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詩集<君に届け!>

花火に散る夜

作者: papiko

花火の音を聞くと

祖母のことを思い出す


みんなで花火を見に行ったとき

祖母が泣いた

理由はそのときは言わなかった


ただ、笑って

いいから思い切り楽しみなさい

そう言っていた


その理由を知ったのは

祖母が亡くなるほんの数日前だった


暑い夏

遠くで花火の音がして

祖母はおびえた目をしていた


花火嫌いってきいたら

怖いのよとぽつりともらした


爆弾や機関銃の音に

聞こえてしまうのだと


いろんなことを

忘れてるのに

消えてくれないんだと


祖母はそれでも生きてた

私は生きていたと

つぶやく


だからね

たくさん楽しい思い出を作ったの

おじいちゃんと二人で

一生懸命作ったの


それでも消えてくれないの


だからね

あんたたちしっかり生きなさい


ただ そう言い残して

この世を旅立った


花火の音を聞くときに

祖母の涙を思い出す


消えない記憶

わたしの記憶



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― 新着の感想 ―
[一言] 今の時期にぴったりな詩ですね。 花火=綺麗なものであり、花火=怖いものという発想はありませんでした。戦争を体験された方のお気持ちを代弁された素敵な詩ですね。 おじい様とおばあ様はきっと楽し…
[良い点] 戦争の忌まわしい記憶が、花火とともによみがえってしまったんですね。 今はもう戦争体験者はほとんどおらず、戦争がどれ程悲惨だったのか忘れ始めていますが、こういう話を聞くと、戦争は本当に怖い…
感想一覧
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