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植物使いの望んでいない学園生活  作者: milky
入学から期末試験編
5/8

花の力

一言あらすじ

流佳の能力が少し分かったかもしれません。

「なるほどね。お前の異能力は感覚操作だな」

花は銃の弾丸を装填しつつ、自身の推測を口にする。流佳は一瞬目を見開いたがすぐに平静を取り戻し、花を睨み付ける。

「どうし…」

「あー、答えなくていい。別にお前の異能力を説明してほしくていった訳じゃないから。唯…」

花は流佳の言葉を遮って止めさせる。そして、先程から続けている笑顔を引っ込めて流佳に対する嫌悪感を隠すことなく顔に出して言いはなつ。

「これから死ぬほど辛い目に合わせるから正気を保っているうちに言ってみただけだよ」

「っ!!」

流佳はこの時、脳内で血まみれで倒れている自分の姿を想像した。花の余りの殺気に脳が勝手に見せた映像だったが流佳の戦意を失わせて、その場から進めなくするには充分だった。たまらず、流佳は花から距離をとろうとする。一刻でも早く花から離れたかった。

しかし、それが裏目に出た。流佳は逃げるのに必死で花の口元が笑っていることに気づけなかった。

「無駄だよ。育て、『薔薇の牢獄(ローズプリズン)』」

花の言葉でさっき撃った弾丸――薔薇の種が急速成長して、流佳を閉じ込めるように育った。止まったところで花は銃の引き金を引き、流佳の足元に弾丸を撃ち込んだ。

「育て、『柳の拳(ウィロウフィスト)

流佳の体を斜めに育った柳の木が飛ばす。当然飛ばした先には薔薇があるので……

「いたっ!?ああっ…血が!!棘が刺さって血が!!」

流佳は薔薇の棘で血塗れになり、悲鳴をあげて体をすぐに棘から外して余りの痛みに床に膝をつく。周りで見ている生徒達が目の前で起こったグロテスクな光景に手を口に当てて青い顔をしている。なかには、倒れたものまでいる。

しかし、そこで終わることはなかった。花がゆっくりと流佳に近づいていく。流佳はそれに気づくと恐怖で体が震えて、顔からは血と涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった状態で動くことすらできずにいる。花が流佳の目の前まで来ると流佳は悲鳴をあげることすらできず、下半身から液体を出していることにすら気づけず唯々花を見ることしかできない。

「気分はどうだ?漏らしたり、色々したけど……後、半分で終わるからまだ壊れるなよ」

「あっああああああああああ!!!??」

花は無表情で続きをしようと銃を流佳の額に突きつける。流佳はもう耐えられず悲鳴なのか鳴き声なのかわからない声をわめき散らして黙ろうとしない。それに対して花が少しイラついたから引き金を引こうとすると、横から何かが飛んできて花を襲ってきた。それを避けることは簡単だったが一瞬目を流佳から離してしまい、その間に流佳と花の間に荒川を先頭に数人の生徒が立ち塞がっていた。

「先生、決闘の邪魔だ。退いてくれませんか」

「進道。これはもう決闘じゃないだろ。これ以上はやめてくれ。でないと……」

「私達が君を捕縛しなければならなくなる」

荒川の一歩後ろにいた女子生徒が荒川の隣に立ち花を睨む。

「あんた達誰?」

「我々は異魔学園生徒会執行部。そして執行部の第十席を名乗らせて貰っている、影野 通香(みちか)だ」

一応、君の先輩だ。と言って視線を一度花から流佳に移して、流佳を悲しそうに見つめる。今の流佳の外見はあまりにも痛々しく、正気を失い、独り言をぶつぶつと唱えている。

「何故、こんなことができるのだ。進道 花」

「何故って、そいつが他人を労うことすらできないクズだから、かな?」

「だからといってここまでする必要は……」

通香が花の言い分を否定しようと反論するが花からしたらどうでもいいことなのだ。通香が話すときに一瞬できた隙に弾丸を流佳に向けて三発撃ち込む。通香も気づくことができなかった一瞬を確実に捉えて撃ち込んだ弾丸は流佳の目の前で同じく三発の弾丸で撃ち落とされる。目を弾丸が飛んできた方向に向けると通香のすぐ後ろに小学生くらいの女の子が銃を構えて立っていた。

「……捕縛」

女の子がそう言うと生徒会は花を囲むように散開すると各々武器を構えた。そして、通香と女の子が花の目の前に立った。

「これで君の捕縛は決定だ。進道君。今から謝るならば捕縛はしないであげよう」

「ねえ、君誰?」

「無視するな!!」

通香が最後の忠告をするが花はそれを無視して弾丸を撃ち落とした女の子に質問をする。しかもものすごく優しく質問をした。先程までの流佳にした仕打ちが嘘のように思えてくるほどだった。

「うるさいな!!隣にいる娘が怯えたらどうすんだ!!他人に優しくできないのか!!」

『『『お前が言うな!!』』』

花の文句は体育館にいた全ての生徒に突っ込まれた。しかし、当事者である花と女の子はまったく気にしなかった。

「……生徒会執行部の天之川 翼。……二年生」

「先輩!?こんなに小さくて可愛いのに!?」

花は完全に小学生だと思っていただけに凄く驚いた。しかし、それは一年生全員が同じだった。翼の外見は身長が低く、凹凸のあまりない体つきで顔は幼かった。誰もが通香が連れてきている妹だと思っていた。

「……可愛い……へへへ」

「ちょっと翼、何嬉しがってるのよ!?」

「……嬉しかったから。……結構好みのタイプだったりする」

流佳の突っ込みにまんざらでもない笑みを浮かべて翼は嬉しがってる。通香はそれをため息をついて視界から外すと周りの生徒会執行部の生徒に指示を出す。

「全員、進道 花を捕縛しなさい!!能力を使うことを許可します!!」

通香の号令で一斉に花に襲いかかる。魔法を使うものを残して武器を手に花との距離を詰めようとするがそれは叶わない。

「そんなので俺に通じると思ってるの?攻撃っていうのはこういうものを言うんだよ。『朝霧草の波(アルテシミアウェーブ)』」

花が手から種を撒くと朝霧草が生えて成長する。生徒会の生徒は薙ぎ倒して進もうと武器をふるったがそれは不可能だった。朝霧草の茎が通常ではあり得ないほど伸びて生徒会を突き刺す。これだけで半数以上が戦闘不能になった。

そんな中、花は通香に向けて銃を構えていた。花の直感で、今向かってきている生徒会の生徒よりも通香の方が危険だと判断した。それこそ一瞬気を抜いてしまえばその時点で殺されるかもしれないくらいに。向こうもそれは同じらしく通香が花に考えなしに突っ込むことはないようだ。翼は花をうっとりした目で見ており戦意を持っていない。

花と通香が同時に動こうとしたとき、二人の間に黒い球体が現れた。

「「!?」」

「まったく騒がしいのう。これだけ派手にするなんてお前さんらしくないのー。花坊」

「堺のじっちゃん」

二人の間にあった球体から一人の初老の男性が出てきた。

能力解説

植物成長


植物を種から成長させる力。種以外からでも成長させることができるがそれではほとんど戦闘には向かない。

自分の好きなように成長させることも可能。



成長促進……植物の成長を早める。(大きさなども変えることが可能)



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