ずっと前に聞いた咆哮

 初めて据え置き火器タレットを手に入れてから5年が経った。


 タレットを放置するだけで、レベルが上がる簡単なお仕事だったため、今やレベルも19である。

 テーグ山のモンスターを狩りつくしてやろうかと思ったが、これ以上、山の地形を変えると生態系に影響が出ますよと、レーストに注意された段階で止めておいた。

 最早、テーグ山の麓であれば子供達が笑って遊べる程度には、モンスターがいない。


 召喚術士は強力だがレベルが上がりにくいとレーストが言っていたのだけど、あんだけ狩ればやはりそれなりに上がるものらしい。

 逆にあれだけ狩ってこれかと思わないでもないけど、まぁ、テーグ山には最高レベルでも24のモンスターしかいなかったので、これぐらいが限界なんだろうね。


 スキルも順当に増えた。

 どうしても、据え置き火器(スーパーレア)がやりたくて、1度レベル10分を突っ込んだ以外には大きな博打はしていない。

 スーパーレアで何が出たかって? もちろんいい奴だよ。

 あれで漸くセシリアに見せる召喚術が出来たからね。

 セシリアの喜びようったらなかった。

 きっと、アレのお蔭で12歳になった今でも、セシリアから見捨てられずに『兄さん、すごいですッ!』が聞けているに違いない。

 まぁ、流石に頻度はかなり減ったけどね。


 いや、引いてよかった、本当によかったわ~。


 [イオタ・シャボン玉連射機]。


 これを説明するとこうだ。綺麗なシャボン玉が辺り一面に広がる勢いで連射するっていうロマン武器で、相手に与えるダメージはゼロ。ただし、幼女には大人気。

 今となってはいい思い出だが、これを最初見たときは、三日三晩寝込んだな~。

 なんせレベル10分だ。召喚術士はレベルが上がりにくいってのに、それを10分つぎ込んで生まれたのがこれだ。

 レーストは、待ってましたとばかりに狂喜乱舞していたが、俺のへこみようったらなかった。

 イオタ・シャボン玉連射機をセシリアに見せて満開の笑顔を見るまでは、フランクさん曰く死んだ魚の様な目をしていたらしいからね。


 とにもかくにも、スーパーレア事件以降は大きな博打はしなくなった。

 といっても、レベル1につきノーマルを1回は引いているのだけどね。


 今の俺のスキルはこうなっている。



こん棒(初級) Lv1 必要ポイント30

水系魔法(初級) Lv1 必要ポイント100

(召喚術)

イオタ・略式機関砲

イオタ・シャボン玉連射機

イオタ・装甲重機関銃

イオタ・壱式火炎放射機

オミクロン・パラライズボルト

オミクロン・スリーピングボルト

ロー・状態異常回復機

ロー・生命力回復機

召喚術強化・攻撃 Lv3 必要ポイント3

召喚術強化・防御 Lv1 必要ポイント1

召喚術強化・体力 Lv1 必要ポイント1

召喚術強化・速度 Lv1 必要ポイント1

召喚術強化・魔力 Lv1 必要ポイント1

召喚術強化・知力 Lv1 必要ポイント1

召喚術強化・魅力 Lv1 必要ポイント1

召喚術強化・探知 Lv3 必要ポイント3

召喚術強化・隠蔽 Lv2 必要ポイント2

召喚術強化・回復 Lv1 必要ポイント1

召喚術強化・制御 Lv1 必要ポイント1

召喚時間延長 Lv3 必要ポイント5

召喚準備時間短縮 Lv3 必要ポイント5

複数召喚 Lv2 必要ポイント3

(銃器)

手持ち火器(ノーマル)

手持ち火器(レア)

手持ち火器(スーパーレア)

据え置き火器(ノーマル)

据え置き火器(レア)

据え置き火器(スーパーレア)

水鉄砲

ショットガン|(中級)



 新しく手に入れた据え置き火器タレットと、とりあえず、攻撃こそ最大の防御、防御なんて飾りってことで、攻撃と探知、気づかずに撃てたらおいしいと思って上げた隠蔽ってところか。

 後は、タレットを長く呼びだすことが出来る召喚時間延長、タレットを早く呼び出すことが出来る召喚準備時間短縮、タレットを複数呼び出すことが出来る複数召喚を順当に上げている。


 他の魅力とか制御とか回復とかよくわからんものは上げていない。

 レーストに聞こうにも、召喚士の職業スキルで一般的なのだから、たまには自分で調べたらどうですかと切り捨てやがったからな、あいつ。

 ま、つまりは、この図書館はおろか紙媒体すら珍しい村で、どうやって調べりゃいいんだつーのと嘆きつつ上げたのが今のスキル一覧になるわけだ


 残りのスキルポイントは2。

 最初は隠蔽に使おうかとも思ったけど、効果が分からなかったので上げなかった。

 なんせこのタレット共、探知した瞬間に撃ち殺しているので、ぶっちゃけ隠れる系のスキルの意味が余り無かったのである。

 ということで、保留で2ポイント余っている状態だ。


 にしても、ルースト様式ガチャはノーマルでいいのが出すぎだった。

 特に、機銃で攻撃する[イオタ・装甲重機関銃]、撃った相手を麻痺らせる[オミクロン・パラライズボルト]、撃った相手を眠らせる[オミクロン・スリーピングボルト]はかなり使い勝手がいい。

 正直、[イオタ・略式機関砲]ではダンジョンとか絶対に入れなかっただけに、この3つは取れて本当に良かった。

 [イオタ・壱式火炎放射機]は……うん、俺、火炎放射器が20m近い炎を吐くなんて知らなかったよ。あんなのダンジョンで使ったら間違いなく誤爆する。


 [ロー・状態異常回復機]、[ロー・生命力回復機]? マゾ養成機、以上。

 まぁ、軽く紹介すると撃たれて回復するので、痛い、気持ちいいが、交互に来る。

 最終的に、こんなの耐えられないッ! が、俺の感想。



 スキルも増えて、俺も順当に成長して、セシリアに対してもちゃんと頼れるお兄ちゃんをかろうじてやっていられている。

 全ては順風満帆だった。


 そう、あいつが来るまでは。




 ――誰かが言った。ついにこの村にもやってきた、と。


 サハス村の皆が我先にと逃げていく。

 女、子供、関係ない。完全な恐慌状態だ。


 今さっきも、あんなに優しかった、2件隣のシーラばーちゃんに突き飛ばされた。

 きっと、突き飛ばしたかった訳では無いだろう。

 だって、おばちゃんの目には俺が見えていなかった。


 見えていたのは、巨大な羽に、口から覗く鋭利な牙、黒くて大きくて巨体。

 そして、ずっと前に聞いた咆哮。


「よー、初めまして。そして、お久しぶりだよ、ドラゴンさん」


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